毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

意識の高さが一流を作る☆☆☆

意識力 (PHP新書)
意識力
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宮本 慎也
PHP研究所(PHP新書)(2014/03/15)
¥ 821

昨年東京ヤクルトスワローズを退団した、バントの名手にして名内野手、日本代表チーム主将も務めた宮本慎也さんの本。家族が借りてきたので読んでみた。
あれっ、なんか意外?というのが読んだ時の素直な感想だった。


◆目次◆
はじめに――意識を積み重ね、無意識を求める
第1章 気づくこと
第2章 気づかせること
第3章 守る意識
第4章 攻める意識
第5章 身体への意識
第6章 人生への意識
おわりに――うまくなりたいという熱意

※宮本氏の経歴についてはこちらをご覧ください。
wikipedia:宮本慎也

名門を渡り歩き、野村克也監督(当時)の薫陶を受け、ID野球を最も体現した選手という印象だった。
なのに、体が小さいからという理由で実は高校時代から悩み、工夫をして乗り越えてきたのだそうだ。その大きなポイントが「意識を高く持つ」ということ。

守備を例にとって具体的に書いてあるのだが、確かにここまで考えている選手はほとんどいないだろう。

たとえば、

  • 受ける相手のことを考えて、一歩早く出て捕球する(ギリギリだと体勢を立て直す余裕がなく、捕りやすい球を投げられないから)。
  • 難しい打球でも回り込んで簡単そうに取る(ピッチャーが「抑えられた、今日は調子がいいかも」と気分よく投げられるから)。
  • 捕球後、握り直さなくてもグラブの中でつかんでそのまま投げてもちゃんと投げられるよう、意識して経験を積む(もともと、投げる時の感覚は人より優れていると感じていたそうですが)。

何事も、漫然とやっていては成長しないのだ。
下のメモにもあるが、バッティングに関しては、首位打者を取る選手は意識が違う、と書いてあった。

 

また、さらに意外だったのはバントに関して。

 誤解を恐れないで書けば、バントは嫌いだった。
(中略)
 試合終盤の大事な場面は別にして、バントのサインを出されるというのは、やはりベンチから信用されていないということだ(P169-170)。

あれだけ「自分の強みを活かして生き残る」を実践していた人でも、こんな業のようなものがあったとは。

 

もうひとつ印象に残ったのは次の言葉だった。

プロ野球選手は試合中は興奮状態が続く職業である。魚や野菜よりも肉を食べている選手が長生きするのは、当然のことだ。振り返ってみると、「もう肉、あんまり食べられないんだよな」と早めに魚に移行する選手は、選手寿命が短かった(P178)。

科学的根拠があるわけではなく、あくまで宮本氏の主観だが、長年プロ野球選手としてそう感じていたのなら、案外本当かもしれない。

 

現在、宮本氏はNHKの解説者として活躍中だ。私も一度見たが、1年目でここまで鋭いことが言えるとは、と驚いた。
ただ、この辺は好みが分かれると思うが、何となく暗い印象だった。
この本を読んで、それを思い出した。本のトーンもどことなく暗い気がする。

――この感じ、何かに似てる、と思ったら野村元監督の解説だった*1
言っていることはおおむね正しい。鋭いことも言う。でも、暗い…。

野村野球の正統な継承者は古田さんではなく、宮本氏かもしれない。
宮本氏はいつか監督をやりたい、と思っているそうなので、きっと野村元監督のような名監督になるだろう。
ただし、茶髪が、身だしなみがとあまり口うるさく言っていたら、埼玉のどこかのチームみたいなことになるのでご注意ください。

玄人好みの本だと思うので、プロ野球ファンはどうぞ。
ただし、ライトなファンはちょっとびっくりすると思います。
私のアクション:「無意識に何かをする」時間を減らす

関連記事
読書日記:『脇役力』
※元メジャーリーガー・田口壮さんの本

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

意識を高く持つ(P4)

…野球に取り組む中で心がけていたのは、「意識」を高く持ち続けることだった。練習でのちょっとした意識の違いがプレーを変える。もっと言えば、日常生活の中での意識が、試合中のプレーに影響することだってある。

ミスを認める(P24)

ミスの原因をつきつめて、次への対策を見つけることが反省だ。似ているようでいて、言い訳と反省は違う。ミスを認めるからこそ、反省して次に進める。

タイトルを取る選手と取れない選手の違い(P164)

ヤクルトで3度、首位打者になった青木宣親はどんなに点差の開いた試合でも、同じレベルの集中力で打席に向かっていた。
(宮本氏本人は、試合の勝敗が決まったあとの打席では、気合いが入らないことがあったという)

*1:ノムラスコープ、とかやっていた頃ですね