毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

家計管理の目的は、「1円でも純資産を増やすこと」☆☆☆☆

 

「持ち家か賃貸か」「戸建てかマンションか」…ついに正解がわかった――金融・経済サイト「マネー現代」
書いたのはこの本の著者・林總さん。

 

著者によれば、「持ち家の方がいい」そうだ*1
記事を読んだ時にお名前を見て、以前この本を読みたかったのに図書館の予約が多すぎてあきらめたことを思い出した。

 

今回改めて調べたところ、待たなくても大丈夫そうだったので、さっそく借りて読んでみた。
理論的にはなかなか面白かった。

 

◆目次◆
はじめに
第1章 家計管理の目的
第2章 家計の実態を把握する
第3章 予算を立てる
第4章 管理不能支出を深く見直す
第5章 管理の手順
第6章 中・長期の家計管理
第7章 おさらい〜価値と幸福とお金の関係
あとがき
付録 「正しい家計管理」体験記

著者の本業は企業の会計管理の専門家。家計の相談を受けるファイナンシャルプランナーとは違う。


なぜそんな人が家計の本を?と思うが、著者によれば「家計管理は、会社の会計管理と同じやり方でできる」そうだ。
むしろ、同じやり方をすることでうまく行くという。
それが、この本が類書と違う画期的なポイントと言える。

 

「管理不能支出」という語句にとてもインパクトがあった。
これは、契約によって支払いが強制されている支出のこと(住宅ローンや家賃、水道光熱費の基本料など)。主に銀行の口座引き落とし。
これに対し、「管理可能支出」は、支払いに強制力がなく、毎月増減する支出のこと(食費、被服費、美容費、自動車関連費など)を指す。主に現金支出になる。
削るべきは、「管理不能支出」。いわゆる「節約」をするよりも効果大だそうだが、これはわりとよく聞く説だろう。

 

さらに、「貯蓄は義務」だそうだ。ドラッカーの言葉が時々引用されていることもあり、読んでいてとても新鮮だった。従来の家計管理の本とはかなり毛色が違った。

 

スタートは家中の小銭、忘れている通帳などすべてを洗い出し、ローンなどのマイナス資産も含めた財産目録を作ることから。これは、会社の貸借対照表に当たる。
これは、慣れるまで毎月チェックする(一度作れば手間はぐっと楽になる)といいそうだ。

衝撃的だったのは「家計管理の目的」について。
その目的はただひとつ。「1円でも純資産を増やすこと」だという。

 

そのために、さまざまな準備をし、毎月いろいろなプロセスをくり返す。
目的がはっきりしているのはよさそうだ。記録し、集計するのも、純資産がいくら増えているかを見るため。
そこさえわかればいいのだから、とてもシンプルだ。

 

ただ、具体的に毎日・毎月何をするか、というところまで来て挫折。
正直言ってかなりの手間なのだ。
予算ごとに封筒に分けたり、財布を分けたり、記録を残すために必ず口座を経由させるなど。
たとえば、通帳に記録が残るから簡単なのかもしれないが、4人の息子さんのお小遣いをそれぞれの通帳に振り込んで引き出させる(しかも毎月振り込むのは奥さんの役割)というやり方は、さすがに誰でもできることではない。

 

著者は「これは管理するために必要なので慣れてください」というスタンスで、一切の妥協なし。
確かに、会社の会計を指導する時に「面倒だから簡単な方法ないですか?」と聞かれることはないし、定められたやり方を遵守するのが基本だからかもしれない。
しかし、家計管理は仕事じゃないので、片手間にできなければ続かないし、続かなければ意味がないのだ。

 

ほぼ同時期に読み始めた『1日1行2年で350万貯めた あきのズボラ家計簿』の方が、簡単でやりやすそうだったので、こちらを実際にやることにし、後半は斜め読みで終了。

 

理念は素晴らしいが、もう少し簡単ならよかったのに。
巻末にこの本の関係者(担当者やライターさんなど)4名の体験記が載っていて、面白い。
先に体験記を読んで「できそう」と思ったら、本編も読んでみるといいかもしれない。

 

家計管理を会社の会計管理と同じしくみで考えるというのはとても面白かった。
複数の体験記を読んで、独身で実家住まいの人や、ひとり暮らしの人はそれほど苦労せずにできていたので、若い人が今のうちに家計管理リテラシーを身につけるのにやるのはいいかもしれません。
前半を読むだけでも勉強になりました。

私のアクション:クレジットカードの支出を、会社での「経費の立替」と同じと考え、すぐに精算する
■レベル:破 

※この本のメモはありません

 

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*1:その理由は、「年金生活になってからの家賃は負担が大きいし、新たに賃貸契約を結ぶのも難しくなるから」