河出書房新社( 2018/09/13)
¥ 1,540
※ [Kindle版] はこちら
【2019/12/04UP】
きっかけは書店で。
もともとは近著の『人生を変える 記録の力』を買おうかと思い、見に行きました。
今の私にすぐ必要ではないと判断し、DaiGoさんの他の本を見ていたら、ある本の広告にこの本が。
これが私に即必要な本だ!と思ったものの、残念ながら在庫なし。
他の書店に行く前に、カーリルで調べてみたら、案外早く借りられることがわかり、とりあえず借りて読んでみました*1。
直感は大切にするものですね。ドンピシャな本でした。
◆本の目次◆
はじめに
1章 計画にまつわる3つの誤解
2章 科学的に正しい計画へと導く、たった1つの原則
3章 計画どおりに進めるための7つのテクニック
4章 計画倒れを招く4つの落とし穴と対処法
5章 計画実行にまつわる悩み対策Q&A
6章 必ず目標達成できるパーフェクト・スケジュール
おわりに
とにかく私は計画を立てるのが苦手。今日明日のことは何とかできても、長期目標になったらもうお手上げです。
この本を読んで、なぜ私が失敗ばかりしているかよくわかりました。
- 同時にいくつも目標を立ててしまい挫折
- 常にマルチタスクでヘトヘト
- 「すべてがうまく行く」という理想で計画するので、必ず横やりが入る
- ポジティブシンキングでできた気になってしまい、実際には行動せず挫折
…と目を覆いたくなるような現状ですが、「計画を立てても達成できない」という人には心当たりがあるはずです(私は合わせ技でかなり重症)。
DaiGoさんによれば、計画を立てるのに必要なのは「段取り力」。
そしてうれしいことに、この「段取り力」は、誰でも正しい方法を学び、実践することで身につけられるのです。
…うまく段取りを立てられるようになると、人生が楽になっていきます。
なぜなら、科学的に正しい段取りの整え方を身につけると、あなたが本当にやるべきことだけに集中できる状態が手に入るからです(P4)。
特に印象に残った3つをご紹介します。
MACの原則
- M=Measurable(測定可能性)=目標(ゴール)が数字として測定可能なこと
- A=Actionable(行動可能性)=目標(ゴール)を正確に把握し、そこにたどり着くまでのプロセスを明確に書き出せること
- C=Competent(適格性)=目標(ゴール)を達成することが、自分の価値観に基づいていること
SMARTの法則なども有名ですが、MACの原則のポイントはC。自分の価値観に合っていなければ、やる気が出ない、続かない結果になりやすい。
目標そのものが自分の価値観に合致しているか、手に入る成果が自分にとって意味のあることか、数値化、プロセスの具体化と並行してコンピテントを確認し、納得感を得ているかどうかが、段取りのための段取り*2の最重要ポイントとなります(P75)。
実際に、DaiGoさんは超魅力的なオファー(年収にして1億!)を、自分の価値観に合わないという理由で断ったそうです。
ポジティブ思考だと失敗しやすい?
ポジティブシンキング、大好きです。前向きな気持ちでいた方がいい結果になりやすいと思い、ふだんから心がけていました。
ところが、目標達成のためには何とマイナス。
- ポジティブに考える
- 脳は現実とポジティブな想像の区別がつかないので、勝手に「目標をやりとげた!」と勘違いする
- 行動を起こす前に、モチベーションが下がっていく
- 段取りどおり進まず、目標の実現に失敗する(P81)
という残念な結果に。
それを避けるために勧められていたのが「疑問型セルフトーク」。
1.「自分はできる!」を「自分は本当にできるのか?」に変換
→脳が目標を現実的なものとして考え出す→目標をメジャラブルにする助けとなる
2.「自分はできる!」を「なぜ自分はこれをしたいのか?」に変換
→「なぜ?」を問うことで、自分の価値観を掘り下げる→コンピテントを探る助けとなる
3.「自分はできる!」を「どのように自分はこれをするのか?」に変換
→脳が目標設定のための具体的なアクションを考え始める→アクショナブルな思考を助け、プロセスが明確になる
4.「自分はできる!」を「いつ自分はこれをするのか?」に変換
→時間的なゴールを設定する→目標がさらにメジャラブルになる助けとなる
5.「自分はできる!」を「もっとうまくやるには?」に変換
→目標をよりよいものへと引き上げる→アクショナブルなプロセスを作ることができ、具体的で実現性の高い段取りを立てる助けとなる(P83)
さらにポジティブなイメージングの代わりに勧められているのが「コーピングイマジナリー」。
これは、想定される最悪のケースを想像するというもの。最悪の状況を思い浮かべ、そうならないための対策を入念にしておくことで、不安感を遠ざけることができる。
やっぱりおすすめは「シングルタスク」
「マルチタスクは脳への負荷が高いだけで、結局はムダ。シングルタスクの方がいい」というのは、最近よく見かけます。もちろんこの本でもシングルタスク推奨です。
個人的には「どうやってシングルタスクひとつに絞るか」という方法が面白かった。
簡易版GTDみたいです。
1.まず、今までどおりのやり方でToDoリストを作る。思いつくままやることを全部書き出す。
これ以上書けなくなったら、手を止める。2.次に数分で片づくような「やること」を削る。例)「○○さんに電話をかける」「○○さんにメールの返信」
ToDoリストの50%を占めると言われる「すぐ終わる項目」をあらかじめ消してしまう(すぐ終わることからやって「できた!」と偽の達成感にひたらないため)。3.続いて、ToDoリストに41%ある、と言われる永遠に終わらない項目を洗い出す。未来に向けてやった方がいいと思っているけれど、実際に行動に移す可能性は低い「やること」を消す。
4.こうして残った項目から、本当に大事だと思える1つの項目だけを選び出す。
そして行動に移す。それが終わるまで、他の残っている項目には手をつけないこと。
※表現の変更、省略や追記をしています
特に印象に残った3つを挙げましたが、まだまだ魅力的な内容がいっぱいです。
すべてエビデンスがあり、DaiGoさんが実践して効果を実感したものばかり。
参考文献はすべて英語でした。これだけの日本では手に入りにくい情報をギュッと1冊で読めるのだから、本当にありがたい本です。買います。買いました!
計画が苦手な人、なかなか思うように実行できない人は必読です。
私のアクション:「シングルタスクひとつに絞る方法」を試してみる
■レベル:破 ※むずかしくありませんが、最新理論がぎっしりで内容が濃いので
※この本のメモはありません