まんがで読むとは情けない、とちらりと思ったが、さすがは本家本元の「ナポレオン・ヒル財団」監修、入門編として読むにはすばらしい本だった。
◆目次◆
プロローグ 思考は現実化しようとする衝動を秘めている
第1章 プラスアルファの魔法
第2章 逆境はチャンス
第3章 マスターマインドの力
第4章 決してあきらめない
第5章 シンプルなアイデア
エピローグ 最後に勝つのは「私はできる」と思える人
ゴールデンルール まとめ
タイトルのとおり、ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』を、まんがでわかりやすく読めるようにまとめたもの。
まんがなので当然、主人公が登場し、さまざまな難局を乗り越えて成功への道を進むサクセス・ストーリーが展開する。そこに家族の秘話あり、ほのかな恋愛あり、となかなか魅力的だ。
その中にも、きちんと理解するためのポイントが解説されている。
(全編まんがではなく、まんがの部分は半分弱くらいです)
中でも大きなポイントは「6ヶ条」だろう。やり方は簡単だ。
まず、自分がどんな成功を手に入れたいのか理想を思い浮かべ、整理する。それを目標・代償・期限・計画などにまとめて書く。
これを、目につくところに貼り、朝晩できるだけ大きな声で読み上げるのだ。
アファメーションの一種だが、自分に言い聞かせるという印象を受けた。
理想を掲げることはできるが、それを持ち続け、それに向かって努力を続けるのは並大抵のことではないからだ。
6ヶ条とも関連しているが、エンスージアズム(情熱)はやっぱり大切だそうだ。いかに情熱を持ち続けられるかが成功するかどうかを分ける。
『思考は現実化する』はコンパクトにまとめられた成功法則。「ゴールデンルール」は全部で17。「読んでおしまい」にしたら身につかない、とこの本でも書いてあるが、これが続けられれば結果は必ず出るはず。
一番印象に残ったのは「成功する人は即決している」、逆に「一度決めたものを変更する時には熟考している」という言葉だった。
実は、ナポレオン・ヒルがこの本を書く仕事をできたのも、自身が即決したから、というエピソードがあるのだという。
この仕事は、もともとカーネギーの依頼で始めたもの。
カーネギーは「成功者500人にインタビューして、その法則をまとめてほしい。インタビューする人は紹介するが、報酬は出せない。できるか?」とナポレオン・ヒルにたずねたという。
これに対し、ナポレオン・ヒルは受け入れる返事をするのだが、それにかかった時間は29秒。
カーネギーは1分を超えたら任せられない、と考えていたそうだ*2。
ついついじっくり考えて決断しようとしがちだが、それでは成功から遠ざかってしまう。
即断即決を心がけることで、何か変えられるかもしれない。
この本を読んだだけで成功法則が身につく、というのはむずかしいが、入門書としては最適だ。
これを読んで興味が湧いたら、ぜひ本編*3をどうぞ。
私のアクション:「6ヶ条」を作り、朝晩読み上げる
■レベル:守 ストーリー仕立てで大きな流れはまんがで読める上、きちんとまとめもあり、最初に読むならこれがおすすめ。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
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*1:リンクは「アクション・マニュアル、索引つき」版です
*2:実際に、ヒルの前にも依頼を持ちかけた人はいたそうですが、全員1分以上かかったため断ったとか
*3:『思考は現実化する〈上〉』『思考は現実化する〈下〉』※文庫版です