付せん好きの私にとって「読まずにはいられない」内容、と思って飛びついたが、想像していたのとちょっと違っていた。
◆目次◆
あなたのノートや手帳は100%力を発揮できているか?
チェックリスト序章 破産の危機を救ったのはたった「1枚の紙」だった
第1章 なぜノートや手帳を使いこなせないのか?
第2章「ふせん」×「ノート」があなたの可能性を広げる?
第3章 即メモできて、ひらめきを逃さない
第4章 ふせんノートで情報を一括管理・一発検索
第5章「ゆる〜く」使うことで脳力が花開く
おわりに
著者は長年の銀行勤めを経て起業し、現在は「お金のソムリエ」として講演や著述業に忙しくされている。
その間に、「投資に失敗して破産寸前」という危機があったそうだ。
あるひらめきからその危機を脱出、莫大な借金を返済し、現在は数億円の資産があるという。
そのひらめきをキャッチし、形にした方法として公開されたのがこの「ふせんノート術」。
しかし、その内容は拍子抜けするほどシンプルだ。
あらゆるメモをすべて「ふせん」に書いて、その「メモ済ふせんをA4判ノートに貼り付ける」だけ。
つまり、「ふせんノート術」にとってノートとは、ふせんを貼るための「台紙」に過ぎないのです(P19)。
著者の考える手帳術・ノート術の基本はこうだ。
……手帳やノートにとって一番大切な役目は3つしかありません。それは、誰でも簡単に
- 一瞬でメモできて、
- そのメモを後で一発で探し出せて、
- 自由自在に有効活用できること(P49)。
そのために、必要なのはふせんとA4ノートだけ。
ノートのサイズも、もし職場の規格がB4サイズで統一されているなら、B5のノートを使うように書いてある(これは、書類をノートに挟むため)。
使うノートも、罫線入りでも方眼でも白紙でも、好みのものを選べばOK。
ふせんノート術は、このように自由度が高いので、「ふせんに書いて、お留守番ノートに貼る」こと以外にルールはありません(P114)。
たったそれだけ?と思うが、著者自身、これは「仕組み」だと書いている。
「A4ノートの紙面上」において、
「すべての情報」が、
「時系列順」に、
「ワンアクション」で、
「自動的にシンクロされる仕組み」(P62)。
自分の必要に応じてアレンジしてください、ということだ。
……えええ、これ、美崎さんの本にあった「母艦ノート」と同じですよね?
『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』で知って、一時期やっていたことがある(今はやっていませんが)。
著者によれば、あらゆる手帳術を試してみたが、ひとつとしてものにならなかったという*1。
それは、複雑すぎて自由度がないから。手帳術をマスターすることが目的になっては意味がない。
「ひらめきを形にするための方法」を誰でも簡単に、継続して行えることが重要なのだ。それが、この「ふせんノート術」。
ふせんをノートや手帳代わりに使うので、今までノートや手帳に書いていた大切なことはすべてふせんに書いてください。
さらに、気づいたことやひらめいたことも片っ端からふせんにメモします。やらなけばならないこと「TODOタスク」もふせんに走り書きする。わからないことや調べたいことがあれば、これもふせんにメモする。大切な情報はもちろんのこと、伝言もふせんにメモしてください。…メモを書く場合は必ず「ふせん」に一本化すること。それが鉄則です。
ふせんにメモを書いて、後はノートや日記やデスクダイアリーに貼り付ける。
この仕組みさえ維持していただければ、あとは自由自在です(P113)。
具体的なノウハウとして出てきたのは
・著者が使っているのは、75mm×75mm、75mm×40mm、60mm×60mmサイズのもの
・「粘着面が広い大きなふせん」がよい。著者が使っているのは「gnotes80」というふせん*2
・ふせんを持ち歩くには、カバーが必要。著者はスマホカバーに貼っている
・思いつきをメモするために、家中のあらゆるところにふせんを置いておく。著者は場所ごとに色を変え、どこで思いついたものかわかるようにしている
・お風呂で書くにはフィルムふせんがおすすめ。筆記用具は鉛筆で
くらいだろうか。
新鮮だったのは、「情報すべてを1冊にまとめる」必要はない、という著者の考え。
迷わず手もとのふせんに書き、内容に応じて一番フィットする場所に貼ればいいそうだ。
その理由は、あとで検索するのが難しくなるから。
結局、一番心に響いたのは「人生は紙一重 」という言葉だった。
同じノウハウは持っているのに、著者はライフワークを見つけて人生を満喫、片や自分はどうなのか、と考えてしまった(ちょっと遠い目)。
やるかやらないか、で人生はここまで変わるという現実。
具体的な方法、ハック的なものを求めている人が読むと、ちょっとガッカリするかもしれません。
人生に喝を入れたいあなたには一読の価値あり?
※この本では写真が少なく(あっても白黒…)、実例があまりないので、具体的に知りたい方は著者の『ふせんノート術 (晋遊舎ムック)』の方がいいかも(ムックは図書館にないので、私は読んでいませんが)。
私のアクション:お風呂ジョッタ(メモするツール)を作る♪
■レベル:守
※この本のメモはありません