毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

ライフスタイルを再選択せよ☆☆☆☆

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幸せになる勇気
ダイヤモンド社 (2016/02/26)
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大ベストセラーとなった『嫌われる勇気』から3年、待望の続編が出た。
もともと続編を作るつもりはなかったそうだが、さらにパワーアップした内容で、読んだあとには目の前が開けたような感覚があった。


◆目次◆
第一部 悪いあの人、かわいそうなわたし
第二部 なぜ「賞罰」を否定するのか
第三部 競争原理から協力原理へ
第四部 与えよ、さらば与えられん
第五部 愛する人生を選べ

この本の中でも、設定は3年後になっている。アドラー心理学を実践しようと図書館勤務を辞めて教師になった若者が、再び哲人の書斎に現れた。
理想と現実の乖離に疲れ、アドラー心理学を捨てた方がいいのかと思い詰める若者は、次々と自分の直面している問題を哲人に投げかけていく。


前作との大きな違いは、非常に実践的になっていることだ。

 前作『嫌われる勇気』は、アドラー心理学の存在を知り、アドラーの思想を概観するための、いわば「地図」のような一冊でした。
(中略)
 他方、本書『幸せになる勇気』は、アドラーの思想を実践し、幸福なる生を歩んでいくためのコンパスとなる一冊です。前作で提示した目標に向かって、どのように進んでいけばいいのかを示す、行動指針と言い換えてもいいでしょう(P290)。

岸見一郎氏あとがきより

前作ではそういう考え方もあるのか、とかアドラー心理学独自の用語について学べたものの、もうひとつしっくり来ないものもあった。
たとえば「共同体感覚」は、説明されれば何となく理解はできた気にはなるが、それはあくまで「知識レベル」だった。

この本ではさまざまな用語が、そんな「単なる知識レベル」から具体的で血の通ったものになっている。
読みながら「なるほど、そんな意味だったのか」と思うことが何度もあった。
若者が直面しているさまざまな悩みを通して「3つのタスク」の意味や、「ほめることも叱ることもしない」子どもたちへの接し方が解き明かされる。


哲人によれば「教育者とはカウンセラーであり、カウンセリングとは再教育である」そうだが、カウンセリングの時に使うという三角柱の話が印象的だ。
三角柱にはそれぞれ「悪いあの人」「かわいそうなわたし」「これからどうするか」と書いてある。
カウンセリングにやってくる人はたいてい「悪いあの人」と「かわいそうなわたし」について話すが、重要なのは「これからどうするか」なのだという。

子を持つ親や教育に携わる人はもちろん、人と接する時にカウンセリングの要素がある人にとって、この三角柱は心に留めておくとよさそうだ。人はついつい「悪いあの人」や「かわいそうなわたし」にフォーカスしてしまうが、大切なのは原因よりも「これからどうするか、どうしたいか」なのだ。


第一次世界大戦が心理学の世界に及ぼした影響は大きく*1フロイトは「戦争などの悪は人間のどこから出てくるか」について考えを深めていったそうだが、アドラーは原因ではなく、どうすれば戦争をなくせるか、そのためにできることは何か、と前向きで実践的な姿勢を崩さなかったそうだ。
アドラー心理学は実践的な心理学だ、というのはこのエピソードからもうかがえる。


後半は愛がテーマになっている。前半で提示されたさまざまな問題や疑問は、最終的にすべて愛にたどり着く。
まるで推理小説かと思うくらい、この世のしくみのほぼすべてに説明がつくことに衝撃を受けた。


劣等感の本当の意味や「ライフスタイル」を無意識に選択した理由なども、答が用意されている。
一番印象に残ったのは、兄弟の何番目に生まれたかで取る戦略が違う、という話。

覚えている方もあると思うが、2010年頃に「生まれ順」の診断がブームになった。あの元はアドラー心理学だったのだが、当時はただの占い的な扱いで、よくわかっていなかった。
それが、この本で本当の意味がやっとわかったのだ。
たまたま私は若者と同じ第2子で末っ子なので理解しやすかったのもあるが、長子や一人っ子のケースにも触れられている*2


ただ、理解と実践は違う。「何でもない日々」が試練となり、歩み続ける勇気が試される。
「劇薬の哲学問答」と扉裏にあるが、まさしく劇薬だ。ラリってしまうことなく、うまく活かせるかどうかが読み終わったあとの「課題」だ。


「すべての悩みは、対人関係の悩みである」というアドラー心理学。悩みを抱える人はぜひ読んでみてください。
私のアクション:「私の価値は私が決める」と決心する
■レベル:破 「アドラー心理学」そのものが一般的な心理学と少し違っているので。前作を読んだ方や、「アドラー心理学」関連の本を読んだ方なら問題なく読めると思います。

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読書日記:『嫌われる勇気』


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:アドラー自身も軍医として戦地に赴いています

*2:3人兄弟のまん中については、残念ながら言及がありません…