毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「より多く」のことを「より速く」成し遂げる☆☆☆☆

SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法
ジェイク・ナップ/ジョン・ゼラツキー/ブレイデン・コウィッツ
ダイヤモンド社(2017/04/13)
¥ 1,728

※ [Kindle版] はこちら

家族が借りてきた本。「最速仕事術」とサブタイトルにあったので、興味を持って読んでみた。
文句なしに面白かった。


◆目次◆
はじめに――時間を最大限に活用する合理的な方法

■Introduction:スプリントとは何か?

■SET THE STAGE:準備をする
第1章 「課題」を見抜く
第2章 「オーシャンズ7」を決める
第3章 「時間」と「場所」を確保する

■MONDAY:目標を固める
第4章 「終わり」から始める
第5章 「マップ」をつくる
第6章 「専門家」に聞こう
第7章 「ターゲット」を決める

■TUESDAY:思考を発散させる
第8章 「組み替え」と「改良」に徹する
第9章 「スケッチ」する

■WEDNESDAY:ベストを決める
第10章 「決定」する
第11章 「ガチンコ対決」をする
第12章 「ストーリー」を固める

■THURSDAY:幻想をつくる
第13章 「フェイク」する
第14章 「プロトタイプ」をつくる

■FRIDAY:テストをする
第15章 「現実」を知る
第16章 「インタビュー」をする
第17章 「学習」する

おわりに――仕事のやり方が根本的に変わる
付録 チェックリスト&FAQ

著者3人は、いずれもGV*1のデザインパートナーとして、多くの起業家を育てている人たちだ。

その長年の経験から生まれたのがこの「スプリント」という手法。

「スプリント」とは、GVが活用しているプロセスで、アイデアをプロトタイプのかたちにすばやく落とし込み、それを顧客とテストすることによって、たった5日間で重要の問題に答を出す手法をいう(P28)。

もともと、スタートアップ企業とは資金が足りないことが多く、いいアイデアを持っていてもすぐに結果を出さなければ投資が受けられず、失敗に終わってしまう。
ただし、この方法はスタートアップ企業だけではなく、企業が新しいプロジェクトを立ち上げる場合、コンサルティング会社、NPOや学校などでも使われているそうだ。

 

スプリントの最大のメリットは「たった5日で結果が出せる」こと。
月曜から金曜にかけて、主要なメンバーを揃えて一気にやり遂げる。
木曜までに「プロトタイプ」と呼ばれる試作品を仕上げ、金曜日には5人のモニターに実際に使ってもらう。それを見た上で結論を出すところまでがスプリントの一連の流れだ。



著者たちが多くのクライアントと実際にプロセスをくり返し、練り上げたものなので、いつ何をやるかも非常に具体的だ。
効率的に動くため、タイムテーブルも決まっている。

 

スプリントが従来の方法とどこが違うのか、著者たちは次のように書いている。

 一つめとして、集団ブレーンストーミングとはちがい、1人でアイデアを練る時間があった。でも時間がありあまっていたわけじゃない。締切に追われ、いやでも集中せざるを得なかった。普段やりがちなように細かく考えすぎたり、重要度の低い仕事に手を出す暇はなかった
 もうひとつの重要な要素は、人だ。エンジニア、プロダクトマネージャー、デザイナーの全員が同じ部屋にそろい、それぞれが問題の担当部分に取り組み、お互いの質問に進んで答えた(P6)。

……こういった魔法の要素――個別の作業、プロトタイプ作成の時間、逃れられない締切――をワークショップに加えたらどうなるんだろう?こうして開発したプロセスを、デザインの短距離走(スプリント)として、「スプリント」と名づけた(P7)。

締切効果と、個人のプロセスと集団のプロセスをうまく切り分けることが「最速」の結果を生むのだ。

 

順を追ってていねいに説明されている*2ので、その通りにやればひと通りのことはできるようになっている。
また、ブルーボトルコーヒーなど、GVが手がけた例がふんだんに紹介されているので、とてもわかりやすい。

もちろん成功例だけではなく、失敗例も挙げて注意するポイントを教えてくれる*3ので、同じ失敗を繰り返さなくてすむ。

 

どこに力を入れるのか、「やるべきこと」のどれを優先し、どれはあと回しにしていいのかなどのポイントがきっちり押さえられているのが心強い。
たとえば、スプリントに参加する人選はとても神経を使うところだが、決定権を持つ人は必ず入れること。5日間すべてに参加できないなら、「カメオ出演」でいいので、必要なプロセスの時間には必ず参加してもらう。
また、金曜日にモニターしてもらうプロトタイプ(試作品)は、見た目はきれいに整えておく必要があるが、映画のセットのように「うわべ」だけであってもかまわないそうだ。システムがすべて動く必要はないし、操作画面はスライドで作ることもあるという。

 

5日間のプロセスを終え、このまま進めるゴーサインを出すか、失敗を踏まえてさらに手を加えるかを決める。これがスプリントだ。
一度で終わるとは限らず、失敗から学習して何度もスプリントを繰り返すことで、より良いものにしていく。

 

スプリントは7人程度のチームで行うのが標準で、残念ながら私には現在そういう機会がない。
そのため、個人でもできるかを考えながら読んだ。アイデアを出し合ったり、ベストの方法を選ぶ時にひとりしかいないのは不利だが、「5日間で結果を出す」と決め、時間割通りに計画を進め、ゴールを決めてそれに邁進する、細かいところは後回しにして行動する、というやり方は使えそうだ。
たとえば、「5日間で断捨離をしてしまう」とか「家事の仕組みを作る」といったことはできると思う*4

 何をすればいいのかわからないときや、最初の一歩を踏み出せずにいるとき、大きな決定を下さなくてはいけないときは、スプリントがお勧めだ。スプリントが最高に役立つのは重要な問題を解決するとき(以下略)(P309)。

だそうなので、これに当てはまる人はぜひ読んでみてください。私もチームでやる必要ができた時には買います。
内容は濃いですが、読みやすいです。翻訳が自然だからだと感じました*5
私のアクション:生活を変えるための「長期目標」と「スプリントクエスチョン」を決める
■レベル:守
※この本のメモはありません

*1:旧「グーグルベンチャーズ」のことで、スタートアップ(企業)に投資し、成功を支援する組織

*2:用意する文房具リストやスナックの種類まで書いてあります

*3:名誉のため、失敗例は会社名、チーム参加者とも仮名になっています

*4:土日をはさまず一気にやってしまう(熱意や集中力が続かないため)のが推奨されているので、その辺はむずかしいかもしれませんが

*5:翻訳者の櫻井祐子さんは、『選択の科学』『0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる』の翻訳も手がけてます