「見えるひと言」はおしゃれなキャッチコピーではない(P40)
「見えるひと言」にセンスは不要。
(中略)
企画とは頭に浮かんだアイデアを言語化したもの。
頭の中でもやもやとしていたアイデアを、端的な言葉で表したのが、企画を実現するための「ひと言」。
つまり、企画を採用する人や企画に関わる人が「見えること」、これが企画の第一条件。
その「ひと言」をさらにブラッシュアップし、視聴者や消費者に向けられるのがコンセプトをズバリ鋭く伝える「キャッチコピー」。
センスはいらない、むしろベタがいい(P47)
企画を実現する「ひと言」とは、キャッチコピーやコンセプトになる一歩手前のもの。わかりやすくいえば、ダイヤモンドの原石。
例)やがて都会で洗練されて輝くことになるのだけど、今はまだまだアカ抜けていない、秋田の中学校に通っていた頃の佐々木希さんのような存在。
企画を通す段階では、お客さんよりも企画の実現のために動く人にとって見えるものであることが大事(P50)
例)旭山動物園では「形態展示から、行動展示へ」という合い言葉が昇華して「伝えるのは、命の輝き」というコンセプトにつながっていった。
企画は「5つのS」でうまくいく(P73)
1.「Short」
・言葉は短ければ短いほど強くなる
・話すなら10秒以下、文字にするなら30文字以内
2.「Simple」
・まずはシンプルな軸を考えること
・提案者が直接プレゼンしなくても伝わる、シンプルなひと言を作ろう
・シンプルさの理想は「エスカレーター・ピッチ」
※エスカレーター・ピッチとは(著者の造語と思われます)…「エレベーター・ピッチ」よりもさらに短い時間で伝えられる、エスカレーターの上りと下りですれ違いざまに伝えられるくらいのシンプルさが理想。
3.「Sharp」
・ホームラン狙いでなく、芯に当てる
・アイデアが凝縮した研ぎ澄まされたひと言は、相手の心に深く刺さる
・刺さる=インパクトがある
4.「See」
・企画に求められているものが見える「ひと言」を考えよう
・見えない企画は通らない
5.「Share」
・その「ひと言」に周りを巻き込もう
・企画に関わる人がシェアできる合い言葉をつくる
「意外なものを組み合わせること」がヒットのツボ(P138)
これまで誰もひとつにしようとしなかった「異質なもの」を足し算してみる。
「常識」をいったん取り払おう。
絶対に合わないと思っていたものが予期せぬ「化学反応」を起こして、新しい付加価値を生むというのは、想像以上によくある。
化学反応の面白いところは、単なる「合体」ではなく、「掛け算」になること。『英会話体操』※も「いちご大福」も「焼きそばパン」も10+10=20ではなく、10×10=100。
※英会話体操とは…初めて採用された著者の企画。元ネタはNHK・Eテレのテレビ体操と英会話番組を掛け合わせたもの。一見バカバカしいですが、一発で採用になり、今も人気があるそうです。興味のある方はYouTubeで「Zuiikin' English」で検索してみてください。
アイデアのために「記憶のストックを増やしておく」(P152)
「発想や企画というと、白紙の状態からウンウン捻るような感じがするが、じつはそうではなくて、自分が面白いと思ったことを思い出す、あるいは『記憶』に引っかかっていたことを拾い上げるという行為」(秋元康『企画脳』より)
ある時、ふっとひらめいたアイデアが、ストックしてある記憶に引っかかり、両者が頭の中で結びついた時、新しい発想や企画が生まれる。
ヒントは日常の中にある(P169)
たとえば今日のランチ。
あなたはなぜ、そのお店に入ったのだろうか。
お目当てのメニューがあったから?混んでいなかったから?感じのよい店員さんがいるから?値段のわりに美味しいから?同僚に勧められたから?――あなたのをその店に向かわせた動機の中に、必ず「企画のヒント」が見出せるハズ。
メモをしておいてあとで考えてみると、ヒントが隠れていることに気づく。
スタートは、心に引っかかったことはすかさずメモをするクセをつけること。