毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

これからは「勇者的生き方」を目指そう☆☆☆☆

僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない (PHP新書)
岡田 斗司夫 FREEex
PHP研究所 (PHP新書)(2014/10/16)
¥ 821
昨秋、内田樹センセイとの対談本『評価と贈与の経済学』を読んだ時に、岡田さんが「次はこの本を出す予定です」と(確か)まえがきで告知していたので、面白そうと思って予約していた本。

こんなタイミングに何だかなぁ、と思いつつ、せっかく回ってきたので読んでみた。
新書なのに不思議にとても読みやすく、さらっと読めた。
講演(2011年に同志社大学で行われた)をベースにしたものだからかもしれない。


◆目次◆
第1章 もう就職できないかもしれない
第2章 でも、そんなにお金は必要なのか?
第3章 お金は動かなくても経済はまわる
第4章 「お手伝い」という働き方
第5章 最後は「いい人」が生き残る
終 章 あらためて就職を考えよう

大学新卒の就職活動は、ひと昔前とは比べものにならないくらい、苛烈なものになっているそうだ。
でもそれは、時代の流れ。効率と利益を求めてギリギリまでアウトソーシングした結果、面倒でややこしくて儲からない、よくわかっている人にしかできない仕事しか、会社には残っていないから。新たに採った人に任せようとはとても思えない。

しかも、会社の寿命が10年、5年という短いサイクルになっている。新卒を採用しても、働いて成果を上げてくれるのに2〜3年かかるとなったら、採ろうと思う会社は少ない。

著者は、「就職する」ことがすでに無理になってきていると語る。


でも、そんなにお金って必要なの?というのが著者の主張。お金を稼がなければ食べていけないと言うが、今の日本人が使っているお金のうち、純粋に「食べるため」は3割だという。残りの7割は「煩わしさを排除するため」。

だったら生き方を変えれば、そんなに稼くことに必死にならなくても大丈夫、と著者は考えている。
どこかひとつの組織に所属して、そこから収入を得ることにこだわるのではなく、人とのつながりでいろんな小さな仕事を「人助け」や「お手伝い」の意識でやる方向に転換すればいい。
著者の感覚では、50くらいこういう小さな仕事をやれば、充分循環できるそうだ。


もちろん、それには「いいひと戦略」が欠かせない。

「これからの評価経済社会では、多くの人は就職できない。仮に就職しても、いいことはあまりない。だったら就職するんじゃなくて、最初から50くらいの仕事をこなした方がいいよ」
 これが「仕事サーフィン」ですね。
 そして、「これからの評価経済社会では、お金を無理やり得ようとすると逆に損をするよ。いい人というイメージをつくって、アピールしていった方がいいよ」。
 これが「いい人戦略」。
「いい人」として、「仕事サーフィン」を続けていく。
「いい人」だから、次々と仕事を頼まれて、「仕事サーフィン」ができる(P174)。

このいいスパイラルを極めた結果、たどり着くのはなんと「勇者」。RPG(ロールプレイングゲーム)の「勇者」なのだそうだ。

勇者は、困っている人がいたら、すぐに行って助ける。
そのためには、何でも知っていて、何でもできる必要がある。
だから何でも知っていて何でもできる人になるか、そういう知り合いを増やす。

 仕事サーフィンで得た知識とか能力とか人脈とか、それらすべてを使って、ぶらりとどこかに行って自分の好きなことを50くらいやって、困っている人がいたら、その人を無条件で助ける。
 この生き方こそが、勇者です(P175)。

しかも、勇者は「ゴールドを使い切る」。
RPGではスキルアップをしたり、装備をレベルアップして使い切るでしょ、というのがその理由。ゴールドをためるのが目的ではなく、最後の敵を倒すのが目的だから。

勇者にならい、著者が勧めるのは「もらったお金は3つに分けて使い切る」。
「生活」と「自己投資」と「人投資」。
「自己投資」は「何でも知っていて、何でもできる」ようになるため、またはそういう人との関係性を構築するのに使う。
「人投資」は、子供がいれば子供に投資する。いない人は、助けたい人を見つけて投資すればいい。
その方が、生きていくのが楽しくなるそうだ。

 僕たちはこれまで、何かを得るという目的をつくりだして生きてきました。それを得たことを成功と呼んでいました。
 でも、これからの時代は、そうした目的のためにがんばっても、たどり着くまでに楽しいことがあまりありません。
 例えば、世界一の金持ちになるとか、日本中に知られる社長になるなんて思っていたら、その目的に行き着くまでに、しんどいことばっかりです。目的のためだけにがんばっていたら、燃え尽きちゃいますよ。
 それにくらべて、「勇者になって人助けをする」なら、途中の過程自体がすべておもしろいんです。どんなに装備が貧弱でも、たとえ武器がなくて素手であっても、冒険は冒険、勇者は勇者。旅そのものがおもしろくなるはずです(P181-182)。

価値観が大きく変わる時代、こういう考え方をしていった方が早く適応できるのかもしれない。
確かに、年収300万円時代を提言した森永卓郎さんとか、10年後にどう食べていくかを示唆した藤原和博さんと、基本的なところは一致している。


どんな風にどこまで取り入れるか、実行できるかは人によって違うと思う。
とりあえず、“いい人戦略でたくさんほめて、関係をしっかり作る”はタダでできるので、その辺からやるといいかもしれない。

私は「効率よく、少しでも早く結果を手に入れる」から「冒険(ゲーム)なんだからプロセスを楽しむ」に意識を変えていけば、見える世界が変わるかも、と感じた。


仕事に関して、「なぜ就職が難しいのか」「社会のなりたちがどう変化しているのか」という解説はとてもわかりやすく、秀逸です。
「いいひと」戦略』よりも読みやすいので、ざっと概要を知りたい、という方はまずこの本から読むのをお勧めします。
私のアクション:これは冒険だ、ゲームだという意識で毎日を過ごしてみる

関連記事
読書日記:『 「いいひと」戦略』
読書日記:『評価と贈与の経済学』内田樹氏との対談
読書日記:『評価経済社会』


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

なぜ日本人はお金を使いすぎるようになったのか(P68)

日本人はお金を「煩わしさ」を排除するために使うようになった。
これが「昭和経済成長」の原動力であり、同時に僕たちがお金を必要とする最大の理由。食うためにお金がいると言っているが、人間の支出の7割は食うためじゃない。煩わしさを逃れるために使っている。

「私は○○をやっています」と名乗る基準(P124)

何をしている自分が今一番幸せなのか、やりがいがあるのか、プライドを持てるのか、夢を語れるのか――「私は○○をやっています」と名乗るのは、こうした基準で決めていい。

1日5ほめ(P166)

「毎日5つ、人をほめる」
1.ほめてツイート。
「いいなぁ」と思う発言があったら、ツイッターリツイート
いいお店を見つけたり、友だちのいいところを発見したら、本人に向かって言うのではなく、それを世間一般に知らせる。ツイッターが一番簡単で効果的。
2.リアルでほめて紹介する。
「この人をぜひ紹介したいんだけど……」とか「ちょっとこの本を読んでみたら……」といったように、リアルな場で人と会った時に、新しいことを教えてあげたり、新しい人間を紹介する。必ずほめながら。
3.ネットでほめて語る。
ブログやFacebookなどに、誰かの書き込みや発言について感想を書いたり、コメントしたりする時は、すごくいいことを言ってくれてありがとうと、できるだけほめるようにする。

ほめはその日のうちに流動させる(P169)

自分がほめられるようになった時に、「いやいや」と否定して終わったり、相手をほめ返したりしはない。そんな時は「いや、もっとすごい人がいるよ」と、必ず自分や相手以外の人をほめ返すようにする。
「ほめ」をため込まずに、流動させる。

誰からほめられたら、必ずその日のうちに、他の人をほめ返す。

宵越しのほめは持たない(P178)

「いい人戦略」で得た情報や関係は使い倒すこと。

地道に「1日5ほめ」を続けていると、情報や関係が集まってくるもの。自分一人で独占したくなるが、それをやるとすぐに腐る。いいコネやとっておきの情報を得た時は、腐らないうちにさっさと人に教えたり、人同士を紹介し合う。