毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

意志は“使い捨て”しよう☆☆☆☆

 

原始仏教は本当に宗教じゃなくて科学なんだ、と改めて知ることができた。


 

◆目次◆
はじめに
第1章 願いが「かなう」と「かなわない」
第2章 意志の科学
第3章 意志力がUPする、目的のつくり方
第4章 心を鍛える練習
第5章 人生が変わる意志の磨き方
おわりに

「動物の脳」である原始脳に好き放題させるのではなく、「理性の脳」大脳をしっかり働かせることの重要性を説いているのだ。
これは、最近読んだ苫米地英人さんの『「イヤな気持ち」を消す技術』や『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』など、最新の脳科学に基づいたものと同じ。
すでにそのことを見抜いていたお釈迦さまの慧眼には驚くしかない。

……本書では、意志とは何か、意志をどのように鍛えられるかということを、お釈迦さまの教えに従い、論理的な脳科学的アプローチによって解説します。そして、お釈迦さまの教えのめざすところである「幸せに生きる」ことをめざします。それは、「善」のために意志を強化するということです(P6)。

仏教の「意志」は、一般的に言われている「意志」とは少し違う。
「生きたい」という衝動と考えるのだそうだ。なので、意志そのものに善悪はない。

大切なのは「目的」。世間でよく言われる目的は、実は「欲」であることが多いという(いつまでも若くいたい、お金を稼ぎたいなど)。欲は善の目的に結びつくことがないので、まずは善悪のフィルタリングを行い、適切に目的を設定する。

たとえば、「やせてキレイになりたい」は欲だが、そもそも太ったのは原始脳の働きにまかせて好きなだけ食べたり、動かずにゴロゴロしていた結果なので、「だらしない生活を改める」とする。そうすれば善の目的になり、やせる以外にも多くのいい変化がもたらされる。

しっかりと適切に目的を設定すれば、原始脳を暴走させずに意志の力を働かせることができるのだ。

 

一番面白いと思ったのは、「意志は使い捨てにする」という言葉。
適切に設定した目的に対して、意志は自動的に湧いてくる。目的が達成すれば、意志の役目は終了。新しいことをしたくなれば、意志もまた新しいものになる、というのだ。

「意志をいかに持続させるか」にきゅうきゅうとしていた身にとって、この考え方は新鮮だった。1回ずつ使ったらポイ、でいいんだ、と思ったら気が楽になる。

 

もちろん、目的をやる気が湧くようなサイズに分割することや、目の前に集中して怠け心を起こさせないようにする、といった工夫も必要だ。
このあたりは今読んでいる『ポモドーロテクニック入門』と同じだし、“やる気を起こさせる”とか、“3日坊主をやめる”という本によくある内容。

ただ、それが「人格向上」とか「幸せに生きる」といった、大きな目的に通じるのだ、と明確に示されていると、とても前向きに取り組めそうな気がする。

 

原始仏教に興味のある人や、ノウハウはわかっているけどどうも行動に移せない、という方はぜひ読んでみてください。

 

【参考】下のメモに出てくる「心所」という言葉、こちらのサイトがわかりやすいです
※心所(仏教用語)=この本の定義では「意志とともに働いている仲間」。
CETASIKA(チェータシカ):心所――初期仏教の世界
私のアクション:意志を強化する「3つの元素」を 意識する
■レベル:守 仏教・脳科学ともに専門用語はわかりやすく言い換えてあり、たとえもわかりやすい

 

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

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