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自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

愛する人を見送るには☆☆☆

読み終わったのに読書日記をUPできていない本が大量にある。最近重い腰を上げて少しずつ整理しているのだが、その中の1冊が流通ジャーナリスト・金子哲雄さんの『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』だった*1

UPするために準備していて、この本が出ていることを知った。
機会があるなら奥様の話も聞いてみたい、と金子さんの本を読んでから思っていたので、さっそく借りて読んでみた。

やはり重いテーマではあるが、読めてよかったと思う。


◆目次◆
はじめに
第1章 出会いは最悪だった―“夫婦”になるまでの道のり
第2章 試され続けた最後の40日間―逝ってしまう人に何ができるか
第3章 死後のミッションを遂行する―新しい自分に出会うために
追記 金子哲雄を看取って知ったこと、伝えたいこと
その1 在宅で死ぬこと
その2 逃れられない死の恐怖
その3 自分の意志を固めるということ
その4 死にゆく人にできることとは
あとがきにかえて

『僕の死に方』には、奥様である稚子さんに残されたミッションがいろいろあった。
たとえば、金子さんが生前お世話になった地方の人たちに、各地でそれぞれ一席設けること。遠方の方々はおそらく葬儀に出席できないはずなので、お礼と感謝のために予算はこのくらいで、この店でということまでことこまかに指示が出ていたそうだ。
稚子さんをとても信頼されていたのだろうし、稚子さんにとっては大きな宿題だったのだろうと感じた。


稚子さんは金子さんの死後、ミッションをこなし、現在は体験を元に「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という、死について情報提供する活動をされている。


この本は金子さんとの出会いから、稚子さんから見た見送るまでの日々、その後のミッションについて書かれている。
さらに、特筆すべきなのは最後に載っている「追記」の部分だ。
ここが、現在の活動のベースなのだと思う。


驚いたのは、テレビで人気のあった「金子哲雄」というキャラクターは、実は「稚子さんプロデュース」のようなものだった、ということ。
もともとの金子さんは扱いの難しい、キレやすい人だったそうだ。
結婚して一緒に暮らすうちに、いい面が引き出されたのだ。

そして、見送るまでの日々のハードさと、パートナーを失う、という辛さ。再び動き出すまでの時間は、読んでみて初めてああそうか、と実感できるものだった。


一番心に残ったのは「死を迎えようとしている人たちにとって、一番の苦痛は1日が長いこと」というエピソードだった。
何もすることがない、というのはとても辛いのだそうだ。苦痛から逃れるには、別に打ち込めるものがあることが大切なのだという。
金子さんの場合は、それが『僕の死に方』の執筆だった。


もちろん「追記」の部分には、経験しなければわからないことがたくさん書いてある。
在宅医療のポイントについて、具体的にかかった費用までオープンに書いてあり、必要とする人にはありがたい情報だと思う。


『僕の生き方』を読んで何か感じるものがあった人には、ぜひ読んでほしい本。
稚子さんはもともとライターなので、文章はとても読みやすいです。

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読書日記:『「死ぬ瞬間」をめぐる質疑応答』
※この本のメモはありません

*1:2015年3月18日UP