毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

大人になんかならなくていい、ただ自分になれ☆☆☆☆

ちくまプリマー新書」は、若い世代に向けて作られたレーベルだと聞いたことがある。この本も10代向けかな、と思ったが、図書館の解説を見たら読んでみたくなって、予約した。

待ったかいのある、じわじわといい本だった。


◆目次◆
まえがき
第1問 おとなになるってどんなこと?
第2問 勉強しなくちゃダメ?
第3問 友だちって何?
第4問 普通ってどういうこと?
第5問 死んだらどうなるんだろう?
第6問 年をとるのはいいこと?
第7問 生きることに意味があるの?
第8問 がんばるって何?
<インタビュー>将来を考える

ばななさんが、これから大人になる人たちに向けて書いた本だ。ひらがなが多いので、おそらく小学生でも読めるのではないだろうか。
「まえがき」にこの本の意図が書いてある。

 気持ちがぶれてしまったときや自分でも自分が信じられないほどに落ち込んでしまったとき、この本を手にとりしばらく読み返せばいつのまにか自分の内面が調律できる、もとの軸に戻れる。
 そういうお守りみたいな本が作りたかったです(P9)。

 まだ年齢的には子どものみなさんや、もう大人になっているけれど自分の中の子どもを大切に抱いているみなさんの、眠れない夜にこの本が寄り添ってくれますように、願いをこめて…!(P10)

文字も大きいので、あっという間に読めてしまう。それなのに、心に残るのだ。

 

この本では、あまりにも辛かった高校でのエピソードや、お母さんの死など、今まであまり触れてこなかった(であろう)ことが開示されている*1
でも、それに対するばななさんなりの選択というか、回答が素晴らしい。だから、辛い・痛いで終わらないし、「あの頃は輝いていた」というような懐古趣味にも走らない。

 

ばななさんはご自身のホームページで日記を書いていた時期が長くあり、そこにはいつもきっぱりとした決断が書かれていた。あくまで個人的な事柄に対して、ばななさんがどう決断したか、という話なのだが、そこには必ず“普遍的な真理”のようなものがあった。
この本は、その“普遍的な真理”みたいなものをさらに濃縮した感じ、と言えばいいだろうか。

 

第8問「がんばるって何?」が一番心に響いた。この頃は「がんばれ」と言うのも神経を使うようになっているが、言う時も言われる時もどう考えたらいいのかが明快に書いてあって、長年のもやもやが晴れた。

 

ブログタイトルは、まえがきでばななさんが「たったひとつ言いたいこと」として書いていた言葉。
年齢に関係なく、子どもでも大人でも、読んで自分を取り戻してください。
私のアクション:身を守ることと、オープンであることのバランスを取る
■レベル:守 

次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

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*1:高校時代の辛さについては、河合隼雄先生との対談で初めて知りましたが、この本はそれ以上に生々しいです