自分はもしかしてHSPかも?と思った数年前。解説書を読んでみたものの、当時はどうもピンと来ませんでした。
たまたま、ネットでこの本のことを知りました。
今までは「敏感すぎる人」という扱いだったけど、この本では「繊細さん」。ちょっといいかも、と思いました。Kindle Unlimitedにあったので*1いそいそと読んでみました。
とても気持ちがラクになる本でした。
◆目次◆
はじめに
第1章 繊細さんがラクになれる基本
第2章 毎日のストレスを防ぐカンタンなワザ
第3章 人間関係をラクにする技術
第4章 肩の力を抜いてのびのび働く技術
第5章 繊細さんが自分を活かす技術
おわりに
こんな本です
著者の武田友紀さんは自らが「繊細さん」。ご自身の経験を踏まえて、現在はHSP専門カウンセラーとして活動されています。
「繊細さん」はさまざまな刺激に反応するため疲れやすい。ついつい自分を鈍感にしようとか、感覚を閉じよう、になりがち。
でも、この本は
「繊細でストレスを感じやすい人が、繊細な感性を大切にしたまま、ラクに生きる方法」を書いた本です(P3)。
繊細な人は、むしろ自分の繊細な感性をとことん大切にすることでラクになり、元気に生きていけるのです(P4)。
といううれしい言葉が。
今まで「何でこんなに敏感なんだろう」「どうして、いちいち反応しちゃうんだろう」とネガティブに捉えがちだった自分の気質を、長所に思えるようになる本です。
読んだのは、職場の人間関係に心底うんざりしていた時期。
当時、心に染みたポイントを3つご紹介します。
※繊細さん(HSP)とは…武田さんご自身のサイトでご覧ください。
sensaisan.jp
ポイント1 自動応答を切る
心身ともに健康に働くためには「対応すべきことを自分で選ぶ」「致命傷でなければ、対応せずに放っておく」ことがとても大切なのです(P173)。
この言葉を読んで、おどろきました。いいんだ、それで?!
当時の職場では、私ともうひとりが「繊細さん」だったと思います(確認していないので推測)。
もうひとりの「繊細さん」は、「転ばぬ先の杖」を周りにやり過ぎて、疲れ果てて辞めていきました。
先回りして予測するのが得意な私たち。誰かが転ぶかも、と思った瞬間、どうかしたら一歩踏み出す瞬間に察知して手を差し出します。
本人に「転ぶかも」という予測は1%もないでしょう。
※もちろん、これはたとえです。本当に肉体的に転倒するケースではありません
すると、「何だかよくわからないけどうまく行っちゃった♪」で終わってしまうんですね。
私たちの行動は、気づいてもらうことはありません。そのうち、「あって当たり前のもの」になってしまう。
別に感謝してほしくてやってるわけじゃない。ただ気がつくから反射的にやってしまうだけ。
でも、それをずっと続けているとすり減ってしまいます。
それを予防するのが「自動応答を切る」。
「気がつく」と「対応する」を分けてしまうのです。
繊細さんにとって気づくのは自然なことなので、ここはそのまま。
「気づく」=「対応する」という自動応答を切るのです。
気づいた時に、対応するかどうか、対応するならどの程度かを自分で決めます。
自分でコントロールできるので、「振り回されてヘトヘト」にならずにすむんですね。これは大きい。
先ほどのたとえでいえば、
転ぶ前に助けるのではなく、転んで「助けて!」と言われてから手を差し伸べるのでOK
ということです。
ポイント2 殻を破って素を出した方がラク
ちょっとショックだったのがこちら。
自分を出さないようにして「殻」をかぶっていると、その「殻」に合う人が集まってきてしまうのです(P97)。
今まで相手を優先して自分を出さないようにしていたあなた。自ら疲れる環境を作っていますよ。
自分の意見を言ったり、感情を素直に顔に出したり、嫌な誘いは断ったりしてみましょう。
あなたの「殻」が好きだった人が去って行き、素のあなたを大切にしてくれる人が残ります。
無理はしないのが一番ですよね。
ポイント3 自分の繊細さを信じる
自分の繊細さをやっかいなもの、扱いにくいものと思ってきた人がほとんどのはず。
でも、自分の「繊細さ」を信じると、力を発揮してくれます。
繊細な感性を信頼すると、嫌なことにそもそも遭遇しにくくなります。繊細な感性をコンパスに、自分にとっていいもの、悪いものを見分けることで、自分を雑に扱う人と距離をとり、自分に合わない職場は選ばないようになるからです(P222)。
そのためには、自分の本音に気づき、それを大切にすること。
繊細さんが、自分のままで元気に生きる鍵。それは、自分の本音――「こうしたい」という思いを、何よりも大切にすることです(P221)。
今まで「繊細さ」を押し込むことにエネルギーを使い、本音をキャッチすることは後まわしにしてきた私たち。
まず、自分の本音に耳を澄ませてみましょう。
本音を聞き取る方法も、この本に載っています。
まとめ
自分の力を発揮するには、安心できる場所にいることが大切。
自分の中に、自分の居場所を作ること。自分の味方でいること。
それが、人とあたたかく関わるために一番必要なことなのです(P155)。
自分の本音を知り、それを活かしましょう。
自分の繊細な感覚を守る方法や本音をキャッチする方法など、今まで抑え込むことばかり考えていた人には新鮮な内容です。
ぜひ、「繊細さ」を長所として認めてあげてください。それが第一歩。
ここでは紹介できませんでしたが、パートナーとのつき合い方や、日々の対処方法、転職についてなど、「繊細さん」が直面する悩みはほぼカバーしていると思います。
自分の「繊細さ」が好きになれない方は、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:自分の本音を聞く癖をつける
■レベル:守
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
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※最初に読んだHSPの本
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*1:2018年12月当時。現在は有料です。ご注意ください