毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

子どもの頃の「愛着形成」が一生を支配する☆☆☆☆

※ [Kindle版] はこちら

愛着障害〜子ども時代を引きずる人々〜 光文社新書
光文社 (2011/10/28)
売り上げランキング: 714

愛着障害」という言葉を初めて目にしたのはあるブログだった。
ネットで話題のニュースの意味がわからず、それについて調べていた時にたまたまたどり着いた個人のブログ。

ある事情で、実子ではないお子さんをご夫婦で育てているという。
三者の目で見ると、“とても育てにくいお子さん”という印象だったが、ある記事で、その子が「子どもの時の私」とまったく同じ反応をしているのに釘付けになった。
こんな子が、自分以外にいるのか、と衝撃を受けた。
その記事に、「○○(お子さんの名前)は愛着障害だから」と書いてあったのだ。


愛着障害って何?」と思い調べたらこの本がヒットした。
著者は岡田尊司さん。以前『母という病』を読み*1、専門家で信頼できる人だと感じていたので即借りて読んでみた。

想像以上に、広く、いろんなところに影響していることを知った。


◆目次◆
はじめに――本当の問題は「発達」よりも「愛着」にあった
第1章 愛着障害と愛着スタイル
第2章 愛着障害が生まれる要因と背景
第3章 愛着障害の特性と病理
第4章 愛着スタイルを見分ける
第5章 愛着スタイルと対人関係、仕事、愛情
 1.安定型愛着スタイル
 2.回避型愛着スタイル
 3.不安型愛着スタイル
 4.恐れ・回避型愛着スタイル
第6章 愛着障害の克服
おわりに――愛着を軽視してきた合理主義社会の破綻
愛着スタイル診断テスト
主な参考文献

愛着障害は比較的新しい概念らしく、専門家でもまだよく知られていないようだ。
そして、最近よく言われる発達障害が、実は愛着障害なのに誤って診断されていたり、発達障害の根底にある問題として愛着障害があるケースが見受けられるという。

だが、それ以上に実は「愛着」の問題は広範囲にわたっているというのだ。
子どもだけではなく、大人も、しかも、ごくふつうに生活している人の中にも「愛着の問題を抱える人」はたくさんいる。

……成人でも、三分の一くらいの人が不安定型の愛着スタイルをもち、対人関係において困難を感じやすかったり、不安やうつなどの精神的な問題を抱えやすくなる。こうしたケースは、狭い意味での愛着障害に該当するわけではもちろんないが、愛着の問題であることに間違いはなく、それがさまざまな困難を引き起こしているのである(P48)。

 ご自分が、不安定型愛着を抱えているかもしれないし、恋人や配偶者や子どもや同僚がそうであるかもしれない。カップルのどちらかが不安定型愛着を抱える確率は、何と五〇パーセントを超えるのだ!……不安定型愛着がどういうものか知らずに世渡りすることは、片目で眼帯を覆って車を運転するようなものだと言えるだろう(P49)。

愛着障害」は、虐待やネグレクト、親との離別によって起きることが多いが、実はそれ以外にも起きているのだそうだ。
要因は、やはり子どもの頃の生育環境によるところが大きい。
遺伝よりも環境の方が影響が大きいという。
そして、生涯にわたってその影響が続くのだ。

愛着スタイルは、「第二の遺伝子」と言えるほどなのである(P5)。

 不安定型愛着を含む、広義の愛着障害を生み出す要因は何か。これまで行われた双生児研究や養子研究の結果は、主として養育環境によるものであることを示している。おおむね、七〜八割が養育などの環境的要因によるとされ、残りの二〜三割が遺伝的要因によると考えられている(P53)。

この本でも「安全基地」に言及している。母親との愛着の絆がしっかりと形成されると、子どもは「安全基地」が確保され、自然と他に関心を持ち、世界を広げていくことができる、というものだ。

この「愛着の絆」は、生後すぐから1歳半くらいまでが重要だという。ただ、それを過ぎたからといって安心はできず、2〜3歳までは油断できないそうだ。

ただ、ごく幼い頃に母親と離別・死別した場合でも、代わりの養育者によって愛情が充分補われれば、その影響は少なくなるそうだ。
この場合、養育者が短期間に変わったり、施設などで多くの職員が関わる場合、うまく絆が育たないため、注意が必要だという。


ここまで読むとだんだん気持ちが暗くなるが、マイナス面だけではないかもしれない。
多くの著名人は愛着障害を持っていたそうで、たくさんの例が挙げられている。ごく一部紹介すると、夏目漱石太宰治川端康成ヘミングウェイ、ミヒャエル・エンデなどの作家から、ビル・クリントンオバマ大統領、さらにスティーブ・ジョブズまで、幅広い。
愛着障害をバネにして成功したり、欠けているものを埋めようとして執筆活動に邁進したり、特に芸術に関してはプラスに働くことも多いようだ。


著者によれば、自分や、周りの人がどんな愛着スタイルを持っているかを知ることで、もっと生きやすくなり、抱えている問題を解決することができ、幸福な人生に近づけるという。
そのためのヒントがたくさん提示してある。
5章がタイプ別の解説、6章が克服の具体的な方法を教えてくれる。


正直に申し上げると、内容が濃すぎるのか、話があちこちに飛んでいる印象で、やや読みにくかった。愛着障害の分類や診断方法も複数紹介してあるので、混乱しやすいように思う。

専門家にとってはありがたい本だと思うが、それ以外の人は、せっぱ詰まっていなければ、もう少しわかりやすい一般の人向けの本が出るまで待ってもいいかもしれない。


それでも、この問題に関心があれば(しかも自分やパートナーなど身近な人の問題であれば)、得るものは大きい。
6章で紹介されているのは、「自分が自分の親になる」や「赤ん坊の頃からやり直す」など、他でも読んだことがあるものが多い。
ただ、実際の例もあるし、この問題の第一人者が書いていることで、「この方法でいいんだ」と安心できる。

自分がどのパターンなのかを知ることで、人間関係、さらには人生も改善できるかもしれない。
ピンと来た人は、ぜひチャレンジしてみてください。
私のアクション:自分の愛着パターンを自覚する 

■レベル:破 今すぐ必要だ、という人以外は一般人向けの診断テストの本が出るのを待ってもいいかも。 
※この本のメモはありません

*1:すみません、読書日記書けていません