快・不快コード(P46)
「快」とは自分にとって心地いい、気持ちいい感覚のこと、「不快」とは自分にとって心地悪い、気持ち悪い感覚のことを示す。本能的・直感的に感じる心地よさと心地悪さと言ってもよい。つまり、ヒトは本来、コンピュータのバイナリコードと同じように、心地いいか/悪いかの判断の連続で生きている。その最たる例が野生動物。野生動物は心地いいと感じたことを行い、心地悪いと感じたことは行わない。ヒトも基本的には他の動物と同じ脳構造のため、「快か不快か」を基準に生活するべきだが、「快と感じるのに、周りを気にして我慢する」「不快と感じるのに、責任があるからやめられない」など、本来の「快・不快」をねじ曲げた行為を続けていると、バグが生じる。
そうした本来のコードに狂いを生じさせるバグが起こることで、その人が起動しなくなる状態が「無気力になる」あるいは「動けなくなる」状態であると捉える。
そうすると、ヒト本来の「快・不快」に狂いを生じさせる正体(バク)は何か、という観点が持てる。さらにその観点を持つことで、「無気力になる」「動けなくなる」原因にアプローチできる。
万能感を働かせていないか(P50)
「万能感」とは…自分主体の考え方になっていて、すべてを自分の思い通りにさせようとする感覚のこと。万能感を持っている人はものごとを自分基準で「ジャッジ」する癖がついている。「快か不快か」という基準でものごとを捉えるのではなく、「快だけど周囲から反感を買うと判断してあきらめる」「不快だけど今やめたら努力が無駄になると思って我慢して続ける」など、自分のジャッジで「快・不快」をねじ曲げてしまい、バグが起きている。
万能感には恐れと自信の両方がある(P53)
仮に「それ」を実行できても期待どおりに事は運ばないかもしれないのに、それをしたら「うまく行くはず」とジャッジしてしまう習慣こそ…「万能感」。さらにその「万能感」があることで、うまくいくところの予測が外れることをとても恐れている。自信があればあるほど、外れた時の怖さがあるとも言えるので、強い恐れと同時に強い自信もある、ということになる。
万能感が蓄積されると、不満が増幅する(P54)
万能考え増えるほど他人への不満も蓄積され、相手への怒りの幅も広くなってしまう。つまり、万能感があればあるほど物事が停滞してうまく進まなくなり、「動けなくなる状況」を招いてしまう。
(中略)
「不快」をやめない限り、「快」は見えてこない(P55)
ジャッジを続けていると、知らず知らずのうちに「不快」なことばかりをし続けてしまう。嫌なことがやめられないループにはまってしまう。だからこそ、「不快」なことをやめれば、やりたいこと、つまり「快」が見えてくる。
ヒトの恒常性(P57)
一方に触れる力の大きさが大きいほど、それと同じぶん、反対の方向に触れることで、ちょうど中間に引き戻そうとする力がヒトには働いている。
これで「絶対に」うまくいくはずだという思いがしっかりしているぶん、それが外れた場合、「絶対」や「完璧」とは反対の方向――人生の全否定――に思いが振れてしまう。
習慣で身につけているこの「絶対」や「完璧」という考え方こそ万能感につながっている。
万能感が無気力を生む仕組み(P58)
ヒトは本能的に「心地いいか/悪い」をもとに生きている。ところが、このコードを「快・不快」ではなく、「正しい・間違っている」「良い・悪い」を基準に入力してしまうと、人間本来のコードとは違うために、データがぶれて故障が生じる。その故障が、いわばバグ(動けなくなってしまう状態・無気力状態)であり、万能感がそのバグを招いている。「正しい・間違っている」コードや「良い・悪い」コードとは、起きている出来事に対して自己流の判断を下したりアレンジしたりしてしまうことと同じ。
バグを起こさないためには(P59)
次々に起こる事態を意識で判断しようとせず、とにかく自分にとって快か不快かを本能のまま感じ、「これは快」「これは不快」とそのまま受け取ることが重要。慣れてくると、何ごとにも「快・不快・快・不快……」と感じたままに流していくようになる。絶えず「快・不快・快・不快……」と感じる状態でとどめ、それ以上の意識を働かせないこと。
(中略)
「間違っている」とか「正しい」などと、自分で判断しないこと。不快と感じたものは避けていいし、快ばかり感じようとしていい。つまり、おいしいと感じるものを食べ、まずいものは避けていい。
心のバグを取り除くには、万能感を捨てていく(P60)
「快・不快・快・不快……」の流れを途中で断ち切って、自分のせいにしたり自分で判断したりするという感覚が、万能感。心のバグを取り除くには、万能感をなくしていく(捨てていく)ことが大切。
万能感とホルモン分泌の関係性(P61)
ジャッジすることが習慣化し、万能感を発揮し続けることは、ノルアドレナリンが多く分泌される状態を生み、ホルモンバランスを崩すことになる。
反対に、快の感覚をよく味わい大事にした生活をしていると、セロトニンの分泌が増大するので、無気力な状態は解消される方向に向かう。
万能感を捨てるには田舎で暮らしてみる(P63)
田舎では自然に囲まれて暮らすことで、自分の思い通りにならないことをより多く経験できる。その意味で、田舎の方が都会より万能感に支配されづらい状態でいられる。
1日1回、時間を決めずに、自分のために「快」と感じることをする(P65)
毎日、それをすることでワクワクするか、「快」を感じるか確かめる。
結果的に、同じことをするのが何日続いてもOK。
「快」と感じるものを決めるのはその日のお昼前に(P66)
朝はまだ交感神経が活発に働いていないので、「決める」という行動には不向き。昼ごはんを食べる前の、空腹で交感神経もよく動き出した時に、その日の「快」を決める。