毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

あなたのモノの見方、偏ってます☆☆☆☆

〈本書は、単行本『自分では気づかない、ココロの盲点』(2013年12月、朝日出版社刊)をもとに全面改稿、内容を3倍に増やし(30項目→80項目+付録)、新書化したものです〉
――講談社BOOK倶楽部より
家族が借りてきた本。池谷さんの本は大好物なので、喜んで読んだ。

ブルーバックスでかなり分厚いので覚悟しながら読み始めた*1ら、この本は趣向が違って楽しくスイスイ読めた。

 

◆目次◆
はじめに
大は小を兼ねる―選択肢過多効果(Choice Overload Effect)
思慮深い行動―熟慮の悪魔(The Devil in the Deliberation)
麗しきあの方―選択盲(Choice Blindness)
候補生は将校の夢を見るか―内発的動機づけ(Intrinsic Motivation)
やめられないとまらない―リアクタンス(Reactance)
我が家の楽園―コントラフリーローディング効果(Contrafreeloading Effect)
笑いのツボ―ダニング=クルーガー効果(Dunning‐Kruger Effect)
高慢と偏見―バイアスの盲点(Bias Blind Spot)
聖域なき行動観察―ローゼンタール効果(Rosenthal Effect) ピグマリオン効果(Pygmalion Effect)
美味礼讃―記憶錯誤(Paramnesia)〔ほか〕
おわりに
推薦図書
錯視用語集50
認知バイアス用語集225

この本のテーマは「認知バイアス」。

 実際のところ、私たちの「勘」は有益です。ほとんどの場面で、反射的に浮かんだ「直感」を信じて問題はありません。ただし、たまたま想定外の条件が揃うと、直感は珍妙な解答を導くことがあります。それが認知バイアスです。つまり、認知バイアスとは脳が効率よく作動しようと最適化を進めた結果、副次的に生まれるバグなのです(P4)。

脳は無駄を嫌うし、同じことを繰り返さないようにする。その結果、プロセスを省略しすぎておかしな答を導き出したり、今までの経験から「これ!」と思ったら間違いだった、ということが発生する。それが「認知バイアス」なのだ。

 

思い込みから失敗、とか経験が少ないとか見積もりが甘い、など思考・行動レベルの問題だと思っていたことが、この本を読めば実は脳の働きによる認知バイアスだった、というのがけっこうある。
巻末の推薦図書を見ればわかるが、「行動経済学」と呼ばれるジャンルの本が多い。つまり、脳のクセを知っていれば、賢い経済行動が取れたり、リスクを減らせたりできるのだ(ある程度は)。

 人は自分のクセに無自覚であるという事実に無自覚です。他人のクセには容易に気づくことができても、案外と、自分自身のクセに気づかないまま自信満々に生きているものです。最大の未知は自分自身なのです。
 本当の自分の姿に気づかないまま一生を終えるなんてもったいない――。せっかく人間に生まれてきたのですから、自分の認知バイアスについて知っておくのは、決して悪いことではありません。本書は、心の盲点を知るための手引き、いわば「心の辞書」です(P7)。

自分の心のクセ・弱点を知る、というのがこの本の主な目的だ。

 

認知バイアスにはさまざまなものがあり、その中から厳選された80個がクイズ形式で出題されている。心理テストでもやるように気軽にできて、わかりやすい解説もついている。
もちろん池谷さんは超一流の学者なので、すべてに出典(引用された論文など)が明記され、そのバイアスが何と呼ばれるものなのか、名称も最後に書いてある。
つまり、もっとくわしく知りたい時に必要な情報がすべて載っているのだ。
巻末にはこの80個を含む225個の認知バイアス用語集と、錯視用語集50も納められているので、入門書としても使える。

コンパクトにまとめられているので、今までいろんな本で読んできた知識を整理するのにも役に立った*2

 

楽しんで読みながら、自分の心のクセが明らかになります。お得な情報もいろいろ載っている(一部は下のメモにあります)ので、ピンと来た方はぜひどうぞ。
私のアクション:ネットニュース見出しの続きが読みたくなったら、「それは脳が知りたがるクセのせいだ!」と自分に言い聞かせる
■レベル:守

 

次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

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※最初に読んだ「行動経済学」の本。ジャムのエピソードもこの本?





*1:池谷さんの本は「頭がよすぎる理系の人」の典型的な文章なので、文系アタマの人間には慣れるまで毎回少し時間がかかります…

*2:どの本か忘れましたが、以前読んだ「人間は6種類のジャムの中から好きなものを選ぶのは容易にできるが、24種類の中から選ぶのは難しい」という結果も載っていました