元格闘家で、ダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」で世界的な人気を博すなど多方面で活躍する須藤元気さんの本。たくさん著書を出されているが、昨年出たこの本が今のところ最新刊のようだ。
ネットでこの本のことを知り、図書館で予約。だいぶ待ってようやく読めた。
◆目次◆
まえがき
第一章 仕事で成功する
第二章 日々を穏やかに過ごす
あとがき
表紙を見てもわかる通り、「WORLD ORDER」をどうやって立ち上げ、世に広めて行ったか、そのプロセスがかなりくわしく書いてある。
また、10代の頃に“格闘家かミュージシャンになりたい”と思っていた著者が、いかにして両方実現させたか、そのやり方もわかるようになっている。
ただ、のっけからいきなりドラゴンボールネタで、しかも格闘技にまったく興味がない私には少しとっつきにくかった*1。時々はさまれるジョーク(のようなもの)も、かなり微妙。やはりターゲットは格闘家時代からのファンの男性だろうか。
それから、目次を見ていただければわかるが、ものすごくおおざっぱな作り。タイトルに惹かれて手に取った読者に対してやや不親切な本かもしれない。
内容はとても面白いのに、ちょっと残念。
でも、やはり“天下を取った人”のリアルな言葉はストレートに響く。目の前のできごとをどう解釈するのかから、理想の自分になるにはどう考えて、どう行動するのかまで、なるほど、と思うことが多かった。
ネットで自分を売り出す方法や、いかに部下の才能を引き出して結果を出すか*2というリーダーシップも知ることができる。
人それぞれ、自分にとってヒントが見つかる本だと思う。
笑いながら気楽に読める本。タイトルでイメージするよりもかなり柔らかい本なので、そのつもりでどうぞ。ただし、内容は深いです。
私のアクション:考えるより先に行動!
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
人は理屈では動かない(P3)
人が動く理由は2つだけ。ひとつは利益。もうひとつが感動。
人に仕事を頼む時は、真面目な人よりも面倒くさがり屋に頼め(P29)
真面目な人は、文字通り真面目に面倒な仕事をやってくれる。
だが、面倒くさがり屋に頼むと、いかにラクをするか考えて一番効率のよい簡単な方法を見つけてくれるはず。
勝負の世界では、決め技はふたつ(P31)
これさえ押さえておけば勝てる、というポイントをしっかり把握していればいい。
必ず決められる技をふたつだけ。そのかわり、どんな状況からでも、その決め技に持って行けるスペシャリストでなければいけない。
(中略)
器用にいろんな技ができる人というのは、いい勝負ができたりうまく戦えたりもする。だけど、ここぞという勝負どころで一本勝ちやKO勝ちができない人が多い。
表現のパレートの法則(P37)
きちんと20%の人に向けて発信することが、あとの80%を引き寄せられる。
例)秋葉原カルチャーの場合
いわゆるオタク層に向けてのゲームやアニメが、そこできちんと支持され、次第に一般層を引き寄せ、世界にまでマーケットを広げていける。
ベストサイズの夢を選ぶ(P45)
なんであれ、はじめは自分の口でほおばれるサイズの夢を選び、そこからもっと大きな夢に広げていくのがよい。
自分が不利な場合、「足りないところがあったら、それを逆手にとって考える」という発想でやるとうまくいく(P51)
「しなくてはいけないこと」ではなく「したいこと」のリストを作る(P97)
やらなきゃいけないことがいろいろある、という人は「TO DO」と「TO WANT」のふたつのリストを作ることから始めてみるとよい。やるべきことと、やりたいことを書き出して照らし合わせることで、本当にやりたいことが見えてくる。
考えるより先に行動する習慣をつける(P105)
「考えるより先に行動してしまう」。このパターンを日々意識しながら実践していくことで、直観的に行動することが当たり前になってくる。何かあるたびに考えてしまわないで、先に行動する。それが自分になじむまで、当たり前になってくるまでしつこくしつこく繰り返していく。
行動したあとは、「これは自分にとってよいことだ」と思う癖をつける(P105)
どんな物事も中立であって、自分が意味づけることでそこに意味が生まれてくる。前もって意味づけられたことというのは、この世にはないのだ。
(中略)
だから何事も常に「この現象は自分にとってよいことだ」と解釈することが生きる上での王道なのだ。
悩みや問題を解決するには「内的対話をやめること」(P115)
つまり脳の中の「ああでもない」「こうでもない」というおしゃべりをやめることで、頭の中の雑念(ノイズ)を消していくのだ。
人に話すことで、「悩み」そのものにフォーカスされていた視点が変わる(P116)
須藤さんが悩んでいる時に取る行動(P117)
・人に話す
・瞑想する
・50分歩く
→歩くことで脳と全身の血液循環がよくなる/ドーパミンやベータエンドルフィンが出て精神的に落ち着く→情緒が安定
※「50分」に意味があるのだそう。速さは関係ありません
「無理だ」と言われることは、他の人がやっていないということを意味している(P123)
そして、他の人がやっていないことにはビジネスチャンスがあるのだ。
「こうなりたい」という自分の未来像から現在という時間の流れで考えるようにすると、現状に甘んじなくなる(P125)
「過去があって、今の自分があって、今の自分ががんばった先に未来がある」という風に考えると、どうしても「いま」の自分の思考パターンの枠組みから未来を見てしまうことになり、「いま」に染まってしまう。
まず「やりたくないこと」を書き出す(P142)
どんな小さなことでもいいから、やりたくないことだけを書き出してみる。
もう1枚の紙には、「やりたいこと」が思い浮かんだら書き出すようにしておく。「やりたくないこと」を明確にすることで、「やりたいこと」が浮かんでくる場合がある。
人生は勝ち負けの勝負ではないのだと気づくことができると、いろんなことがラクになる(P150)
自分の視点をどんどん高くしていくことで、勝つことも負けることも大したことではないと思えるようになってくる。勝ち組も負け組も関係なく、勝とうが負けようが、そこから何を学び取り、感じることができるかが、人生の中で何よりも大切なのだ。
過去の再解釈は時間の無駄。「今」ベストを尽くし言い訳しない(P164)
後悔するというのは、足におもりをつけて生きていくようなもの。
(中略)
どんな過去もその時の自分にとってベストな選択をした結果だ。そんな風に考えられるようになると、次第に後悔というものがなくなる。僕らが取り組むべき課題は、今という瞬間にベストを尽くし、今という瞬間に言い訳を残さないことだ。
結局、悩みや怒りは自分が正しいと思うから生じてくるもの(P170)
捉え方を変える、視点を変えてみるのは、生きる上の王道(P172)
どんな局面でも自分次第でそのありようを変化させることができる。