毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

本質をつかんで「ポジティブな手抜き」をしよう☆☆☆☆

手抜き力
手抜き力
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齋藤 孝
ベストセラーズ(2014/06/21)
¥ 1,512
家族が借りてきた本。
齋藤先生といえば、早朝の情報番組の司会に抜擢されたのに、今までの他の時間帯*1の番組もそのまま出演、本も同じようにたくさん書かれている。もちろん大学の講義も。

いったいどうしたら、それだけたくさんのことができるのか、一度聞いてみたいと思っていたので、喜んで読んだ。

意識が変わるような、大きな発見があった。


◆目次◆
はじめに――ビジネスには「徒労」と「ムダ」があふれている
1章 手抜き力とは何か
2章 ポジティブ手抜き 5つの実践ルール
3章 ビジネスに生かす「手抜き力」
4章 手抜き力を磨くトレーニン
あとがき――手抜き力とは「的外れ」をなくすスキル

最初は、手抜きとは楽をするために何を省くか、という話だと思っていた。
ところが、著者の定義はちょっと違う。

 手抜き力とは「ムダ手間抜き力」のこと。
 不要な手間やムダな時間を省くことで、徒労感によるストレスが解消され、貴重な時間が生み出され、仕事はシンプル化され、スピード感がもたらされます(P7)。

やらない手抜きではなく、先回りしてやっておくことも著者にとっては「手抜き」、というのが新鮮だった。
「今やらなければ、あとで時間と手間がかかる」とわかっているなら、先にやってしまうのも、「ムダな手間と時間をカットする=手抜き」なのだ。
目的が“とにかく楽する”だと、なかなか出てこない発想だ。


著者の生産性を上げるきっかけになったのは、実は論文の書き方を変えたことだったそうだ。
それまでは用意周到に準備をしていたが、結局2年費やしても完成できず、挫折。ちょっと長いですが引用します。

 私はこの一件から、論文に対する考え方やスタンスをガラリと変えました。発想を逆転させて、これからは「論文の生産性を上げる」ことに特化しようと決めたのです。


 それまでは、使うかもしれない「念のため」の資料を片っ端からコピーして揃え、そのすべてに目を通してから論文を書きはじめるスタイルでした。でもそれを一切やめて、「論文で一番大切なのはコンセプトだ」というところからスタートするようにしました。


 例えば、テーマはこれで、コンセプトはこう。ボリュームは原稿用紙40枚くらい、アプローチはこの角度で――ということをまず最初に決めてから、そのための必要最小限の準備とは何かを考えることにしたのです。


 テーマとコンセプトが確定していて、分量(字数)の目安も決まっている。そうなると、山ほど資料を集めても本当に使えるものは限られてきます。限られたスペースゆえに、あれもこれも書ききれない。だからムダな資料には手を付けず、コンセプトに合わせた絶対に必要なものだけを用意するようにしたのです。
(中略)
 それまでの「使わない資料を集める手間」「書いても載せられない内容にまで手を広げていた手間」、そうした手間が一気に省けるようになりました。8割の手間が省けて、2割の労力で論文が書けるようになったんです。
 こうして私の論文の生産力は上がっていったのです。


 まずコンセプトとパッケージを決めて、そこから逆算して必要最小限の準備と必要最小限の労力で取り組む。この発想を持ったことで、少し大げさに言えば、私自身の人生が開けたという気がしています(P69)。
※見やすくするため、スペースを入れています

これが、著者のものすごい生産性の秘密だと思う。読んで感動した。
ほとんどの仕事に応用できる考え方ではないだろうか。

私も、ブログに書く時間がかかったり、大量にメモをしても使い切れずそのままだったりするのが悩みだったが、この考え方なら大幅に時間短縮できそうだ、と読みながら思った。
これを知っただけでも、この本を読む価値があった。

 そこを外さなければOK、それさえ押さえておけば大丈夫という本質ポイントの確認は、私にとって欠かすことができない「ポジティブな手抜き」なのです。
 仕事や生活の中で、ムダ手間や回り道を生み出すいちばんの原因は、こうした「的外れ」にあります。
 本来しなくてもいいことに手間や時間をかけるムダ、必要なことをしなかったことで発生する手間や時間のムダ、これらはすべて「的外れなこと」をしなければ回避できる。
 つまり、本書で申し上げた「手抜き力」とは突き詰めると、こうした「的外れなことをしない能力」なのです(P204)。

生産性で言うと、実はこの本を借りてきた家族の方が私よりも高い。
一番の違いは、「どこまでやるかを最初に決める」ことだ。

少し前にある資格試験を受けたのだが、受けた後に合格ラインが50%と知って驚いた。
家族は真っ先に「何点取れば合格なのか」を調べてから勉強を始めるが、私はついつい満点を狙ってしまう。“目標は高く!”といえば聞こえはいいが、この本で言えばそれは「的外れな努力」なのだ。反省。


今までやってきたから、これが慣習だからと深く考えずやっていることに、ムダは多く存在するという。無意識にやっていることを再点検すると、ムダを発見できそうだ。


新しい年のはじめに読むのにふさわしい本。もっと生産性を高めたいすべての人に、お勧めです。
私のアクション:カバンを小さくして、持ちものを厳選する

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

肉体的・精神的にムダなエネルギーを使ってしまった時、人はモチベーションが下がり、大きな徒労感や不毛感を感じる(P3)

キーワードは「手間」「時間」「ムダ」(P3)

最小限の手間や時間で結果が出た、成果が上がったという“コストパフォーマンス”のいい仕事ができると、一気にストレスは軽減する。

ビジネスの3大ポイントは「早い・確実・成果が上がる」(P5)

仕事ができる人=「最小限の労力で、最大限の結果を出せる」人(P14)

万が一を気にしすぎることが、不安や心配性、取り越し苦労を生み、それが仕事を遅くし、ストレスの元凶になる(P15)

手抜き力とは「本質を捉える力」(P23)

抜ける手間はすべて抜こう、どこまで手を抜けるか、という発想を持つことによって磨かれるもの、それはものごとの本質を見極める力や感性。

「マシーン」になればメンタルをすり減らさない(P45)

ゴルゴ13に影響を受けたこともあって、私は仕事をする時――特に事務処理系の仕事を片付ける時――には、ストレスを感じないように一切の思考を断ち切るようにしている。言い換えれば「マシーンのように」取り組むことを心がけている。
(中略)
頭の中の手抜き、感情と思考の手抜きを徹底する。面倒くさい、疲れる、きりがないといった自分の感情や思考をすべて棚上げにして、完全なマシーンと化す。いちいちメンタルを関わらせず、感情を死なせて作業に没頭する。

老子が説く「無為自然」(P50)

無為自然とは、「何もせぬがよろしい。あれこれしようとするからろくなことにならない。何も為さず、自然にしておれ」という考え方。
…「あれこれ考えるな」「作為的なことをするな」という意味。

デッドラインを最優先にこなす仕事管理は、圧倒的に効率がよくなる(P61)

「念のため過剰」「かもしれない仕事術」に陥るのは、ゴールをしっかりイメージできていないから(P64)

「おおよそ」が仕事を効率化する――概算という概念(P83)

…できるかできないか、どのくらいかかるか、どちらがいいかの判断が瞬時につけられる。この能力が仕事における省エネ、ムダな手間を省くのに非常に役に立つ。

ムダな手間を省く条件(P90)

・明確なビジョンを持つこと
・逆算して段取りをすること

仕事は「ペンキの上塗り方式」で(P101)

英語の単語集のやり方。
まずはとりあえずハイスピードでZまでやってしまう。どんどん進んで、どんどん忘れる。そして、3周、4周とくり返すうちに、自分に相性の悪い単語というのがわかってくるので、あとでそこを特訓する。
とりあえず最後までやる。つまずいてもスルーしてまずはひと通り全体をやり通す。できなかったところは、あとでじっくり取り組む。
とりあえず全体を押さえておいて、足りない部分はあとで取り組む方式を『ペンキの上塗り方式』と呼んでいる。

ハーフタイム力を磨く(P172)

※著者は、サッカーの監督の能力を前半と後半の戦い方の違いで判断している。ハーフタイムの間に的確な指示を出し、選手の状態を判断して交代させる監督は能力が高い→ハーフタイム力と名づけた
「ハーフタイム」という発想は、日常の仕事にも応用できる。
ひとつの仕事をいくつかのブロックに分け、その間に検証&修正タイムを設けるという発想。
仕事の途中にハーフタイムを何回か作り、検証するとよい。

できるだけ小さいカバンを持つ――最小限を持ち歩くクセをつける(P188)

毎日の持ちものにちょっとした意識を向けることも、手抜き力や無駄を省くスキルを磨くトレーニングになる。
(中略)
「今日、出かけた先ではこれとこれをする」という目的を明確にして、持っていくものと不要なものを区別するようにした結果、カバンの中身も一気に省けるようになった。
(中略)
必要最小限のものを持ち歩く意識を持ってからというもの、毎朝出かける前に、1日の時間配分を考えて「今日はこれだけできればいいな」という目算を立てる習慣がついた。
(中略)
1日をいかに効率よく使うかというスケジュール管理、限られた予算をいかに使うかという予算計画など、パッケージに合わせたセレクト力が求められるシーンは多い。
(中略)
小さいカバンを買って、出かける前に持ちものを考えるのは、制約の中で最大限の成果を出すために、ムダを省いて必要最小限をセレクトする感覚の訓練でもある。

自分が話す時もメモをとる(P200)

テレビのコメンテーターとして出演する時も、あらかじめメモを書く。それは自分の頭を整理するため。「台本」とは違う。

*1:お昼の情報番組も、週末夜の番組も!