毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

“戦略的いいひと”はこれからの生き残り作戦だ☆☆☆☆

そういえば、読んでいなかった岡田斗司夫さんの『「いいひと」戦略』。

今年のうちに、と思って借りて来た。
岡田さんの本はどれもインパクトがあるが、最も“痛いところを突かれた”のがこの本だった。

 

◆目次◆
序文
第0章 ネット世代から「いいひと」が生まれている
第1章 評価経済社会の到来
第2章 自己啓発の格付け
第3章 評価戦略
第4章 「いいひと」戦略への反論
第5章 いいひと戦略
第6章 評価経済社会で生きる
後書き

タイトルで、ほとんどこの本の核心は表現されている。「いいひと」になりましょう、という話ではなく、戦略として「いいひと」を演じましょう、なのだ*1
これを知っているかどうかで、今後の人生が決まってしまうんじゃないか、というくらい怖い内容だ。

 

ネットのある現代は、今までとは社会のしくみが変わってくる。今まで有利だったことも、これからは有利ではなくなる。では、新たな評価のモノサシは何か、というのが「いいひと」かどうか。

今まで、「がんばって一番になるのが素晴らしいことだ」という価値観を持っていた人も、これからはもう役に立たない。なぜなら、ネットを探せばいくらでも自分以上のレベルの人がいるからだ。なので、「いいひと」になっていろんな人と繋がる方が早い。
というわけで、何と「自己啓発」もオワコンなのだそうだ。

 

「いいひと」とは、言い換えれば「愛されキャラ」「モテキャラ」になること。
そのための方法は、ちゃんと提示されている。

レコーディング・ダイエット以降、岡田さんの本に登場する6つのフェーズは、「いいひと」戦略だとこうなっている。

「いいひと戦略」6つのフェーズ(P147)
助走:フォローする
離陸:共感する
上昇:褒める
巡航:手伝う、助ける、応援する
再加速:教える
軌道到達:マネー経済から抜け出す

前半は、あくまでネット上の話だったが、後半はそれが実生活にも広がる。
今まで、「スキルを磨き、それを使って収入を得よう」と考えていた人は、方向転換した方がいいかもしれない。
第6章では実例も登場する。「いいひと」キャラでいろんな仕事を手伝っていた、奈良県(山間部)に住む達磨さんという男性が、いかに収入を得ているかという話は、確かに「マネー経済」からの脱却のいい例だろう。
以前読んだ『ナリワイをつくる』という本を思い出した*2
他にも、“月3万円得られる仕事を、10個持てば生活できる”という内容の本は一時期たくさん出てきたが、達磨さんの例はそれを裏付けする話だ。

いろんなことを頼まれて手伝っているうちに、それが収入につながる。いくつもやっているうちに、けっこうまとまった額になる。今では、お店をやっている兄弟がお金を借りに来るくらいになったそうだ。
会社に勤めていない、定職がない、というのは肩身のせまいもの、という思いがあったが、これからは会社に人生を捧げなくても、生きていける可能性が広がるのかもしれない。

 

今後は、実名を出し、できるだけ裏表のないキャラでやっていくのが必須になっていくそうだ。
確かに、ネットで最もたくさんの人とつながっている知人は、実名で顔も出し、それで仕事もしている。
Facebookツイッターの使い方も見直しが必要だ。
私はツイッターをただの「ブログ更新告知」としてしか使っていなかったが、せっかくフォローしてもらっているのにフォロー返ししていないのはもったいないのだそうだ。有名人でももったいないのに、一般人は何を勘違いしているのか、とあった。はい、申し訳ありません。

 

“「いいひと」は「いいひと」としかつき合わない。「いいひと」とつき合いたかったら、自分が「いいひと」になれ”という言葉は耳が痛い。
今後の生き残り作戦として、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:ツイッターのフォロー返しします!

 

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

現代必須の心得(P6)

「この高度に発達した情報社会・ネット社会では“隠し事”など無駄になる。自分の地位が上がれば上がるほど、陰でコッソリなどというのは不可能になる。人前で態度を使い分けたり、裏で本音と称する悪口を言うのは、高度情報社会においては自殺行為」
「他人の悪口を言う時は一番広い場所で言う。自分の弱点も積極的に話す。これが結局、最大の防御になる」

「いいひと戦略」とは(P7)

「いっけん損に見える言動が、実は長期的には利得になる」
「いいひとになれ」ではなく、「いいひと」と思わせることが長期ベースでは最も得になる。

なぜ著者は「いいひと」に見える努力をしたのか?(P13)

私も「いいひと」とつきあいたかったから。…「いいひと」とつきあうためには、まず私自身がが「いいひと」になる必要があった。
いいひとは、自分の気持ちを一番大事にするので、気分を悪くさせるような「イヤな人」とはつきあおうとしない。

人の欠点を探したり、改良点を提案したり、悪口を言うのはすべて「イヤな人戦略」(P22)

「いいひと戦略」の本質は「愛は負けても、親切は勝つ」(P23)

心の美しさや綺麗さなどではなく、人に親切にするという「行為」が自身の幸せを決めている(P25)

これからの時代の豊かさとは、「何をどれだけ持っているか」ではなくて「どれくらい選択肢があるのか」(P42)

何かがほしい時には、「どれだけ簡単に、どれだけ素早くアクセスできるか」がポイントになる。

自己啓発はもう「オワコン」(P62)

ネット上にはいくらでも有能な人がいる。自分で、自己啓発本が説く「幸せなゴール」(=金持ちになる/頭がよくなる/情報通になる/有名になる)を目指すよりも、この人達に好かれた方が、ずっと手っ取り早い。

今後求められるスキルは「モテる技術」(P63)

あなたの性格も「戦略の結果」に過ぎない(P67)

「デブは太る努力の結果」と同じ。
毎日毎日、楽観的あるいは悲観的に考えたり、行動したりするように努力した結果、自分で作り上げた思考パターンを、私たちは「性格」と呼んでいる。
(中略)
これまで悲観的性格や楽観的性格は、単に人生に対する戦略であり、生き方の選択だった。でも今後、悲観的戦略はより損な戦略になる。
悲観的な人と仲良くなりたい人は稀。イヤな人と同じように、悲観的なことばかり言う人とつき合うのはしんどいから。

ハイパー情報化社会において、沈黙は同意を意味する(P82)

あなたが心の中で「それは違うよ!」と思っていても、それをTwitterでつぶやくなり、facebookに書き込むなどして表に出さない限り、「異論ありません」と解釈されてしまう。「秘すれば花」は、現代には通用しない。他人から攻撃されたら、自分の考えをしっかり書き込んで、最低限、身を守るための防御態勢を取る必要がある。

「評価戦略」は現代の武道(P84)

現代の武道である「評価戦略」では、「うまく人をほめてやる気にさせる」という攻撃力と「何を言われても心が折れない意志の強さ」という防御力が必要になる。

もし「いいひと戦略」に失敗した人を見つけた時は、許してあげよう(P97)

「みんながウソだと言っても、私だけは君のこと信じるよ」と言ってみよう。
なぜなら、人を許すことは「いいひと」になる確率を飛躍的に上げてくれるから。許した本人のみならず、許された相手も「いいひと」になる可能性がある。

「いいひと戦略」は、連鎖的に機能する。それによって、「いいひと」がたくさん生まれ、あなたの周りには「いいひと」ばかりになっているはず。

「いいひと戦略」を取っていると、「イヤな人」とつきあう必要性が減ってくる(P101)

これからの世界は、3つの階層に分かれる(P128)

プライベートな情報をたくさん公開している公的な人「パブリック」=キャラクター上場、
名前だけでも公表する人=「スタンダード」
名前も顔写真もプライベートの情報もまったく公開しない「アンダーグラウンド
アンダーグラウンド評価経済社会の外で暮らすことになる。

悪口ばかり口にする人に出会ってしまったら、「いいひと煙幕」を張って逃げる(P133)

悪口を言う人の人格を批判するのは悪手。相手はきっと、あなたにも矛先を向けてくる。悪口に同調するのも、イヤな人に見られるフレームを無駄に増やすだけなので、得策ではない。
そんな時は、爽やかに「私にはよくわかりません(笑)」と適当な相づちを打って、さっさと立ち去る。
いいひと煙幕は低リスク低コスト。

面白く、頭がよく、気の合う人とばかり集まっていると、「ヤンキー化」する(P141)

漫画家・カラスヤサトシさんは自分に対する@つきのツイートのすべてにレスポンスすることを心がけている(P155)

忙しい時もあるので、数日後に「そうだと思います」「ありがとうございます!」と返す程度だが、必ず返信するそうだ。
「だって、道で挨拶されたら挨拶し返すじゃないですか」

「いいひと戦略」は現代の武道。毎日、型どおりに練習しないと上達しない(P157)

3Cを押さえれば、月3万円ビジネスがうまく回るようになる(P184)

キャラクターCharacter
コミュニティCommunity
コンテンツContent

最初は徹底的に「いいひと」キャラを押す必要がある(P195)

とにかく人を褒めて、助けて、応援して、教える。周囲に自分がいいひとであることをさんざんアピールする。

「あの人、キャラが立ってるよね」と言われる人は、必ず両面的な存在(P196)

「いいひと」であることは必要条件のひとつに過ぎず、それにプラスして個性的なキャラクターである必要がある。それが、ふたつ(あるいはそれ以上)のキャラクターが同居存在している状態であり、「キャラクター上場」とでも呼ぶべきもの。

有名人ではない私たちが生き延びるには「いいひと」であることで充分だが、さらにその先を行こうとしたらもうひとつキャラクターを足す必要がある。

大事なのは、本音と建前をなるべく一致させること(P198)

3つのリストを作る(P203)

このリストが、あなたを貨幣経済社会から脱出させてくれる鍵になる。
1.ウィッシュリスト
2.できますリスト
3.あげますリスト
この3つのネットで公開する。
「できますリスト」には、facebookの使い方とか、美味しいチャーハンの作り方とか、黙って悩みごと聞きますとか、思いついたものをざーっと書き出していく。同じように「あげますリスト」にも、使っていないPCとか、ずっと読んでいない本とか、持て余しているもらい物の野菜とかをリストアップする。

この3つのリストを、いいひとコミュニティのなかでぐるぐる回していけばいい。
いいひと戦略を取り、いいひととだけつきあってれば、お互いに助け合う「いいひとコミュニティ」があなたの周囲に自然発生していく。


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*1:もちろん、根っから「いいひと」であるに越したことはありません

*2:すみません、まだ読書日記は書けていません