毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「消えない怒り」は積もり積もった「感情」が原因☆☆☆☆☆

 

石原加受子さんの本は何冊か読んでいたが、この本は知らなかったのでさっそく借りて読んでみた。

申し訳ないが、『怒らないこと』の内容で100%怒りを消すのはむずかしいなぁ、修行が足りないのか、と思っていた。
その疑問を一気に解決してくれる素晴らしい本だった。

 

◆目次◆
はじめに――もっと毎日、心地よく過ごしたい!
第1章 イヤなことなのに、なぜか忘れられない
第2章 怒りが溜まるパターンにはまっていませんか?
第3章 イラ立ちのモト、「あの人」から自由になろう
第4章 これでどんな人ともうまくいく!会話ルール
第5章 さらにスッキリ!こんな怒りもすべて消える

著者によれば、「消えないしつこい怒り」というのは、今までのさまざまな感情をそのままにしていた結果、蓄積されたものなのだそうだ。
だから、そう簡単には消えてくれないという。

中でも大きいのは、自分を大切にしてくれなかった親や環境への怒り。また、自分を守れなかったことに対する自分自身への怒りなのだそうだ。

「大切にしてくれない」というのは、尊重してくれないという意味だ。先回りして「ああしなさいこうしなさい、ほら言うことを聞かないから失敗したでしょ」というのも、親にはまったく自覚はないだろうが、実は怒りを生んでいる。
そこに自分の意志はまったく関係ないからだ。

 

同時に、そういう環境で育った人は、自分の気持ちを確認する習慣がないのでそのまま流して押し込めてしまい、鈍感になっていることが多いそうだ。
つまり、無意識に自分の感情を無視=自分を傷つけていることになる。
そのままだと、日々怒りを増産し続けることになってしまうので辛い。

ではどうするのか?どうやったら蓄積した怒りを解消できるのか?
それをきちんと教えてくれるのがこの本だ。

 

著者によれば、まずは自分の気持ちに気づくこと。そして、自分を守り、傷つけない言動を意識して取る。
これが著者の提唱する「自分中心心理学」の基本だ。

 自分を愛するには、あなた自身がもっと「自分に関心を抱く」ことです。自分に関心を抱いて、「自分を愛する行為や行動の方に焦点を当て、その“心地よさ”を実感する」ことです(P108)。

 あなたが今日まで苦しい気持ちを抱えていたのは、あなたの意識が、、常に他人に注がれていたからです。その目を、この瞬間から「自分自身」に注ぎましょう。
 相手よりも「私自身の心、気持ち、感情を優先する」対処方法を学ぶ。……そして、自分を優先する気持ちよさを実感する。これが、自分の中にある悪質な感情を霧散させる唯一の方法なのです(P114)。

下のメモにあるが、たいていの人は「他者中心」で考え、動く癖がついている。簡単に言えば、他人や環境に振り回されてしまう。それを「自分中心」に変えていけばいい。
同じ出来事でも、「自分中心」になることで、自分を守ることができる。それが、自己信頼を生むのだ。

 

「自己主張」というと周りと衝突しそうだが、著者は「自分表現」を勧めている。周りと摩擦を起こさず、自分の気持ちを素直に出す上手なやり方があるのだ。
もちろん、最初はむずかしいかもしれないが、具体例が豊富に紹介されているので、特に職場の人間関係に悩んでいる人には参考になる。

 

面白いと思ったのは、「自分の気持ちを言葉にすれば、満足する」という説。自分に満足することは、自分を愛することにつながるそうだ。
感謝のことばも謝罪の言葉も、心から思うことを言葉にすることで、相手のためだけではなく、自分を癒すことにもなるのだそうだ。

少し前に読んだ小池龍之介さんの本*1で、「安易に感謝したり、謝るのはよくない」とあったのを思い出した。
気持ちの伴わない、口先だけの言葉はよくない、という意味だったと思うが、こういうことだったのか、と初めて納得できた。
心にもないことを口にすれば、自分も傷つけることになる。

 

おそらく、読む人を選ぶ本だと思う。
親との関係に問題がなかった人や、怒りがあまり蓄積しない、「ひと晩寝ればケロリ」タイプの人にとっては、必要ないかもしれない。
必要な人は、きっと「これは私のための本だ」と思うはず。ピンと来た方はぜひどうぞ。
私のアクション:自分の“今の感情”に意識を向ける。自分が満足しない言動はやめる

 

 

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

争うのが怖くて、つい「作り笑い」(P28)

(本当はムッとした時、怒りたい時に)いい顔をしたり、笑顔で反応してしまうのは、その奥に“恐れ”が隠れているから。

しつこい怒りは過去に傷ついた「心の叫び」(P84)

根っこは子供時代にまで遡る。親子関係のパターンでもっとも劣悪なのは、自分らしさの根源である「自分の気持ち、感情、意志を大事にすること」を否定されたり奪われること。つまりそれは「自分を愛すること」への否定だ。

「私が私を愛する」=「満足する」(P105)

・どんな自分であっても、認める。理想は、“私を大好き”になる
・自分のどんな感情、どんな気持ちも受け入れて味わい、実感する
・誰よりも自分の意志を尊重し、それを実感する
・自分のために、自分を自由に表現して生きる

過去に戻らなくても、今の自分を変えることで、過去の痛みを癒せる(P112)

「現在の私」は「過去の私」の延長線上にいる。
今あなたが、自分を守ることができれば、あなたが過去に傷ついたことを癒せる。
今それができることで、過去にできなかった痛みが軽くなる。

「自分中心」と「他者中心」の違い(P133)

「相手が悪い、相手が意地悪。相手の態度が気にいらない」これは他者中心の意識。
「敵意を抱いたりおびえたり警戒して緊張してしまう私がいる。そんな私の心を、もっと楽にさせてあげたい」これは自分中心の意識。

「なぜかわけがわからないけれども、無性に腹が立つ」の正体(P142)

あなたが気づかずに流してしまっている感情が無数に蓄積している結果。大多数の人が言っている「マイナス感情」とは、こんな雑多の感情の集積。そんな「大きな感情」が「なかなか忘れられない。許せない」といったしつこい感情として自覚されている。

どんな小さな感情も見過ごさない(P143)

しつこい感情から解放されて、自分のしたいことに熱中できる自分になるためには、まず「自分の感情に気づく」ことが必須。感情が小さければ小さいほど、その手当ても簡単。

あなたが自分中心になって、自分の“小さな感情”に気づき、それを解消するために“行動したり、自己表現する”ことで、あなた自身の満足度が高くなる。

「相手に満たしてもらおう」と考えない(P148)

慢性的な怒りを抱えている人は、どんなに相手が自分の欲求に答えてくれたとしても、満足しない。
それは、相手に100%の満足を要求しているから。“満足”は、相手がもたらしてくれるものだと思い込んでいる。そのため、相手が自分を少しでも否定したり拒絶すると傷つく。相手のそんな態度や表情を一瞬たりとも見逃さず、それがまた怒りの種になる。

「しつこい怒り」があるのは、過去の家庭環境でそれを要求されてきたから(P149)

あなたは、自分の満足よりも相手(多くは親)の満足のために、必死になってがんばってきた。だから今、あなたは家庭がそうであったように、あなたもそれを人に要求するようになっている。
しかし、「満足は相手によってもたらされるもの」という考えは幻想。

自分を満たせるのは、自分だけ(P150)

あなたの中に巣食っている「しつこい怒り」から解放されるには、自分が自分を満たしていくしかない。
自分を満たしていけば、相手からも愛される。これが“真実”。

「自分中心」の会話に変わるには?(P157)

・自分の感情、気持ちに気づく
・自分の「〜したい。したくない」といった欲求に気づく
・自分の「好き嫌い。快不快」といった感情を基本にする
・相手よりも、自分の意志を優先する
・自分の気持ちを基準にして、「断る・引き受ける」を心から認める

これが、今まで蓄積してきた「しつこい怒り」を解消し、“新しい怒りの種”を生産しない方法。

自分の中に計算があると自分を傷つける(P198)

「誉めてもらいたい。いい顔をしたい。点数を稼いでおきたい。ゴマをすっておきたい」
そんな計算をしていると、自分の気持ちがおろそかになりがち。
「自分の感情を無視して自ら自分をおろそかにし、それで相手にも傷つけられる」としたら、「私って何やってるんだろう」と思いませんか。

どんな場面でも、気がついた時に、自分の気持ちを優先できれば、マイナス感情を蓄積させないですむ(P199)

「自分中心」の自己表現=「私の気持ちや感情を解消するために表現する」が目標(P208)

自分の感情に気づいて、そのつど、そのつど、自分の感情を解消する。そのための自己表現。

*1:確か『しない生活』のはず。読書日記は書けていません。すみません