「満月理論」(P22)
夜空をあおいで三日月が浮かんでいるのを見た時、そう見えるだけであって、本当の月は何ひとつ欠けていない「まんまるなお月さま」。それと同じように、私たちは「どこか欠けて見えてしまう」のですが、実は満月のごとく、誰ひとりとして例外なく「完全完璧、まんまるな存在」なのです。
(中略)
なぜ、自分(あるいは他人)を三日月のように見てしまうのか……。それは「親子関係」などにより刷り込まれた「過去の記憶」が、不安や恐れといった感情を生み出し、足りないところに目がいく習慣を強化しているからです。
「ネガティブ=悪いもの」ではない(P26)
あなたにとってネガティブが悪いものだと思っていたとしたら、それは真実ではありません。「本当の自分」で生きられるようになると、ポジティブでもネガティブでも、目の前で起こる出来事に対して主観や感情を持ち込まず、本来のありのままの姿をキャッチできるようになります。
現実を俯瞰して眺められるようになれば、こんな思考回路が働くようになる(P49)
1.起きたことは、すべてよかった
2.今現在、なんとありがたいことか
3.だから未来はよくなる
うつに苦しむ方の多くは、莫大な負の感情を自分の内側に溜め込んでいる(P64)
その感情を抑え込むことに相当なエネルギーを消費しているため、心が疲弊し、無気力症状に見舞われてしまうのです。その意味で、感情を素直に表現してアウトプットするだけでも、うっ症状の改善に大きく役立つことがあります。
マイナスの「心のゴミ出し」のあとに、必ずプラスの、ポジティブな「心のゴミ出し」も行う(P65)
ありがたかった体験、うれしかった体験、楽しかった体験を「○○さん、○○してくれてありがとう」「○○さん、あの時はうれしかったよ」「○○さん、楽しい時間を一緒に過ごしたね」といった感じで、その場面を思い出しながら書き出していきます。
じつは、こうしたポジティブな感情も「心のゴミ」であり、「本当の自分」と出会うためにはどんどんアウトプットした方がいいのです。
ポジティブであれ、ネガティブであれ、その時に感じた自分の素直な気持ちを吐き出す(P66)
「楽しかったな」「うれしかったな」「つらかったな」「嫌だったな」と吐き出すことが『心のゴミ出しワーク』のコツ。
苦しみの大半は「過去の記憶」の作用による「取り越し苦労」か「持ち越し苦労」(P125)
取り越し苦労とは、まだ起きていないことを心配して不安に思うこと。持ち越し苦労とは、すでに終わったことを後悔して悩むことを指します。どちらにしても、過去や未来といった、今現在起こっているわけではないものに振り回されているわけです。
(中略)
取り越し苦労によって心配する未来も、持ち越し苦労によって後悔する過去も、すべては夢か幻です。「過去の記憶」から作られる固定観念により、ありもしない現実を妄想しているに過ぎません。
うつ病の原因は「愛の不足感」(P140)
つまり、心が愛で満たされることで根本的な解決がなされるのです。