毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

投資は「自己責任」で!☆☆☆

少し前に、“お笑いコンビ・キャイ〜ンの天野っちこと天野ひろゆきさんが、実はすごいお金を貯め込んでいるらしい”*1という記事をネットで読んだ。
独身*2だし、いいものを食べていそうな体型(失礼)だし、根が素直な私はけっこう真面目に受け取ってしまった。
それで、一体どんなことをやっているんだろうと思っていたところ、この本の存在を知った。地元の図書館にあったので、さっそく予約を入れた。
――でも、この「資産」*3の話はとんでもないガセネタだ、と本の冒頭で否定してあるのだ。

◆目次◆
はじめに
第一章 ボクなりに考えるこれからのおカネとの付き合い方
第二章 使ってみて初めてわかった!おカネのマナーと仕組み
第三章 おカネがわかると世界が見えてくる!
第四章 仕事、人生、そしておカネをどう考える?
第五章 これからの日本とおカネの正しい考え方とは?
おわりに

読み始めてすぐ誤報だったと知ってちょっとがっかりしたが、天野さんはさすがは本を出すだけあってお金に対してとてもしっかりした考え方を持っている。
ご自身の判断基準がとても明確なのだ。

たとえば、まだ若手の時にマンションを購入したそうだが、それは自分が「賃貸の家賃を払い続けるよりも自分のものであるマンションを買ってローンを払う方がいい」と思うタイプだから。
また、外貨の投資信託を証券会社の店頭ですすめられた時は、「自分がよくわからない国に投資するのは不安だ」という気持ちから、オーストラリア国債にしたそうだ。


ウドちゃんのコメントがいくつか載っているが、さすがは長年苦楽を共にした相方。天野さんの本当の姿が見えてくる。
私が感心したのは、駆け出しの頃に“4畳半風呂なしトイレ共同で小さなキッチンつき、光熱費込みで家賃2万”という天野くんの住まいをウドちゃんが訪れた時のエピソードだ。
天野くんは、その小さなキッチンのコンロで「タコ糸で巻いた牛肩ロース」を煮詰めていたそうだ。
ふつう、四畳半の小さなキッチンでそんな本格的な料理をする人はいませんよね。
(ウドちゃんは「天野くん」と呼んでいるので、エピソードの部分は「天野くん」にしました)

天野さんは、自分にとって「お金をどこにかけるのが大切で、どこを削っても心豊かに暮らせるか」がわかっている人なのだと思う。


この本では、天野さんの投資歴を振り返りながらお金とのつきあい方が示されるのだが、最も熱く語られるのが株式投資投資信託ではなく、自分で銘柄を選んで投資しているそうで、それには理由がある。

 実は、ボクは今、株式を中心とする「投資」を行っています。そう、つまり、お笑い芸人であると同時に、個人投資家でもあるわけです。
(中略)
…なぜ五年とはいえ飽きずに投資を続けているのか。
 それは、おカネを投資に回すことによって、ボクの好きな会社、そして、ひいては少しでも日本の経済がよくなってほしいと思っているから(P3)。

投資術を出版するような人が、ここまで「企業応援や日本の応援」をハッキリ打ち出すのはたぶん珍しい。ついつい目先のことで銘柄を選んでしまいがちなのでちょっと反省した。

こんな風に、天野さんには投資すべてにおいて明確なご自分の基準があるので、結果的にリスクを回避できているのだ。「自己責任」とはこういうことか、と納得。


株や投資信託も一通り経験のある私には、失礼ながらそれほど新しい内容はなかったのだが、天野さんのお金や人生に対する姿勢が一番勉強になった気がする。その辺りのことは4章にくわしく書かれている。
親にお金を使ってもらう(=世の中にお金が回って日本経済が上向く)ために、まず自分が自立して安心させよう、なんてなかなか言えないことだ。


「お笑い芸人の書いたマネー本」というイメージとはちがい、実はとてもオーソドックスなお金の本。ファイナンシャルプランナーの解説も随所にあるので安心だ。
お金について楽しく知りたい、何からやっていいかわからない、という人におすすめです。
私のアクション:投資する時に世界の動向を見る習慣をつける

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

オレ流リスク分散のキモは「余裕」「応援」「勉強」(P80)

・余裕…あくまで動かしても問題ない資産を投資に回すこと。そうすることで心にも余裕が生じる
・応援…儲けよりもあくまで企業を応援するということを第一に考える。あくまで勝てばうれしいが、負けたら仕方ないという短期的なリターンを求めない姿勢で好きな企業に投資すれば、投資額も自然とセーブされ、リスクも軽減される
・勉強…お金のこと、世界のことを勉強することを主な目的のひとつとして投資を行う。日本と世界の関係性を知るための授業料という意識を第一に、投資をしてみる

*1:私の記憶では、確か「資産8億」とありました

*2:その後ご結婚されましたが、その当時はまだ独身でした

*3:本では「10億」の噂だったとあります