食前セレモニー(P80)
1.食べる前に気持ちを整える。
2.食べ物をよく観察し、それの「由来」を想像する(1と2で30秒かける)。
3.呼吸に注意を向け、それに伴う身体の感覚を意識する。
4.「どれくらい食べたいのか」を10段階の数字で表す(空腹度バロメーター)。
5.食べ物をじっと見たり、かいだりした時の身体の反応を確かめる。
6.「なぜ食べたいのか」に思いを巡らす。
マインドフルネスのエッセンスは単純(P54)
意識して“いま”に注意を向けること――これだけ。
大人になってから肥満になった人は、マインドフルネスのレベルが低い(P59)
つまり、“いま”に注意を向けておくのが苦手。
砂糖とコカイン、快楽度が高いのはどっち?(P65)
正解は砂糖。『食べる』ことは、私たち生き物にとっては何よりも大事。だからこそ、私たちの脳は、うっかり食べることを忘れないように『食べること』と『気持ちいいこと』が強く結びついている。
2つの車輪が「やせられない脳」の原因(P67)
私たち現代人の快楽中枢はどこかで『脱線』している。快楽中枢の脱線は『2つの困った車輪』のせいで起きている。それが『習慣』と『依存』。
習慣が引き起こす『自動運転』から抜け出すコツは『間』を作ること(P84)
食べ物を出されてから実際に食べるまでに『間』を作る。ゆっくりと料理をするのも、食べるまでの『間』を作っているという意味では同じ。脳の『自動運転』はこういう間(ブレーク)に弱い。
「空腹のWHYチェックリスト」を作る(P97)
私たちが『食べ過ぎ脱線』を起こす原因のほとんどは、カロリー不足以外のところにある。別の『満たされなさ』が空腹の形を取っている。そこでまずやってほしいのが、空腹の正体を見極めること。
『いいね!』がほしくなる正体(P119)
SNSで『いいね!』をもらえばもらうほど、もっともっと『いいね!』がほしいなという気持ちになる。これは基本的には『もっと食べたいな』という気持ちと脳科学的にはさほど変わりがない。
(中略)
私たち研究者は、このような強い欲求のことを『クレーヴィング(craving)』と呼んでいるが、クレーヴィングが高まっている時には、脳の中でも後帯状皮質という部位が活性化する。そして、呼吸フォーカス法のようにマインドフルネスを継続していると、後帯状皮質の活動が低下し、『もっとほしい!』という強い欲求に流されないように、脳が変化していくことがわかっている。
食べたい衝動に名前をつける=クレクレチョコラ(P122)
もしもみなさんの中に『もっと食べたいな~』という気持ちが顔を出したら、『あ、またクレクレチョコラが暴れているな』と思ってみよう。クレーヴィングを無理やり押さえつけたり、見て見ぬ振りしたりしようとするのもよくないが、何より大事なのは、欲望と自分を同一視しないこと。クレーヴィングと自分をしっかり切り離して、それを客観視できるようになることが第一歩。
一番のポイントは、衝動の波と戦おうとしないこと(P134)
衝動が持っているエネルギーそのものをよーく観察して、相手の力に逆らわないでいくこと。欲求がそこにいることを許す。
『耐える』のでも『戦う』のでもなく『受け入れる』(P138)
食べたい衝動やそれに伴う感覚が、自分の中にあることを許可する。
…脳科学的に見ても、「食べたい欲求」に抗うと、例の後帯状皮質の活動がアップしてしまう。
そうなると結局、食事を摂った時には脳の腹側被蓋野が刺激され側坐核からドーパミンが出る回路がもっと刺激される=快楽中枢のループに、火に油を注いでしまう。
永遠に続く衝動はない。必ず波は力を失い、砂浜にたどり着く。
まずやるべきは「自分にやさしくなる方法」(P175)
自分が満たされないままでは、他人に感謝をしてもなかなか本来の効果は期待できない。まず自分を先にケアする。そのあと初めて、他人をよりよくケアできるようになり、さらに自分が満たされる。
大切なのは「怖がるのをやめること」と「好奇心を持つこと」(P182)
…自分を守るために作った『枠』そのものが、私たちに多くのストレスを生み出している。だから必要なのは怖がるのをやめること。何が起きるかを『予測』しようとしないこと。波があちらから来るのを待つサーフィンと同じ。
(中略)
恐怖心を乗り越える唯一の方法は『好奇心』。向こうからどんな波がやって来るか、それを楽しみにする。どんなワンダー(驚異)が起きるのか、それにワクワクする。