毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

大切なのは「自分を信じる勇気」☆☆☆☆

この本にたどり着くのには、ちょっとした道のりがあった。
そもそもは、来年の手帳を探していたことがきっかけだった。

コクヨの「キャンパスダイアリー マンスリー&ウィークリー セパレートタイプ」が面白そうだな、と見ていたら*1「久瑠あさ美さんの72時間手帳術がついてます」とあった。
「“72時間手帳術”って何?」と手帳好きの私は色めき立ったが、残念ながら元になっていると思われる本『72時間をあなたの手帳で管理すれば、仕事は劇的にうまくいく』は図書館の順番待ち。
すぐに読める本は、と探して出てきたのがこちらの本だった。
文庫版も出てるくらいだから、きっと人気があるんだろう、と借りてみた。

いろんな意味で衝撃的な本だった。


 

◆目次◆
はじめに―あなたの心は創ることができます
プロローグ “マインドの法則”三つのプロセス
第1章 人生を劇的に変える“マインドの法則”
第2章 変わりたいのに変われない「心」の理由
第3章 自分次第で未来は創ることができる
第4章 相手とビジョンを共有し、人を動かす
第5章 「フォーカシング」で感情をコントロールする
エピローグ “マインドのパラダイムシフト”は、あなたにも起こる
おわりに―あなたが存在する意味

この本で説かれている「マインドの法則」とは、簡単に言えばマインド=潜在意識に働きかけることで、未来を自由に創造する方法のことだ。
著者はメンタルトレーナーになる前は、モデル・女優をされていたそうだが、これには理由がある。

高校生の時、海外留学を夢見て英語の勉強に励んでいた著者は、父親の事業破綻によって未来を閉ざされてしまう。
そこで著者は現実を受け入れ、自分に何ができるか、何がやりたいかを考え、モデルになることを決意。上京し、モデルとして歩み始める。
その後、女優を経て、ある精神科医からスカウトされて今の仕事を始めたそうだ。

この時、著者が自分の未来を切り拓くのに使った“心の動き”をまとめたものが「マインドの法則」なのだ。
経験に裏打ちされているので、とても説得力がある。

 

「マインドの法則」は「want」「イマジネーション」「マインド・ビューポイント」の3つのプロセスからなる。うしろのふたつはちょっとわかりづらいが、「want」をしっかり理解して使えるようになるだけでも人生は大きく変わると思う。
自分の心にあるやりたいことや求めるもの=「want」に気づき、それを活かせばいいのだ。

その具体例として、クライアントが何人か紹介されているが、私には「販売員のSさん」が参考になった。
「なりたい人」のイメージを創り(=イマジネーション)、そのマインドになりきる。この時に役に立つのが著者の「女優経験」。人はよくも悪くも自分のマインドの中にあるイメージを演じているのだそうだ。
「want」「イマジネーション」「マインド・ビューポイント」の3つを駆使して、いかにしてなりたい人物像に近づくかがわかる。

 

また、マインドの法則を実行するのに欠かせないのが「未来記憶を創る」こと。
自分の未来はこうだ、と強く思うことが人生を変える第一歩だからだ。
そのためには、「時間は未来から過去に流れている」ことを、心の底から納得する必要がある。

今まで何度も「時間は未来から過去に流れている」と見たり聞いたりしてきたが、なかなか体感として納得できるところまで行かなかった。
それが、この本の説明で初めて腑に落ちた(それだけでも、この本を読む価値はあります)。野球のファインプレーの例で説明してあるので、野球好きな人は理解しやすいはず。

 

自分の心に潜んでいるwantに気づき、それを元に未来記憶を創る。それをしっかりイメージできれば、人生は思い描いた方に近づいていく。
これがマインドの法則だ。

「want」にフォーカスしたいけど、なかなか現実にはむずかしい、と思うかもしれない。
この本には、have toとwantをうまく統合する方法や、組織で自分のwantを浸透させ、スタッフ全体のモチベーションを上げることに成功した例*2もあるので、うまく現実に取り込むヒントになる。

 

個人セッションを受けるのと、本を読んで自分でやるのとでは、結果の出方が違うのはある程度しかたない。
だが、この本は著者の熱い気持ちが伝わってくるので、読むだけでもワクワクして前向きな気持ちになる。

アマゾンレビューでは、「用語がむずかしい」「意味がわからない」というものもあった。私はこういう話に慣れているので面白かったが、読む人を選ぶ本かも。
ピンと来た方はぜひ読んでみてください。
私のアクション:「マインド・ビューポイントを上げて関係性をよくする」に家庭でトライ

 

関連記事

book.yasuko659.com

※「時間が未来から過去に流れる」概念を教えてくれた1冊


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

自分の「want」を活かす(P19)

人生には、どうにもならないことがいくらでも起きえる。普段の力ではどうにもならない逆境に向き合い、それを乗り越えるには、潜在意識の中から生まれてくる「私はこう在りたい」といった強い原動力によって、自分自身の手で変革をもたらさなければならない。人生をより豊かにできるかどうかは、この意志をあなた自身がいかにコントロールするかにかかっている。
このように、あなたを突き動かす「〜したい」といった意志のことを《マインド・コントール》では「want」と呼んでいる。この原動力となる「want」を見出すことが、《マインドの法則》の3つのプロセスのひとつ。

潜在意識にアクセスするための3つのプロセス(P20)

1.「want」原動力 「〜したい」といった熱意や意志などの内的エネルギー
2.「イマジネーション」創造性 「想像」が「創造」を生む、生産的でオリジナルな発想力
3.「マインド・ビューポイント」心の視点 自分を高みに上げ、俯瞰して可視化する心の視野

目の前の状況に、目を背けずに受け止める(P25)

自分の人生においては、何が起きてもすべてを肯定的に受け入れていかなければ、人生の試練に負けてしまう。どんな場合にでも「私の人生は変わったんだ」と受け入れ、その変化を誰かのせいにするのではなく、自分に与えられた欠くことのできない“プロセス”として捉える。そして、それに自分がどう向き合うのかということに人生の価値を置く。そうすることで逆境から生まれる人生の意味は増し、必ずや人生はそこから好転し始める。

「今、私は一流である」と意志決定する(P65)

今ここで自分が一流に値していると意志決定することで、あなたの自由意志のもと、確実に未来は変わり、あなたが望んでいる方へ向かって動き出す。これが潜在意識の力。

あなたが未来に一流であるかどうか。それはあなた以外には決められないことであり、他の誰かに決められるものでもない。自分の未来は、自分自身で意志決定し、創り上げていくもの。

自信には根拠があってはならない(P74)

未来を変えるためには、メンタル面に働く、本能的な機能(「過去の自分」に「現在の自分」のあり方を求める)を抑える必要がある。
人生において根拠などいらない。根拠とは過去に求めるもの。根拠を求めてしまえば、過ぎ去った過去に囚われ、これから来る未来に不安を感じ、立ち止まらざるを得なくなる。
過去の自分に囚われて、自分に限界を創り、守りに入る生き方では、決して未来を変えることはできない。

新しい挑戦やまだ経験がないことを、自分の過去の評価を基準に決断するのは無意味(P75)

意志決定に大切なのは、「できるか/できないか」ではなく「したいか/したくないか」。あなたの「want」が大切。「want」=「未来の自分はこう在りたい」と強く思い描くこと。

自己イメージは自分が決めている(P91)

人が自分らしさだと思っている自己イメージは、誰かが決めているわけではなく、自分自身が決めているもの。潜在意識の中にそのイメージがある限り、そのイメージを無意識に演じ続ける。

価値ある「未来の自分」を創り出す(P101)

大切なことは、いかに過去に囚われず、未来の自分を信じられるか、こう在りたいというイメージを抱き、「イマジネーション」の限界を設けずに自分自身を捉えていけるか。
「want」をもって、前に突き進む「根拠のない自信」と「自分を信じる勇気」こそ、大きな飛躍のきっかけになる。

*1:すでに来年の手帳は決めましたが、残念ながらこちらではありません…。また別記事を書きます

*2:ある企業の社長の例が出ています