美崎さんの本は久しぶりに読んだが、今まで読んだ中でも特に充実した内容の1冊だと思う。
◆目次◆
はじめに
第1章 手帳は自分が行動するためのシナリオ
第2章 「結果を出す人」の手帳の書き方・使い方
第3章 時間を生み出す手帳活用術
第4章 デジタル×紙の「スマート手帳術」
おわりに
美崎さんは手帳の本を何冊も書かれていて、最近では手帳もプロデュースされている。
その“美崎さんの手帳術”をわかりやすくまとめたのがこの本だ。
最初の、このフレーズに衝撃を受けた。
私は手帳を「自分の人生のシナリオ(台本)」と呼んでいます(P2)。
さらに、
つまり、予定を手帳に書くことは、自分の行動を決めることなのです(P12)。
今までこういう本はたくさん読んできたが、はじめて「手帳術」の核心に触れた気がする。
何色のペンを使うとか、書き方をどうするとか、大切なのはそういうディテールではないのだ。
だから美崎さんは「結果を出す人」なのだと思った。
ご自身の手帳ページも例として写真で紹介されているが、率直に言って見栄えのいいものではない(すみません)。でも、「書くのにできるだけ時間をかけず、自分がわかればいい」という割り切りが潔い。
“これが正解”という押しつけはなく、できるだけベーシックな方法を紹介して、応用がきくように、という配慮がされている。
それには、次のような考え方があるからだ。
手帳のキモは書き方ではなく考え方多くの「手帳術」を読んでわかったのは、手帳の書き方そのものに加えて、その裏にある「考え方」を取り入れないと意味がない、ということです(P14)。
「考え方」をしっかり理解できれば、自分なりのアレンジを加えて、成果を出せる手帳になる。
これから手帳デビューする人は最初から、ある程度自分の方法ができている人は1、2章は確認する感じで読み、第3章を中心に読むのがいいと思う。
第3章では、ディテールではなく「結果を出す方法と考え方」を学べる。
第4章は、美崎さんも実践されている紙の手帳とスマホなどデジタルツールのハイブリッド式使い方が紹介されている。
もちろん、アプリなどの情報もあるし、便利な文房具もいろいろ登場する。
美崎さんの手帳術の考え方は、「おわりに」のこの言葉に集約されていると思う。
大事なことは、手帳に書いた予定を実行すること。また、その手帳に入念に予定を書き入れる時間を作ることです(P175)。
美崎さんの「手帳術」の集大成、新年を迎える前にぜひ読んでみてください。
すでに来年の手帳を用意していても、使えるヒントがたくさんあります。
私のアクション:「結果を出す人」のビジネス手帳2015を使う
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
この本で考える「手帳術」とは(P14)
1.成果を上げるという目的がまず先にある。
2.目的を実現させるには行動が必要。
3.最も生産性の高い行動を明らかにするために“手帳術”を駆使する。
4.自分がいつ何をするべきか明確に教えてくれる「シナリオ」が手に入る。
手帳は書くことよりも、見ることの方が大事(P20)
…手帳はシナリオだから。シナリオを見ずに舞台に上がる俳優はいない。手帳はいつでも見られるように、開いてデスクの上に置いておく
「何を」「どこに」「どこまで」書くか、ルールを明確にする(P24)
著者の場合、3W「Whenいつ」「What何を」「Whereどこで」をマンスリーに書き込むルール。それ以外はデジタルツールを活用。
自分の置かれた状況が変われば、最適な手帳も変わる(P40)
使いにくいと感じたら、無理に使い続けず、途中で買い換えるのもひとつの方法。この時、どこが使いにくいと感じたのかを振り返り、反省点を元に次の手帳を選ぶ。
手帳は買った時が切り替え時(P42)
同じタイプの手帳を使っているなら、今使っている手帳のページをコピーし、新しい手帳にそのまま貼り付ける。これなら書き写す手間が省ける。
手帳とノートの使い分けルール(P46)
「スケジュールに紐付けられる内容は手帳、それ以外はノートに書く」
会議の議事録や、ふと浮かんだアイデアはノートに。その議事録を元に、目的達成までの具体的な段取りをプランニングしたら、スケジュールに関連することとして、手帳のカレンダーに落とし込む。
ノートは1冊にまとめ、日付をタグ(目印)にする(P50)
情報は一元管理が原則。ノートには必ず日付を書いておくのがポイント。
手帳を見れば、いつ何をやったのかだいたいわかるので、その日付を頼りに、詳細な記録をノートから探し出せる。
ウィークリー・デイリーを使う時は(P57)
スケジュールの始まりの時間とだいたいの終わりの時間を記入し、そこに予定の内容と場所などを記入。さらに、拘束時間がわかるようにマーカーで塗っておく。
予定の種類は3タイプ(P60)
1.他人と会うための予定→打ち合わせ、飲み会、アポイント
2.デッドライン系の予定→締切、振込
3.自分の時間→趣味、子どもと過ごす時間
変更の可能性のある予定は付せんに書く(P61)
書き直すのは面倒だし、見づらくなってしまう。確定するまでは付せんに書いて貼っておくとよい。月がまたがる予定の場合も、大まかな進行予定を付せんに書いて貼っておくと、そのまま新しい月のページに貼り直せばいい。
プロジェクトごとにマーカーを色分けする(P63)
著者は会社員時代、プロジェクトごとにピンク、青、オレンジなどを使用。さらに休日は黄色、セミナーや飲み会は緑のマーカーで囲み、仕事と区別していた。
長時間拘束される場合はマーカーで囲む(P68)
他の予定が入らないように囲んでおく。拘束時間を面で表すことで余白=空き時間がわかり、前後の予定が立てやすくなる。
ウィークリーの下段にタスクを記入(P69)
下の方の時間帯を使わなければ、そこにその日のタスクを書いておく方法も。予定とタスクが同時に把握できる。
タスクリストを作成する時間を取る(P72)
<ポイント>新しい仕事が決まったら、すぐに作成する
例)プレゼン会議の日程が決まる
↓
プレゼン用の資料を作成するために必要なタスクを書き出す
・資料を集める
・プレゼンの構成を考える
・書類をパワーポイントで作る
・予行練習をする
・上司にチェックをしてもらう など
↓
各タスクにかかる時間を見積もる
↓
会議までにすべてのタスクを終わらせることができるよう、手帳を見ながら作業時間を確保していく
複数のタスクリストを持つ(P74)
中長期用のタスクと、1日単位のタスクを併用する。中長期用タスクは、大きめの付せんに書き出し、マンスリーに貼っておく。翌月になったら、そのまま次ページに貼り直す。
1日の最後にその日の行動を見返す(P76)
「1日の終わりに5分だけ」と制限時間をもうけ、手早くすませるのがポイント。
さっと反省点をウィークリーのページにメモしておく。
ペンの試し書きは必ず「自分の手帳」で(P88)
購入時に試し書きをする時は、売り場の紙ではなく、実際に自分が使っている手帳に書く。「自分にとって最も使いやすいペン」が確実にわかる。
自分が得意・不得意な仕事を把握する(P104)
自分が集中できる時間帯だけではなく、自分が得意な仕事・不得意な仕事が何なのかも知っておく。…得意な仕事であれば、集中できない時間帯でも、それほど苦労なく効率を維持できる。
「15分トライアル」で時間のかけ方を決める(P118)
初めての仕事で、所用時間が読めない場合は、まず15分ほど作業をしてみる。これは、まとまった時間が必要か、細切れ時間で処理できるのかを見極めるため。
まとまった時間が評価、短い時間でもできるのかがわかれば、効率的なスケジュールを組める。
「5分でできる仕事」をリストアップしておく(P120)
細切れ時間を活用できる準備をあらかじめしておく。5分、10分でこなせて、なおかついつでも中断できるような仕事をあらかじめリストアップしておくとよい。
読みたい記事のコピーを持ち歩くなどもよい。
アナログとデジタルの使い分け基準は「どちらを使うと早いか」(P152)
ふと思いついたことをパッと書き込むなら紙の手帳が早い。文字をコピー&ペーストするなら、デジタルが早い。
直感が必要な場面では、アナログツールの方が有効。打ち合わせなどでさっとメモを取りたい時に、デジタルでは相手との会話に集中できない。
アナログ・デジタルの使い分けポイント(P162)
大切なのは、複数のツールに同じ内容を記入しないこと。
仕事の詳細はメールで確認する※、交通案内はひとつのサイトだけで調べる◎、など、ツールの使用目的を絞り、効率よく知りたい情報にアクセスする。
※著者は「Gmailのフォルダを目的別に分けて自動振り分けしておき、スケジュールには書かずに直接メールを見て確認する」という方法を取っている
◎交通案内のサイトは、たいてい「履歴」が残っているので、それを見れば確認できる。スケジュールなど他のところに書き写す手間は不要
デジタルツールで効率化するには(P170)
「不便」「面倒」に敏感になること。「繰り返している作業」を探し出し、効率化する。