その影響か、たまたま書店でこの本を見かけ、「武器」というインパクトのある言葉に内容が知りたくなって、図書館で借りて読んでみた。
なるほど、これはれっきとした男性向けの本だ。
◆目次◆
はじめに
基本のルール
第1章 自分を守る―自在に使える時間は手帳で手に入れる
第2章 アイデアを増やす―手帳でムダな情報を減らし、アイデアを増やす
第3章 探す時間をなくす―持ち物を整理し、お金を増やすには
第4章 やりたい事を叶える―「気持ち」を書き込むと手帳がよりパワーアップする
第5章 人間関係を味方につける―手帳は、人間関係を解決する武器にもなる
おわりに
さとうさんの他の本はもちろん、意外に「女性限定」の手帳術は多い。一般的な手帳術の本がほとんどビジネス限定で、女性にとってもの足りないからだろうか。
私は以前『「2度書き」手帳術』を読んだ時にも感じたが、さとうさんの手帳術そのものは男性にも役に立つと思う。
ただ、全体に“女子力全開”な感じなので、男性には何となく近づきがたいかも、という印象だった。
それを見事にクリアし、内容もパワーアップしているのがこの本。
使うペンは4色なので、一般的な黒赤青緑の4色ボールペンで充分まかなえる*2。
書き方も、『「2度書き」手帳術』ではハートや☆を記入するところがあるのだが、この本では○と◎になっていたり、全体にシンプルになっている。
記入例も「○○社プレゼン」とか「××商事で商談」といった感じなので、とにかく仕事をちゃんと回したい人にとって読みやすく、取り入れやすいと思う。
もちろん仕事とプライベートを両立させるための手帳術は健在。「夢を叶える」といった大きなものはないが、1年をどう過ごすかの指針の立て方や、季節のイベントなどやりたいことを逃さないページの作り方など、かゆいところに手が届く内容だ。
さらに、後半は「手帳セラピー」の本領発揮。書類・名刺や本の整理、無駄遣いをやめて貯金をするなど、さまざまな悩みに手帳でどう対処するかの実例がたくさん載っている。
こんなことも手帳でできるのか、と驚く。
一番印象に残ったのは、「プチノート」と呼ばれる小さなノートを使ったアイデア管理のシステム。「プチノート」を使う、というのは『「2度書き」手帳術』にも載っていたが、使い方はあまり書いてなかった。
この方法は、まさに「ライフログノートの軽量化」。結局ライフログノートは重くて持ち歩かないようになってしまっているので、この方法を試してみたい、と思った。
仕事を何とかしたい、というビジネスパーソンにお勧めです。
ラブリーすぎる手帳術が苦手な女性もぜひどうぞ。
私のアクション:「プチノート」を使ってみる
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
書き分けのルール(P24)
・マンスリーページ=「他人との約束」を中心に書く
・ウィークリーページ=「自分との約束」を中心に書く
ウィークリーのルール(P27)
・他人との約束……時間から書く 例「14:00 会議」
・自分との約束=to do 頭にチェックボックスをつける 例「□ 経費精算」
休日には2パターンある(P46)
・遊びに行ってもいい休日=プライベート→枠を緑で囲む
・休息を取る休日=完全休日→完全に塗りつぶして、他の予定からブロック
まるまる1日休めなくても、せめて半日は予定を入れずに休息を確保する
「1ヶ月時間割」のポイント(P58)
「基本的には変更しない、別の予定が入ってきても優先される」予定だけを書く。
習い事の予定、定例会議など。
「イヤーリスト」が完成したら、次に「ライフリスト」を作ってみる(P63)
8つのジャンルはそのままに、自分が「どういう人生を送りたいか」を書き込んでいく。
書き出したことで「理想の未来」像が明らかになるのはもちろん、目の前の目標に集中できるようになる。
A.健康
B.ファッション
C.心・精神
D.仕事
E.教養
F.プライベート
G.趣味
H.お金・モノ
健康に関する予定は赤で(P78)
歯科検診や定期的な検査など、必ずやるべきことは「今月やること」の欄に記入。行けそうな週がだいたい決まっているなら、マンスリーのその週の横に「今週やるべきこと」として書いておくと忘れない。
習慣化するには、毎日todoをウイークリーに書いておく(P85)
毎日やることを手帳に書くのは違和感があるかもしれない。習慣にすることが目的なので、自然にできるようになれば書き込む必要はない。
アドレス帳を定期的に整理する(P89)
プライベートは「年賀状作成のついで」に行ってしまうと作業が楽。
携帯電話やメールアドレスも整理してしまう。
仕事のアドレスは、年度末に整理するのがおすすめ。
1年で「50の目標」を立てる(P112)
1年は52週。毎週ひとつずつ達成できれば、1年で50個新しいことに取り組める。
本を読む、映画を観る、料理のレパートリーを増やすなど。
手帳のメモページに「50の目標」ページを作り、日付と記録を書いていく。
「書類の整理」は年6回整理タイムを設ける(P119)
1.1日に1回
2.1週間に1回
3.1ヶ月に1回
4.3ヶ月に1回
5.半年に1回
6.1年に1回
1.1日に1回
毎日退社時に、その日使用した書類を処理済・確認待ち・継続中などに必要なものを仕分けする。
習慣化するまで、毎日ウィークリーページの退社時のところにチェックボックス付きで「書類の整理」と書いておく。
2.1週間に1回
1週間分の書類が溜まったら、その時点で保存するもの・処分するものを分類していく。この時間も「毎週○曜日」と行う曜日を決めておき、ウィークリーページとマンスリーページ、両方にチェックボックス付きで書き込んでおく。
3.1ヶ月に1回
1ヶ月分の書類の整理は、会社の締め日に「自分自身の締め」として行う習慣をつけてしまう。
ウィークリーページとマンスリーページ、両方にチェックボックス付きで書き込んでおく。
4.3ヶ月に1回
5.半年に1回
6.1年に1回
「半年に1回」上半期・下半期それぞれ1回ずつ、「1年に1回」は年度末に1回。つまり、両方とも3ヶ月に1回のこと。「3月・6月・9月・12月」と、大がかりな書類の整理は年に4回だけで終わらせることができる。
名刺を名刺ホルダーなしに整理する方法(P127)
1.もらったらすぐ、名刺の左肩に8桁で日付を書いておく
2.日付順に並べ、1ヶ月ごとにクリップで留めておく
・過去の名刺を探すには、手帳を見返せばいい
「××商事の部長の名刺どこだっけ…」と思った場合、さっと手帳を見返して、相手に会った日付を探し出す。あとは該当する月の名刺の束の中からその日の名刺を探し出すだけ。
・場所を取らず、捨てる時も簡単
古い名刺を捨てる時も、一番古い年度のものから順に捨てればよい。主な仕事相手はメールでやりとりを行っており、「いざとなれば名刺がなくても大丈夫」のことが多い。
3年経つと役に立たないことも多いので、古い名刺は3年周期で処分を目安にしてよい。
「豊かさのギフト」「ラッキーギフト」の書き方(P183)
いただきものなど物質的なもの「豊かさのギフト」
「○ ××さんから出張土産のお菓子をもらった」
頭に○印をつけて書く。
自分から誰かにしたこと
「●部下に昼食をごちそうした」
●の中を塗りつぶしておく
偶然起こった運のいいできごと、うれしいできごと「ラッキーギフト」
「◎雨が降ってきたけど、偶然傘を持っていた」
頭に◎印をつけて書く。
自分が誰かを偶然喜ばせた場合は、◎の中を塗りつぶす
「◎道に迷って困っていた人を助けた」
↑PCなので同じになっていますが、中を塗りつぶして区別する
「プチ内観」はミスをした時だけに書くものではない(P188)
仕事で何かうまく行ったことや、うれしいことがあったら、その時にも書いておく。
A社との商談に行った
取引がまとまった
商品紹介に図解を入れたのが勝因
など、うまく行ったこととその要因をきちんと書いておく。
これを続けると、「勝ちパターン」がわかってくる。