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「ダ・ヴィンチ神話」に迫る☆☆☆

レオナルド・ダ・ヴィンチ―真理の扉を開く (「知の再発見」双書―絵で読む世界文化史)
アレッサンドロ・ヴェッツォシ著
高階秀爾監修/後藤淳一訳
創元社 (「知の再発見」双書79)(1998/11/10)
¥ 1,728
同じシリーズの『ピサロ 永遠の印象派』が非常に内容が深くて面白かったので、印象派以外で一番興味のあるダ・ヴィンチも読んでみた。
こちらもすごいボリュームだった。


◆目次◆
第1章 彼はかつてヴィンチ村にいた
第2章 メディチ家が支配するフィレンツェ
第3章 スフォルツァ家が支配するミラノで
第4章 芸術と戦争
第5章 ミラノ、ローマ、アンボワーズ
資料編 「万能の天才」の真実

謎の多いレオナルド・ダ・ヴィンチの緻密な伝記だ。

たくさんの資料をもとに、丹念にダ・ヴィンチの足跡を追っていく。たびたびパトロンを替えたりいろんな土地に赴いたため、しょっちゅう移動しているし、功績は絵画以外にも設計や建築などとても範囲が広いので、この本を書くのは大変だっただろうと思う。
登場人物も多いし、あちこち話が飛ぶので読むだけで集中力が要る。


この本で初めて知ったことは3つ。

  1. 本人の作かどうかわからない絵画作品がたくさんあること
  2. 「レオナルド伝説」なるものが実は多いこと
  3. 本人は画家よりも建築家や軍事家として自分を売り込んでいたこと


1は、当時は工房制だったため、顔など一部だけはダ・ヴィンチ、他は弟子が描いたものがあるそうだ。弟子がダ・ヴィンチの作品を勉強のために模写したのでは、という絵もあり、いまだに真贋が判別できていないものも。

2の「レオナルド伝説」はかなりすごい。後の世に付け加えられた偉業などもいろいろあるそうで、「ダ・ヴィンチの発明」と今日言われている中には怪しいものもあるらしい。
ダ・ヴィンチはこまめにメモを取っていたようで、それがたくさん残されているが、自身のことばなのか、何かからの引用なのかがはっきりしないことも混乱を招いているようだ。

3は、「絵画を注文したのにちっとも描いてもらえない」エピソードがしばしば登場する。長年のパトロンのひとりが注文した絵がどうなったのか確かめるために使者を送ったが、使者からの「レオナルドは幾何学に夢中になっていて、ちっとも絵を描いていない」という手紙が残っているそうだ。

実際に、軍事技師として仕えた時期もあるし、マキャベッリとも交友があった*1そうだ。


メディチ家をはじめ、イタリア史の有名どころが大勢登場するのには驚いた。以前、曲がりなりにも塩野七生さんの『わが友マキアヴェッリ』を読んでいてよかった。ずいぶん理解の助けになったと思う。


伝説化されているとはいえ、天才なのも間違いないし、ものすごい努力家だったことも今回初めて知った。

絵画作品の多くはカラーで紹介されているし、デッサンも多数載っている。手稿(メモのこと)も資料編を中心にいろいろ読める。これ1冊でかなりレオナルド・ダ・ヴィンチの人生に触れられると思う。

ダ・ヴィンチの絵が好き、という人にはお勧めです。
私のアクション:ダ・ヴィンチの手記を読んでみる 
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※この本のメモはありません

*1:この本では親友と書かれています