毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

怒りの原因を知れば、「怒らない生き方」に近づける☆☆☆☆

記事を読んだ時の感動はそのまま、解決法まで書いてある素晴らしい本だった。
今まで怒りに関する本はたくさん読んできたが、文句なしにナンバーワンだと言える。


 

◆目次◆
はじめに
プロローグ もう「イライラ」「ムカムカ」にふりまわされない!
1 ムカッとすることは、ダメなことじゃない――「怒り」が教えてくれること
2 人はなぜカチンとくるのか?――だから「怒り」が湧いてくる
3 原因は「役割期待のずれ」だった――「怒り」がスーッと消えていく「対人関係療法
4 この話し方をすれば、争わなくてすむ――「怒らない」「怒らせない」コミュニケーション術
5 もうめったなことではイライラしない――「評価」をやめれば、「怒り」が消える
6 心穏やかに生きるコツ――「怒らない人」になるちょっとした習慣
7 相手にキレられたら、こうしよう――「怒る人」への対処法

著者・水島広子さん精神科医で、「対人関係療法」という治療法が専門。うつ病摂食障害、不安障害などに対する効果が科学的に実証された精神療法だという。

この「対人関係療法」とアティテューディナル・ヒーリング(AH)の考え方に基づいて、怒りをコントロールする方法を教えてくれる本。
AHとは(著者が代表を務めるアティテューディナル・ヒーリング・ジャパンのサイト)

この本によれば、「怒ること=悪いこと」ではないそうだ。怒りは、そこに何か問題があると教えてくれるもの。だからこそ、無理して押し込む必要はないし、気づかないふりをするのは逆効果。怒りを感じなくなることでうつなどの精神的な症状につながることもある。
ただ、怒ることは自分にも相手にもダメージを与えてしまうので、怒りの原因を知って正しく対処しましょう、というのがこの本の趣旨だ。

 

私が感動した記事にもあったが、怒りの原因の大きなものは「予定狂い」と「役割期待のずれ」。
「予定狂い」とは、こうなってほしい、こうなるはずだ、という自分の中の予定がその通りに行かなかったこと。「あとで食べようと大事にとっておいたデザートを家族に食べられた」といったことから、「定時に帰ろうと仕事をがんばって進めたのに、帰り際に上司に仕事を頼まれる」といったことまで幅広い。
役割期待のずれ」の典型的なものは、たとえば夫に「私は仕事で疲れているから、夕食後のあと片付けくらいしてくれるはずだ」と思っていたのに、何もせずにさっさと寝てしまった、など。
どちらも心当たりがあるのではないだろうか。

 

さらに、自分に対する怒りもあるが、たいていは相手があるもの。つまり、怒りは対人関係と切り離せない。
ここでのポイントは「評価」をやめることと、「被害者」をやめること。
「評価」はふつう他人に対してするものだが、同時に自分も「評価」しているので、無意識に自分を傷つけていることになる。
また、「自分は被害を被った」と感じた時、つまり「被害者」になった時に怒りを感じるが、「本当に自分は被害者なのか?」と考えてみることが重要だという。それは、「自分は被害者だ」というストーリーを事実に乗せてしまうパターン、つまり事実とは違う歪んだ認識をしてしまうクセを多くの人が持っているからだ。
この辺りが「対人関係療法」の本領発揮、事実と違うストーリーをどう乗せているのか、どう歪んで認識しているのか、そこから脱出するにはどうすればいいのかをていねいに解説しているので、素直に納得できる。

 

今までの「怒り」をテーマにした本にもあった「自分の心の傷」「自分だけが我慢している」という怒りの原因や、衝突せずに相手に自分の希望を伝える「iメッセージ」なども押さえてあり、再確認できた。
自分が怒らないことと、相手を怒らせないコミュニケーション術、両方を学べることもありがたい。

 

一番印象に残ったのは、「怒りは自分の人生をコントロールできていない時に起きやすい」という話。つまり、怒らない生き方には自分の人生に主体性を取り戻すことが大切なのだ。
片づけられない人は主体的に生きられている実感がないので、「被害者モード」になりイライラしたり怒りやすいそうだ。逆に言えば、片づけることで人生を「主体性モード」に変えることができるという。
「環境をよくする」が目的ではなく、「人生に主体的に関わる」を目的にするのがポイント。
まさか「怒り」がテーマの本で片づけの話が出るとは思わなかったが、痛いところを突かれた。

 

シンプルでわかりやすい本です。怒らない人生の第一歩にどうぞ。
私のアクション:腹が立ったら、「本当に自分は被害に遭ったのか」考えてみる
■レベル:守 

次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

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