毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「佐藤優・10年の総括」を読む☆☆☆

タイトルだけ見て図書館で予約したので、手に取ってみたらあまりの分厚さと文字の多さにぎょっとした。
「これは読めないかも…」と思ったが、読んでみたら大丈夫だった。

 

◆目次◆
まえがき
第1講座 佐藤優の知的技術のヒント
第2講座 情報を拾う、情報を使う
第3講座 知をビジネスに取り込む
第4講座 知の幹を作る最低限の読書
第5講座 武器としての教養を蓄える
第6講座 佐藤優式・闘い方を学ぶ
第7講座 対話のテクニックを磨く
第8講座 分析力を鍛える――国際情勢篇
第9講座 分析力ケーススタディ――ロシア読解篇
第10講座 佐藤優の実戦ライブゼミ

佐藤優「知の年表」
あとがき
登場者紹介
初出一覧

よく見ればわかるが、意外に対談や鼎談なども多い。
読んでいくうちに気がついた。これは雑誌などさまざまな媒体に掲載されたもの*1をまとめた本なのだ。佐藤さんの「職業作家になって10年」を総括した本であり、ここにまとめられたテーマは、外交官時代から20年以上追いかけてきたものだという。

「時間術」「読書法」など、すでに別の本で読んだテーマもあり、そのあたりはさらっと読めた。

 

もともと対談を読むのが好きだからかもしれないが、一流の人同士の会話はどれも興味深い。
むずかしいな、と思いながら読んでいると時々対談や鼎談が出てきていい「中休み」になった。
しかも、内容が濃くて面白いものが多い。
そこで元気を回復して、また次の真っ黒(=文字でギッシリ)のページに進む、というリズムで読んでいたら、意外に読めた、という感じだった。

 

印象に残ったのは、『原典 ユダの福音書』に関する記事。
ここだけではなく、全体を通して神学部出身・佐藤さんのキリスト教の知識があふれているのがベースにあり、それが魅力のひとつだ。
別の記事だったが、村上春樹さんの作品が西欧で受け入れられるのは、村上さんにキリスト教の素養があるから、というくだりがあり、ハッとした。
そういう意識で読んだことがなかったが、言われてみれば内田樹さんの書いていた「父なる存在」というのは、確かにそのままキリスト教の世界に通じる*2

 

対談の中でも一番面白かったのは、『ローマ人の物語』完結を記念して行われた、塩野七生さん、池内恵さんとの鼎談。ローマを知りつくした塩野さん、イスラム研究で名高い池内さんに佐藤さん、といろいろな角度から世界や歴史、宗教を見る素晴らしい顔ぶれで、最高に知的好奇心を刺激してもらった。

 

見た目に惑わされず、「我こそは」と思う方はぜひチャレンジしてください。
■レベル:破 テーマが多岐にわたるので、佐藤さんの本をどれか読んでからの方が読みやすいと思います。 
私のアクション:
新体系・高校数学の教科書 上』『新体系・高校数学の教科書 下』を読む

 

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

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*1:第10講義を除く

*2:くわしくはこのあたりの記事をどうぞ→読書日記『村上春樹にご用心』『もういちど 村上春樹にご用心』