毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「やさしさ」は成功への近道だ☆☆☆


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ネットで紹介記事を見て、興味を持った本。「やさしさ」と「技術」ということばの組み合わせがとても不思議だったので、いったい何が書いてあるんだろう?と思ったのだ。
しかもサブタイトルが“賢い利己主義者になるため”とある。

他に類を見ない、斬新な内容だった。


◆目次◆
はじめに――「やさしさ」を磨くと人生が変わる
第1講 やさしさと倫理
第2講 偽りのやさしさ
第3講 やさしさ・勇気・利己主義
第4講 あなたが「よい人間」になれない理由
第5講 やさしさは得か?
第6講 「成功」とは何か?
第7講 なぜ、やさしくなると成功するのか?
おわりに――生涯を人間の研究にささげた男が最後に気づいたこと
訳者あとがき

著者はスウェーデンの最高峰であるカロリンスカ医科大学の教授で、がん専門医だ。しかも、40歳過ぎてからキャリアのすべてを投げ打つ覚悟で神についての本を書くことにした、という変わった経歴の持ち主だ。
現在では客員教授と著作・講演活動を並行して行っており、この本はスウェーデンでもベストセラーになったという。


この本でまず驚くのは、「やさしさは資質ではなく、後天的に身につけられるもの」という主張。
しかも、信仰の有無とは無関係だという。人類愛にあふれた人しかやさしくなれないわけではないのだ。


考えと行動が一致しなくてもかまわない。とっさによくない考えが浮かんだとしても、それをコントロールして、行動ができればOKというのもうれしい。
極端な言い方をすれば、「戦略としてやさしくする」のもアリだ、ということになる。

それが利己的な目的であってもかまわない、というのがすごい。結局、やさしくすることで、それが自分にも還ってくるからだ。まさに「情けは人のためならず」だ。

はじめは「利己的」ということばがどうもなじめなかったが、以下の部分を読んで納得できた。

ダライ・ラマが利己主義的な人間について、賢明な発言をしている――。
「愚かな利己主義者は、いつも自分のことだけを考えて、否定的な結果を招きます。一方で賢い利己主義者は、他人のことを考えてできるだけ手を貸し、自分と相手のどちらにも得になる結果をもたらすのです」(P138)


面白かったのは、「思いやりや利他主義、善意を示す能力」は進化の過程で生き残ってきて、人間に遺伝的に備わっているという仮説。
類人猿はもちろん、コウモリや鳥など一部の動物にも、群れの仲間に見つけた餌を分け与えたり、「自分の遺伝子を残す」ことに直接つながらない、利他的な行動が見られるという。

つまり「適者生存の法則」で有利に働いたので、「利他主義」が残った、ということになる。
「やさしくする」ことは、自然界でも生き残り戦略、意味があるのだ。


この本の後半では、「やさしいと得ですよ、成功に近づきますよ、幸福感が増えますよ」といった衝撃的な説が、数々の実験や研究結果に基づいて紹介されている。
これはもう、周りに親切にしないと損だ、と言ってもいいくらい。


ただ、やさしさは弱さと誤解されやすいが、著者の説くやさしさは自分が正しいと思ったらそれを貫く強さも必要だという。本の中では、「倫理的に生きる」という言い方もされている。

 弱さを「やさしさ」と混同してはいけない。ノーと言えなかったり、自分や周囲の人を守るために断固とした態度をとれなかったりするのは、誰のためにもならない。不幸な結果をもたらすだけだ(P50)。

やさしさを損得ではかるなんて、と叱られるかもしれないが、これだけはっきりメリットを示してくれる本は初めてだった。

何となく、やさしい方がいいよね、とは思うが、実際にはなかなかむずかしいことも多い。
でも、これだけ根拠と見返りがあれば、やってみたいという気持ちになれる。

きっかけは何でもいいと思う。仮に下心からスタートしたとしても、それで自分も周りも気分よく、幸せになっていければ、それでいいのではないだろうか。

やさしくなりたいけどなれない人や、やさしくしたら損、と思ってしまう人はぜひ読んでみてください。

私のアクション:他人にやさしくするのと同じように自分にもやさしくする
■レベル:破 ハードカバーですが、翻訳はていねい。ただ、類書がないので“基礎知識を先に読んでから”ができません…。
読みたい人はチャレンジを!前半ちょっとモタモタしますが、後半がぜん面白くなります。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。