毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「打ち合わせ」を変えれば人生が変わる☆☆☆☆

ネットでずいぶん前に見かけて図書館で予約していた本。
可士和さんの「クライアントの話を聞いて本質を引き出す」手腕につねづね関心があった*1。可士和さんが「自分の仕事はお医者さんと同じ」と語られていたこともあり、その秘訣が明かされているのでは、とワクワクして読んだ。


そのヒントはあちこちにあったものの、可士和さんは基本的にプロジェクトで動いているので、前提は「大勢での打ち合わせ」だった。ちょっと残念。

とはいえ、「打ち合わせだけで1冊書けるの?」という、おそらくたくさんの人の疑問を吹き飛ばす、とても面白い本だった。


◆目次◆
はじめに なぜ、僕は「打ち合わせ」の本を書いたのか?
1 打ち合わせの心構え ― 打ち合わせは「本音の真剣勝負」で臨め
2 打ち合わせの設計 ― プロジェクトの「構造計算」をして必要な打ち合わせを洗い出せ
3 イメージの重要性 ― 「イメージの徹底」が打ち合わせの準備である
4 打ち合わせの時間管理 ― 「ラスト5分」と「終了後5分」が打ち合わせの黄金の時間
5 打ち合わせにおける気遣い ― 出すお茶にまでこだわれば、仕事はきっとうまくいく
6 ファシリテーター ― 打ち合わせは「ファシリテーターの腕」で決まる
7 ブレインストーミング ― すべての打ち合わせを「ブレインストーミング」にせよ
8 会食とランチミーティング ― 会食は「未来を語らう場」として活用せよ
9 社内コミュニケーション ― 社内の打ち合わせはなるべくやらない
おわりに 打ち合わせを変えれば、仕事が変わり、会社が変わり、人生が変わる

可士和さんによれば、上に決裁を仰ぐような会議を除けば、人と会うことはすべて「打ち合わせ」らしい。
可士和さんの「打ち合わせ」の定義はこちら。

 何かが完全に意志決定される前の段階で、ビジネスをめぐって人がコミュニケーションを交わす。これはすべて、打ち合わせだと言っていいと思うのです(P22)。

さらに、「打ち合わせ」はほぼすべて「ブレスト」と考えていいらしい。


この本の目的はシンプルだ。

 あまりに仕事のど真ん中にあり、あまりに身近で、ゆえに、何げなくやりがちな「打ち合わせ」。その打ち合わせのクオリティを上げ、仕事の質を上げるにはどうすればいいのか。そのための、僕なりの提言をまとめたのが本書、というわけです(P7)。


読んでみて、いかに可士和さんが打ち合わせばかりしているか驚く。仕事の半分以上が打ち合わせなのではないだろうか。そうやって、何十ものプロジェクトを大勢で同時に進めていくのだ。

「そんな、神業みたいなことをどうやって?」と思うが、その理由はこの本を読めば明らかだ。
打ち合わせの内容がとにかく濃い。とことん生産性を追求し、かけた時間に対してどれだけ前に進んだかをシビアに評価する。

 仕事のほとんどが打ち合わせだということは、仕事のクオリティは打ち合わせのクオリティで決まる、ということ。打ち合わせのクオリティを変えれば……効率が良くなり、生産性が上がり、無駄がなくなるということです(P251)。


「アイデアの出し方」についても、興味深い話がたくさん出てくる。
特に面白いと思ったのは、「準備しすぎない」こと。情報をインプットすることは必要だが、考えすぎると打ち合わせの場でライブ感が出ないそうだ。
イデアを持ち寄り、その場で言葉にしていくことでいわゆる「スパーク」が生まれることを大事にしているのだ。
だから「ほぼすべての打ち合わせはブレスト」なのだろう。
ブレストのコツも可士和さんならではの視点がいくつもあり、新鮮だった。


また、「プロジェクトの進め方」を学ぶ本としても素晴らしい。
どうやってメンバーそれぞれに責任を持たせ、コミットさせるか。いつまでに誰が何をするかを明らかにする方法や、ファシリテーター(会議の進行役)のコツなど、くわしく書いてある。


“打ち合わせを変えれば、仕事を変え、社会を変え、日本を変える”と可士和さんは力強く書いている。そして、人生をも変えるという。
日本のホワイトカラーの生産性の低さはよく語られるが、実はこれは「打ち合わせ」にあるのかもしれない。


今は「打ち合わせ」とはほとんど関係ない職種なのに、「打ち合わせ」がしたくなった。
このくらい仕事がどんどん前に進んだら楽しいだろうな、と思う。

社内外に関わらず、「人に会う」ことが仕事*2にあるすべての人に役に立つ本。「会議が無駄」や「プロジェクトが進まない」で悩んでいる方はぜひ読んでみてください。
私のアクション:情報ではなく、それに対して起きた自分の感情を記憶する

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
※今回は自分の興味に集中してメモしているので、本にとって大切な部分とは少しずれているかもしれません。ご了承ください。

時間に対して、飛距離を意識すべき(P6)

せっかくみんなで顔を合わせて集まるのだから、少しでも何か進んでいかなければ、打ち合わせをした意味がない。時間に対して、飛距離を意識すべき。
この飛距離が長ければ長いほど、価値のある打ち合わせになった=打ち合わせのバリューが高かった、ということ。

「打ち合わせ」は本番、「準備」が練習(P28)

準備は重要。「下ごしらえ」と呼んでいるが、事前に必要な情報をインプット、ぼんやりしたもの、最終形の正解のようなものでなくていいので、自分の考えを持って行く。
「練習」はひとりでやるもの。しっかり「練習」して考えてきていたなら、打ち合わせで意見を問われても対応できるはず。

どんどん口に出すことで、「思考の輪郭」がはっきりしてくる(P38)

間違ってもいいから、口に出すことが重要な意味を持ってくる。
何かをしゃべって口に出す「言語化」という作業は、思考を具体化する第一歩。
(中略)
しゃべることは、自分のイメージを言語化する訓練になる。そのためにも、積極的に発言した方がいい。間違ってもいいから、口にした方がいい。それが結果的に、いいアウトプットに近づく方法。

真っ先にわかりやすいゴールを設定する(P51)

ひとつのプロジェクトがスタートする時、まずは「大きな方針」を必ず決める。いつまでに、何をするのか。そうした全体像を、最初の打ち合わせで共有する。最初の打ち合わせを、単なる「顔合わせ」で終わらせてしまってはもったいない。
わかりやすいゴールとは、「いつまでに、どんな結果を出すのか」ということ。

プロジェクトの「構造計算」をする(P56)

よく喩えるのが、建物の構造計算。建物を造る時、いきなり中の部屋から作ることはできない。まずは建物全体から考えないといけない。その上で、中身を作っていく。
プロジェクトも同じ。まずは仕事の構造計算からする。大きなゴールから、仕事の構造を作り上げていく。

イデアの一歩手前にあるのがイメージ(P79)

イデアは、ここから一歩、踏み出したところにあるもの。手前の話があるから、アイデアに進める。
面白いCMを作った方がいい、となれば、じゃあ、お笑いタレントが出てきたらどうか、などなど。ここからはアイデア
イデアの手前のイメージを持ってきて、みんなで出し合うことで、アイデアに近づいていくことができる。

イメージや仮説は、とにかくたくさん持って行く(P87)

いきなり正解は求められない。大切なことは、イメージを持ち寄り、その場で出し合うこと。打ち合わせを通じて、正解を作っていけばいい。

場を揺さぶる(P88)

打ち合わせでは、誰かのイメージの断片を拾っていったり、極論をぶつけてみたりして、場を揺さぶるようにしている。
「そこ、もうちょっと掘り下げたいですね」「それ、別のパターン、考えられないですか?」「まったく逆にCMを打たないというのはどうですか?」などと刺激になることを発言しながら、次の展開に持って行く。

気遣いができるだけの余裕を持とうとする(P132)

気遣いができるのは、自分に余裕があるから。余裕があれば、相手のことがしっかり見られる。相手のことがしっかり見えてきたら、いい仕事ができる。

気遣いができるだけの余裕を持とうとすること。これが、打ち合わせでも間違いなく活きてくる。気遣いにこそ、仕事の本質は現れる。

感じたことだけをインプットする(P193)

大量の情報を覚えようとしない。インプットするのは、「感じたことだけ」。自分の感じたことと紐づけて記憶する。自分が感じた「面白い」「つまらない」「腹が立つ」「びっくりした」ことこそ、自分の中にインプットする。

これは覚えておきたい、という出来事に遭遇したら、あとから振り返って「どう感じたのか」ということと一緒に記憶にしまう。その「感じたこと」が鮮烈であればあるほど、深くくわしく自分の中にしまっておくことができる。

世の中の景気にしても、「モノが売れる/売れない」も、人々が感じていることの集積(P197)

実はみんな、ロジカルになんて考えていない。だから、「感じたこと」が重要になる。感じる力を磨くことは、仕事の力を磨くこと。

「その場で思いついたこと」の方が鮮度が高い(P199)

ブレインストーミングも、もっとシンプルでいい。感じていることを素直にぶつければいい。

人間は思っているほど、いろんなものごとについて、論理立てて行動しているわけではない。
「美味い」「かっこいい」「カワイイ」「面白い」といった、単純な理由で多くの場合は動いている。
だから、ブレインストーミングでもその姿勢で向き合うことが大事。

ブレインストーミングで大事なことは、「同意できるかできないか」で評価しないこと(P200)

意見が違ったところで、間違っているわけではない。

*1:個人でやっていた仕事が、クライアントと1対1で話をし、そこから発展させるものだったので

*2:接客業、サービス業は除く