毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]高知能者のコミュニケーショントラブル☆☆☆☆ 

※Kindle版のみ
【2020/12/25UP】

HSP/HSSのなおさんのサイトで知った本。
iju-joshi.com

IQが高い自覚はなかったんですが*1、社会に出てからの悩みや疑問が、この本を読んで一気に氷解しました。

あまりに周囲と話が通じなくて、理解できないことで怒られ続けると「自分はバカなのかもしれない」と思いますが、もしかして逆かもよ?という本です。


※私自身にも言及しています。自慢話に聞こえる可能性もあるので、苦手な方はパスしてください。
※かなりエッジの効いた内容なので、この記事もいつもとは雰囲気が違うかもしれません。ご承知おきください。


  • ポイント1 あなたは「チンパンジーの群れに放り込まれた人間」かも
  • ポイント2 IQ130だと話が通じるのは4人に1人
  • ポイント3 合わないと思ったら合う環境に移っていい


◆目次◆
まえがき:「IQが20違うと会話が通じない」は本当か
第1章 知能が高くなると友達が減る
第2章 高IQから見た世界(非対称コミュニケーション)
第3章 摩擦の原因は「マウンティング目的の会話」
第4章 みにくいアヒルの子 - 高知能児の苦悩
第5章 高すぎる知能は一種の障害
第6章 序列社会になじめないサル
第7章 高IQを扱えなくなった日本社会
第8章 高知能者の幸せな生き方
あとがき:人間社会の生態系 - 健全な多様性とは

こんな本です

安間伸(あんま しん)プロフィール
著者のプロフィールは載っていませんでした。お名前で検索したら本業は投資家のようです。


サブタイトルは「IQが20違うと会話が通じない」。衝撃的です。
でも、それが本当なのだ、ということが読んでいくうちにわかります。

「高知能者はどう生きていくのが賢いのか?幸せになれるのか?」という考察をまとめた本。


著者は「孤独感や疎外感に悩んでいる高知能者の人生を理解し、少しでも助けてあげたい」と思い、この本を書きはじめたそう。
ご自身は「高知能者ではない」と書いてありますが、おそらくご自分の体験もかなりあるのではないでしょうか。

ポイント1 あなたは「チンパンジーの群れに放り込まれた人間」かも

チンパンシーはたとえ。
IQの高くない集団に、高い人がひとりだけ混じってしまうと、序列最下位になります。
その理由は「ルールが違うから」。


チンパンジーの群れでは誰が上位かが一番大事。マウンティングが大事。
言葉すらマウンティングのために使われる。


この集団では「意見は上から下に伝えられるべきもの」なので、高知能者にとって当たり前の「意見の交換」ができません。

「意見」「質問」「事実の指摘」は自分の権威に対する挑戦と受け止められてしまい、

よくも俺様に「意見」しやがったなああ!

と集団いじめのターゲットに。

ポイント2 IQ130だと話が通じるのは4人に1人

この本の定義は

「やや高IQ」…知能指数110から130ぐらいまで
「高IQ」…知能指数130から150ぐらいまで
「超高IQ」…知能指数150超

となり、高くなるほど生きづらさが増すようです。


IQが20違うと話が通じません。
しかも、上から下には合わせることができても、下から上に合わせるのは無理。
つまり、知能が高い人ほど相手に合わせることになり、負担が大きくなります。


表紙写真は、「IQが高くなるほど、話が通じる人が減る」を図示したものです。
f:id:yasuko659:20201226185914p:plain
――「何も考えずに楽しくしゃべって、意思の疎通を図る」という、ごく簡単で当たり前と思っていたことが、ものすごく貴重だったとしたら?

私は上の定義だとおそらく前出のなおさんと同じ、高IQグループ*2。4人に1人しか話が通じないことになります。


この定義を見て、妙に納得しました。
いつも「どう言えば伝わるか」を考えてきた原因はここにあったのか。
だから言い換えとか前置きとか、そういうものが一切不要な人と話すことがあんなに楽しかったのか。

IQが高くなるほど、友人を見つけるのはむずかしくなりそうです。特に社会に出てからは。

ポイント3 合わないと思ったら合う環境に移っていい

「みにくいアヒルの子と思っていたら実は白鳥だった!」ということかもしれないよ、と著者は言います。

今、周囲の人とコミュニケーションがうまく取れないと悩んでいるあなた。
その原因は知能が違いすぎるからではないか
と考えてみると、少しは気が楽になるかもしれません。

「高知能者とトラブルがなく、そうでない人とトラブルが起こる」場合は、自分が高知能者である可能性が高い。


もし、「自分は高知能者かも」と思ったら、普通の人とは「和して同ぜず」が仲良くやるコツ。

あなたの周囲で頭がよいと思われている人は、たいがい物腰が柔らかくて性格が良い人に見えませんか?

普段はあまり怒ることがなく、小さなことは気にしない方ではありませんか?

しかしその中にも一本芯が通っているように見え、強く意思を通すときがありませんか?

これこそが孔子の「和して同ぜず」を実践する姿だそうです。


それでも周りとトラブルが起きたり、辛かったりするなら、環境を変えればいい。
白鳥は白鳥の群れに合流すれば、自分をそのまま出しても安全です。

まとめ

「IQ120くらいの人がリーダー向き」なのだそう。

上位10%以内に入る知能を持ち、かつ知能が比較的高い約5割の人々とコミュニケーションできる

のがその理由。
ぜひその辺りの方にはリーダーシップを発揮してもらいたい。


高知能のお子さんをどう育てるか、逆にアヒル一家に自分だけ白鳥だった場合の対処法にも、言及があります。


社会に出たとたんつまずいた人、「自分はバカかも…」と思ってしまった人、話の通じる人がいなくて孤独を感じる人は高知能者の可能性あり。
ただし、かなりキレッキレな書き方(おそらくベースは5ちゃんねる(旧2ちゃんねる))なので、好みは分かれると思います。

ピンと来た方はぜひ読んでみてください。
私と同じく、救われる人がひとりでも増えますように。

事例:私の場合
  • 小学校転校後と中学は悲惨。今思うと、頭のいい子は全員いじめ対象だった気がします(まさにルールが違う世界)

クラスに話の合う人がおらず、他クラスの学級委員仲間と話すのが唯一の救い。休み時間は教室にいませんでした。

  • 高校・大学はパラダイス。私のいた地域は、公立高校は単純に成績で進学先が決まるため、IQがほぼ同じ生徒が揃っていたと思われます。

いじめもなく、「話が通じない」経験はアルバイト先以外なかった。

  • 社会に出てからがまた悲惨。アパレルでもないのにお局様のマウンティングで苦労したり、脳筋の上司によくわからないことを強要された上にミスを押し付けられたり。

これは2の方に書いてあったと思うのですが、高知能者は仕事が速いので周りに仕事をどんどん押し付けられ、力尽きて潰れてしまうことが多いそう。おそらく、私もそのタイプだったんでしょう。
その結果、転職をくり返すジプシー状態に。

  • 今の職場でも入社直後は話が通じずに一方的に責められる日々が続く。「自分はバカなんじゃないかと思う」と身内に発言して真剣にあきれられた

特に以前の上司とは致命的に話が通じず、どう言えば真意が伝わるのか苦労した。
今の上司に変わってからは、すぐに意図を汲んでもらえるようになったので、ものすごく仕事がしやすくなりました。


前の上司はお嬢様学校卒、今の上司は旧帝大卒。
それで「もしや…?」と思っていたところ、この本のことを知りました
学歴とIQはイコールではありません(高知能過ぎる場合は特に)。でも、ある程度の目安にはなる気がします。


転職をくり返すと「忍耐力がない」「協調性が低い」などとマイナス評価をされ、その後の人生が暗転しやすいですが(今は変わっているかも)、がんばりすぎて燃え尽きたり、仕事を大量に押し付けられた末に体を壊したり、というケースもあることを知ってほしい。
本人の資質の問題ではなく、むしろ能力があったために追い込まれた人を評価してくれるシステムができることを願います。
私のアクション:話がかみ合わない、と思ったら「差が20以上?」と仮定してみる
■レベル:離 
※この本のメモはありません

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■「自分はバカかも?」と思っていた頃に読んだ本。なつかしい
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*1:学校でテストは受けたものの、具体的な値は教えてもらえなかった世代

*2:グループごとに例が出ているので、それで判断