ネットで見かけて「『フセン』と『手帳』で片づけできる?こんなに私に合う方法があるなんて!」と興奮しながら図書館で予約した本。
手に取って気がついた。この本はあな吉さんこと浅倉ユキさん監修の本だった。
つまり、あな吉手帳の進化版というか、あな吉手帳を片づけに特化したもの。
あな吉手帳をやめてしまった私は複雑な気持ちになったが、読んでみたらぐいぐい引き込まれた。
◆目次◆
はじめに
片づけフセン術のここがすごい!
プロローグ 片づかない本当の理由
PART 1 片づけフセン術の極意
PART 2 魔法の片づけフセン術・実践編
PART 3 ずーっと片づいた家をキープするコツ
PART 4 フセンでみんなが動く!家族の片づけ
体験談 片づけフセン術で部屋も収納もスッキリ!
監修者のひと言
あとがき
著者の須藤ゆみさん(通称すどゆみさん)は、当然あな吉手帳術ディレクター講師でもあり、整理収納アドバイザー1級もお持ちの人だ。
もともと片づけは苦手だったが、結婚後このままではいけないと思い整理収納アドバイザーの資格を取得。家はいったん片づいたが、出産後片づけまで手が回らなくなり、家が荒れ放題になった、というエピソードは強烈だ。
いくら片づけのノウハウを知っているプロでも、片づけなければ散らかるのだ。当然のこととは言え、衝撃を受けた。
そんな汚部屋を脱出できたのは、あな吉手帳術を知ったからだという。
私はこの段取り術に出合ったことで、毎日の家事や仕事がスムーズに回り始め、時間管理も上手になり、やりたいこともサクサク実現できるようになりました(P18)。
さらに、「この段取り術が全部片づけにも生かせる!」と気づいたそうだ。
「忙しくて片づけている時間がない」と思っていたけれど、仕事や家事と同じように、「片づけ」という作業も、しっかりスケジュールに落とし込んでいければいいということがわかりました(P18)。
つまり「あな吉手帳術」は“フセンと手帳で行う段取り術”であり、それを片づけに応用したやり方がこの本に書いてあるのだ。
片づけをはじめ、タスクを実行するのに最も重要なのは「細分化」。フセン+手帳の組み合わせは細分化し、それをスケジュールに落とし込むのに最強のツールになる。
この本では「細分化」に特に力を入れて解説してある印象だった。実際に行動するには、行動できるようにタスクが細分化されていなければならないからだ。
著者によれば細分化のコツは、「フセンに書くTODOは、1枚をやりきれる量にする」こと。
あな吉手帳術の本に「おばけフセン」というワードがあるが、それは「いつまでもはがせない」=実行できず手帳に残ってしまうフセンのこと。
この本にも登場する「おばけフセン」は、つまり適切に細分化できていないフセンなのだ。
ここに書いてある細分化の方法をしっかりやれば、おばけフセンを撲滅できそうだと感じた。
また、「まとまった時間ができたらやろう」という考え方は、現代人には無理、と断言してあったのも新鮮だった。現実的ではないという。それなら、スキマ時間にできるところまで細分化しておき、ちょこちょこと片づける方が前に進める。なるほどなあ、と納得した。
「目標設定」についてもわかりやすい。まず「ゴール地点(理想像)」を決めるのだが、ここを具体的に答えられる人は少ないのだそうだ。
「あなたにとって片づけのゴール地点は?」とたずねると「きれいな家にしたい」「リビングをスッキリさせたい」といった、漠然とした答えが返ってくることがほとんど。
そこで「具体的な答を導き出す」ために著者が考え出したのは「困っていること、ストレス」を書き出し、ひっくり返す方法。
例)
× 「クローゼットを片づけたい」
○ 「クローゼットが散らかっていて、毎朝着たい服が見つからない」
スタート地点 「クローゼットが散らかっていて、毎朝着たい服が見つからない」
ゴール地点 「毎朝着たい服がすぐ見つかるクローゼットにしたい」
一番印象に残ったのは次の言葉だった。
「リバウンドはちょい置きから始まる」
ひとつだけならいいだろう、ちょっとだけならいいだろう、という油断があっという間にまた散らかる原因になるのだそうだ。
さらに、「ちょい置きしてしまいやすいもの」というのは、決めた「住所」が合っていないというヒントにもなるという。
この考え方は私にはなかったので、これならリバウンドしかかっても、プラスにできそうだ。
これならできるかも、というのが読後の感想だった。
さすがは片づけが苦手で汚部屋出身の人だ。かゆいところに手が届く内容。わかりにくい、むずかしい部分を徹底的に「細分化」してある。
記事には書けなかったが、他にもいろいろな工夫がたくさん。本もカラーで読みやすく、とてもわかりやすかった。
ちゃんと取り組むには、ぜひ買って始めてほしいと思い、☆5つにした*1。
あな吉さんが監修されていることもあり、「あな吉手帳術」の入門編としても使えそう。
ただ、私はあな吉手帳術をしばらく実践していたこともあってすんなり納得できたが、「あな吉手帳術は初めて」という人がこの本を読んでどこまで手帳を使いこなせるかは未知数。
「片づけたい!」が最優先の人はこの本から読んで、よくわからないと思ったらあな吉さんの本を読む、という順番で読めばいいと思います*2。
私のアクション:「あな吉手帳術」を再開する♪
■レベル:離 「片づけの本」としては変わったアプローチなので。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
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