毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「ウィルパワー」を最大限に活用する☆☆☆☆

 

これは今年のベスト10冊に入りそうな素晴らしい本だった。


 

◆目次◆
まえがき
もはや集中力は、最短・最速で身につくスキル
集中力で、1年が13カ月になる
どんなに疲れていても、集中力を発揮できる人の秘密とは?

第1章 集中力を自在に操る3つのルール
■集中力の高い人に共通する行動原則とは
ルール1 集中力の高い人は、鍛え方を知っている
ルール2 集中力の高い人は、短時間の集中をくり返している
ルール3 集中力の高い人は、「疲れ」を脳でコントロールしている

第2章 高い集中力を生み出す7つのエンジン
■トップスピードで「すぐ没頭できる」自分に変わる
エンジン1 場所
エンジン2 姿勢
エンジン3 食事
エンジン4 感情
エンジン5 習慣
エンジン6 運動
エンジン7 瞑想

第3章 疲れをリセットする3つの回復法
■疲れを感じている方は、ここから読み進めてください
キュア1 睡眠
キュア2 感覚から癒やす
キュア3 不安を書き出す

第4章 集中力を自動でつくり出す時間術
■いつもの仕事の時間を変えるだけで、パフォーマンスは上がっていく
時間術1 超早起き
時間術2 ポモドーロ・テクニック
時間術3 ウルトラディアンリズム
時間術4 アイビー・リー・メソッド
時間術5 スケジュールに余白をつくる

著者を何度かテレビで見たことがあるが、失礼ながら「メンタリズム」とは手品みたいなものなのかな、とあまり興味がなかった。
だが、この本を読んでその認識はまったく変わった。「メンタリズム」に対してではなく、著者に対して。

 

著者は「まったく集中できない、学習障害ではないかと言われるような子ども」だったという。
そこから「勉強して人生を変えよう」と決意、いかに集中力を上げるかを研究してきたそうだ。

その結果、今では企業アドバイザーや講演、テレビ出演などをこなしながら著書多数、と忙しいながら1日10〜20冊本を読んでいるというのだから驚きだ。
並大抵の集中力ではこれだけのことはできない。
その、著者の人生を変えた「集中力を生み出すコツ」を、全部公開してあるのがこの本。

 私は自分の身の回りにあるものすべてに注意力を奪われ、その結果、なにひとつ集中できなかった状態から、目的からやるべきことを絞り込み、的を絞って集中する術を身につけたことで、集中力をコントロールできるようになりました。
(中略)
 大切なのは1つの行動にフォーカスし、1つずつ着実に習慣化していくこと。すると究極の集中力が手に入ります(P6-7,10)。

集中力の源は、前頭葉から生み出される「ウィルパワー」。これが、決断をはじめ「何かを我慢している時」「何かをしたいと望んでいる時」などにも使われる。
重要なのは、仕事とプライベートなど、自分では区別していても、消費するウィルパワーはひとつという事実。
無意識に消費していたらあっという間に枯渇してしまう。
このウィルパワーのコントロールが集中力を高めるカギになるのだ。

集中力を鍛えるアプローチは2つ。

 1つはトレーニングによってウィルパワーの総量を増やす方法。もう1つは、ウィルパワーの消費量を、日々の行動や習慣を変えることによって節約していく方法です(P30)。

この本では、「ウィルパワーをいかに節約するか、消費しない習慣を身に付けるか」が中心に紹介されている。
その習慣化も、一度にやろうとするとウィルパワーが無駄遣いされ、習慣になる前にギブアップしてしまうので、「ひとつずつ」がポイント。
こんな風に、いろいろ聞いたことのある理論やメソッドも「ウィルパワー」の消費、という考え方で多くが説明できるのだ。
読んでいくうちに、いかにふだんウィルパワーを無駄遣いしているか痛感する。
裏返せば、ウィルパワーを節約し、効率よく使っていくことで、集中力はグッと伸ばせるはず。これは期待が持てる。

 

なぜ習慣化がウィルパワーの節約になるのか。
考えたり判断するにはウィルパワーが必要になる。ところが、習慣化してしまうと判断は必要なくなり、自動的に行えるようになる。この時、あまり前頭葉は働かず、主に小脳が活性化しているのだそうだ。
これはまさしく競技中のアスリートの脳と同じ。考えなくても動けるように訓練をくり返すことで、前頭葉ではなく、小脳が働くようになっているという。

 

読んで一番驚いたのは、「実は脳は疲れない」という事実*1

……脳が感じる疲労感は単なる思い込みで、やる気やモチベーションが下がったというのも主観的なもの。つまり、「疲れているから、集中できない」というのは錯覚に過ぎず、脳の仕組みを知りさえすれば、疲れを切り離し、やる気の集中力を取り戻すことができるのです(P59)。

疲れをリセットする方法としては、睡眠の質を高める、感覚から癒す*2、不安を書き出すことでワーキングメモリを解放し、容量を増やす*3などが紹介されている。

 

朝・昼・夜の各時間帯に何をすればベストなのかもくわしく解説してあるので、参考になる。
私は特に「朝、行うべき7つの行動」を試してみたいと思った。

1.早起きして、朝食を摂る。
2.グリーンエクササイズなどで、朝日を浴びながら軽く汗を流す。
※グリーンエクササイズとは、緑の中を5分ほど散歩する軽い森林浴のこと
3.モチベーションの上がる話題や言葉、詩に触れる。
4.毎日1つ、ノートやパソコンなどに日常への幸せの感謝を書き留める。
5.毎日、「今日が人生最後の日ならどうする」と自分に問う。
6.その日の計画を10分以内に立てる。
7.短時間の瞑想をする(P215)。

実はこの7つのリスト、ネットで見たことがあった。ただこれだけを見てもあまりピンと来ないが、本を読めば一つひとつにどんな意味があるか書いてあるので、やってみたくなる。
どれも他にすすめる人の多いものばかりだが、とにかくものすごく簡単にしてあるのが特色。これならできそうだ。

 

この本が素晴らしいのは、心理学や脳科学のたくさんの本に書いてある理論をわかりやすく説明しているところ。ご自分の経験を通し、かみ砕いて説明してあるので、「なるほど、こういうことだったのか!」と目の前が開けるような感覚を何度も覚えた。
深く納得できれば、それだけ行動につながる。素直にやってみようと思える良書。

専門書ではないので参考文献リストはありませんが*4、たくさんの本のエッセンスが凝縮されています。
むずかしい本は苦手、という方に特におすすめです。
私のアクション:作業机に鏡を置き、自分を客観視する
■レベル:守 

 


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

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*1:何かで読んだことはあると思うのですが、忘れてました…

*2:脳が受け取る情報の8割は視覚からと言われる。脳の疲れと感じているのは実は目の疲れであることが多いので、目の疲れを癒す

*3:ワーキングメモリがいっぱいの状態も集中力が低下しているため

*4:一部文中に書籍・著者名、実験に関しては研究機関・担当者が出ているものも