毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』メモ

「商品を売る」のは営業の仕事、「商品を売れるようにする」のがマーケティングの仕事(P66)

戦略とは、何か達成したい目的を叶えるために、自分の持っているさまざまな資源を、何に集中するのかを選ぶこと(P97)

戦略とは選ぶこと(P98)

経営資源が足りない中で目的を達成するためには、限られた貴重な経営資源をどれだけ無駄なく有効に使うのか、考えて考え抜くことが必要になる。考え抜いて選ぶのだ。選ぶことで足りるようにする。その選択こそが戦略だ。

やることを選ぶということは、同時にやらないことを選ぶということ(P104)

これが戦略の核となる考え方「選択と集中」だ。全てをやろうとすることは、つまり選ばないということは、「戦略がない」ということ。とりあえず全てをやろうとすることは、意味なく経営資源を分散させてしまうだけ。愚か者のすること。

「目的」と「目標」の違い(P109)

目的(Objective)とは達成すべき使命のことであり、目標(Target)とは、その目的を達成するために経営資源を投入する具体的な的のこと。
例)「目的はパリ占拠、目標はフランス軍

「目的→戦略→戦術」の順番で考える(P112)

最初に「目的」を明確にすることが何よりも重要。
そして戦術よりも先に戦略を明確にすること。

例)嫁さんとケンカしたが、謝るのは癪なのでちょっと豪華なロールケーキを買って帰った
目的:嫁さんと仲直り
目標:嫁さん
戦略:弱点の甘いものから攻める
戦術:土産に豪華なロールケーキを買う

戦略として取れる手は他にもある(「情に訴える」「第三者に入ってもらう」など)。
戦略を明確にすることで、他のことを考えなくてもよくなる=ロールケーキという戦術にたどり着くのが早くなる。

戦略の方が戦術よりも大事(P119)

戦略のミスは戦術ではリカバリーできない。
間違った戦略で戦術的に優れてしまうことは、傷口をより大きくすることにもなりかねない。
例)USJからTDLに行きたい
A:正しい戦略は「正しい方向=TDLへ」、正しい戦術は「正しい手段=飛行機か新幹線で行く」
B:正しい戦略「TDLへ」、誤った戦術「徒歩や自転車で行く」→時間はかかるが距離は縮まる
C:誤った戦略「香港ディズニーランドへ」、誤った戦術「徒歩や自転車で行く」→間違いに気づいた時にリカバリーできる
D:誤った戦略「香港ディズニーランドへ」、正しい戦術「飛行機で行く」→誤った方向に突き進んでしまう

最悪手はD。普通の人はCが最悪手と考えてしまうので要注意。

マーケティングフレームワークの基本(P137)

目的:OBJECTIVE(達成すべき目的は何か?)
目標:WHO(誰に売るのか?)
戦略:WHAT(何を売るのか?)
戦術:HOW(どうやって売るのか?)

戦況分析とは、「市場構造」をよく理解して、それを味方につけるためにやる(P139)

市場構造を無視した手前勝手な戦略を推し進めても成功することは難しい。

水は高いところから低いところへ流れる。それが自然の摂理。水を低いところから高いところに流すことは不可能ではないが、多くのエネルギーが必要。同じく市場構造に逆らうことも不可能ではないが、膨大な経営資源が必要になる。画期的に思えた戦略や戦術が、実行してみるとうまく行かない場合の典型的なパターンがこれ。その戦略は知らず知らずのうちに市場構造における自然の摂理のどこかに逆らってしまっている。

WHO=ターゲットとなる消費者は選ばなければならない(P150)

限られたリソースを消費者全員に投下すれば、1人当たりのリソースは薄くなってしまう。
(中略)
マーケターは、ターゲット1人当たりのマーケティング予算が十分(Sufficient)になるように、ターゲットを選ぶ必要がある。

満たすべき消費者ニーズにも偏りがある(P151)

消費者全員を最高に喜ばせる商品は非常に作りにくい。

すべての人を笑わせようとしたら失敗する(by米国のコメディアン、ビル・コスビー
笑いのツボは千差万別なので、全員を喜ばせようとすると誰にとっても中途半端な笑いにしかならない。

ブランド・エクイティーとは(P161)

消費者がブランドに対して持っている一定のイメージであり、ブランドを製品(モノ)以上の価値たらしめている消費者の頭の中の一定の認識。

戦略ターゲットとは、ブランドが「マーケティング予算」を投下する最も大きなくくり(P152)

戦略ターゲットは、メディアを集中してブランド・エクイティーを構築する対象なので、短期でコロコロ変更すべきではなく、中長期的な視点で定義しなくてはならない。

戦略ターゲットのくくりが、目的達成に照らして小さすぎないように設定する(P152)

かつてのUSJは「ハリウッド映画が好きな消費者」を戦略ターゲットにしていたが、これではあまりに幅が狭い。
関西という立地条件で年間1000万以上の集客を達成するには、消費者全体の8割くらいをカバーできる設定にする必要がある。

コアターゲットとは、戦略ターゲットの中でもさらにマーケティング予算を集中するターゲット消費者のくくり(P153)

消費者の購入確率や購買力に大きく偏りがある時、ブランドを購入する必然性の高い消費者グループをコアターゲットとして設定する。

コアターゲットの内側と外側を決めている違いが何であるのか明確でなければ、効果的にリーチすることができない。絵に描いた餅で終わることが多い。

消費者がほしいのはアトラクションではない(P160)

消費者が欲しているのは、そのアトラクションを体験したあとに巻き起こる「感情」。アトラクションそのものではなく、どんな感情が味わえるのかを訴求しなければならない。

WHAT=ベネフィット(P161)

WHATとは、消費者がそのブランドを買っている根源的価値。
ベネフィットとは、消費者がお金を払ってそのブランドを買う理由のこと。

人が変われない最大の理由は「変われない自分にガッカリする」から(P246)

マインドセットは変わる時は一瞬で変わるが、スキルや行動はすぐには変わらない。長年染みついたクセがあるので、筋肉や脳神経のトレーニングの問題。最初は期待どおりの行動が取れないのは当たり前。

多くの人にとって弱点克服が難しいのは、意識変化と行動変化のタイムラグに耐えられないから。
本当に変わりたいのであれば、すぐに変われないことを最初から織り込んで覚悟を決めること。