家族が借りて来たので読んでみた。タイトルからイメージする以上にいろいろなことが詰まった本だった。
◆目次◆
はじめに――成功だけが続く人生なんてありえない
第1章 誰もが抱える恐怖心
第2章 失敗と敗北の受け止め方
第3章 モチベーションは自ら生み出す
第4章 心を強くするコミュニケーション
第5章 もっと自分を応援しよう!
おわりに――自分の可能性を信じれば新たな展開がある
まずショックを受けたのが「はじめに」の次の言葉。
僕は十三年間の現役生活で、ほぼ毎週負けていました。試合はトーナメントですから、優勝者以外は必ず負けを味わうのです(P5)。
そうか、毎週負け続けなければならないのがプロテニスプレーヤーなのだ*1。
つまり、松岡さんは挫折→復活をくり返してきた、「挫折から這い上がるプロ」とも言える。
やはり、体験してきた人の言葉は重みがある。
この本のメインは松岡さんのプロになる前から現役生活、さらには引退後のテレビでの仕事まで、どんな風に考え、どう切り開いてきたかが語られていること。「何を言われてもイライラしな〜い」など、数々の「名言」のバックボーンも知ることができて面白い。
また、おそらくロンドン五輪直後に出た本だからか、出場選手に関するさまざまなエピソードを中心に、松岡さんの数々の名インタビューから引き出された選手の言葉があちこちで取り上げられている。
さらに、後半には意外なプレゼン必勝法や、いかに自分の味方を作るかといった、ビジネス本のような内容も。
テニス協会にジュニア強化のプログラムを認めてもらうのに苦労した経験や、番組に企画を通すなど、実はそういう場もたくさん経験しているそうだ。
ご自分の半生、今の仕事に関する事、他の選手のエピソードが入り乱れるのでやや読みにくいのが難点。
でも、メンタルのコントロール方法や、書くことで自分を知る効用などはさすがと思える充実度だった。
私が知っている松岡さんの現役時代はニュースで見た程度で、なぜ慶應からテニスの強豪校・柳川高校(福岡)に転校したのかとか、ケガで挫折続きというのが実際はどんな状態だったのかはこの本で初めて読んだ。
「松岡修造はいかにして松岡修造になったのか」がうかがえて、実はそこが一番印象に残った。
いろいろ詰まっているので、興味のあるところに絞って読んでも得るものはたくさんある本です。
ピンと来た方はどうぞ。
私のアクション:「自分の取扱説明書」を書く
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
イチロー選手の言葉「人の意見や評価ほど曖昧なものはないから」(P172)
人と気持ちよく話す10のポイント(P150)
1.どんな時でも笑顔になれば自分も周りも楽しくなれる
2.合いの手やオウム返しで相手に安心感を与える
3.同じことを言われても毎回新鮮な気持ちで聞く
4.会議では頷いてくれている人に向かって話す
5.イヤなことを言われても「はい」と返事をする
6.感情的になりそうな時は深く息を吐く
7.イライラした時は「鈍感力」で乗り切れ
「何を言われてもイライラしな〜い」
8.消極的な気持ちを打ち消すために演技をする
9.断る時は全力で断る
曖昧な返事をすると勘違いさせてしまい、相手にも迷惑をかけることになるから
10.「ありがとう」はネガティブ思考を消すミラクルワード
松岡さんは何か言われるたびに心の中で「ありがとう、ありがとう」と言うようにしている。……「ありがとう、自分がよくなるきっかけをくれて」と思えば、イライラせずにすむ。
「自分の取扱説明書」を書く(P177)
「自分の取扱説明書」を書けば自分の個性がよくわかり、自分の持ち味を活かすには何をすればいいかがわかってくる。
白い紙に、自分の性格のいいところと悪いところ、得意なことと不得意なこと、できることとできないこと、会社での役割、これまでに読んだ本などを、とにかくすべて書き出してみる。
勉強不足に気がついたり、新たな可能性が見えてくる。
「自分の取扱説明書」は、自分が心からやりたいことを知る上でも役に立つ。書けば書くほど本当の自分が見えてきて、やりたいことに優先順位がつけられる。