- 作者:西任暁子
- 発売日: 2015/01/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:西任暁子
- 発売日: 2015/01/29
- メディア: Kindle版
仕事柄、「自分のことを話さなくても相手がどんどんしゃべってくれる方法」しかも「一方的に自分ばかり話をさせられて不公平、と思われない方法」が知りたい。しかも、かなり急を要する状況。
少し前に見かけたそういう新書があったなあ、と記憶を頼りに探してみました。
『自分のことは話すな 仕事と人間関係を劇的によくする技術 (幻冬舎新書)』かなと思ったんですが、調べてみるとどうも違いそう*1。
いったんその本を探すのはあきらめて、自分の状況に合いそうな本を探したところ、見つけたのがこの本。
私のニーズにストライク!ではなかったものの、今まで読んだ「傾聴」本の中では一番よかったのでご紹介します。
※Kindle Unlimitedを利用
- ポイント1 相手を好きになる
- ポイント2 質問は相手へのプレゼント
- ポイント3 話のハイジャック禁止
◆本の目次◆
はじめに
Chapter1 相手を好きになる
Chapter2 相手が話しやすい場をつくる
Chapter3 褒めて心を開いてもらう
Chapter4 相手が話したいことを引き出す
Chapter5 話を盛り上げる
おわりに
こんな本です
著者・西任暁子さんは元DJ。その後スピーチコンサルタントとして活躍し、「話し方の学校」を主宰。相手の心を開き、上手に話を聞き出す方法を教えているそうです。
「傾聴」の本はたくさん出ていますが、著者は心から相手に寄り添ってくれそう。この本を読めば、著名アーティストがインタビュアーとして指名するのも納得できます。
「話し方の学校」の生徒さんに、西任さんは「上手な話し方」ではなく、「相手が安心して話せる場づくり」から教えたそうです。
すると、めきめきと結果が。
私は彼らに「話し方」を教えたのではありません。相手に信頼される方法、好きになってもらえる方法、心を開いて話してもらえる方法を伝えたのです(41)
西任さんは長年のDJ経験から「相手を主役にする」ことを心がけてきたといいます。
相手を主役にする5つのステップ
〈1〉相手を好きになる
〈2〉相手が話しやすい場をつくる
〈3〉相手を褒めて心を開いてもらう
〈4〉相手が話したいことを引き出す
〈5〉相手の話を盛り上げる(62)
この本では、この5つを順番に学べるようになっています。
ポイント1 相手を好きになる
まず、相手を好きになりましょう、と西任さんは書いています。
心の底から好きだと思うと、その気持ちはちゃんと伝わります。それは相手のすべてでなく一部でいいんです。たとえ一部でも「心から好きだ」と思うと、相手は好かれていると感じます。そして自分に好意を持ってくれるあなたに対して、同じように好意を覚えるのです(177)
そうは言っても、全員好きになれないんじゃないの?と思いますよね。
そこは考え方。
…「苦手だ」と感じるのが思い込みであるように、「好きだ」と感じるのも思い込みです。 どうせ両方とも思い込みなんだったら、「好き」と思い込んだほうがコミュニケーションはうんとラクになる―そう思いませんか(286)
必殺技として、「会う前に30秒つくり笑顔をする」といいそうです。
つくり笑顔!心から笑っていなくても、とりあえず鏡に向かって30秒笑っておくと、明るい気持ちになって不安が減り、うまく話せるとか。
これは、脳の特性を利用したもの。「笑顔になると、本当に楽しくなくても脳は楽しいと勘違いする」というアレです。
先に「あなたのことが好きですよ」「好感を持っていますよ」という雰囲気を醸し出しておく。すると、場が和らいで話しやすくなるんですね。
いきなり「好き」が無理だったら、「あなたに興味があります」でも大丈夫。
ポイント2 質問は相手へのプレゼント
人は基本的に話したがり。誰もが、自分の話を聞いてほしい、自分のことをわかってほしいと願っている。
でも、自分からどんどんしゃべるのもちょっと…と思ってしまいがち。
質問は相手への興味というプレゼント だと思うのです。質問して、話を聞かせてほしいと思うベースには、相手への興味や関心があるからです(1115)。
素敵な考え方ですよね。
プレゼントなんだ、と思えば安心して質問できそうです。
ポイント3 話のハイジャック禁止
これは、名前の付け方が面白いなあ、と思ったところ。
自分が話しているのに、いつの間にか他の人に話を奪われた経験、ありますよね?
それが「話のハイジャック」。
「相手の話が終わるまでは、話を奪わないように気をつけましょう」というのは当然のこと。
でも、それをしない対策、というのが目からウロコでした!
それは、「自分自身の話したい欲求を満たしてあげること 」。
話したいことを十分話せずにいると、心の中に溜まった感情が「外に出たいよー」と叫び声を上げはじめます。すると、自分でもやらないほうがいいとわかっていながら、相手の話を奪ってしまうのです。重症になると、「わかるよ。自分も……」と言いながら、まったく別の話を始めてしまいます。
Me, tooと言いたくなったら、話の欲求不満のサインです(1807)
「私も!」と発言したくなった時には気をつけましょう。
まとめ
- 相手を主役にすること。
- 相手が輝ける舞台を作り、主役の相手に話してもらって魅力を引き出す。
- 「5つのステップ」を順番にできれば大丈夫。
考え方のベースが番組ゲストへのインタビューなので、「初対面の人から話を引き出す」が多いです。
シチュエーションによっては万能ではないかも。
でも、この心構えを身につけただけでも、「話を聞いてくれる人」ポジションにはぐっと近づけます。
心を開いてもらえる人を目指しましょう。
質問で堀り下げていく方法や、褒めるコツなど、身につけると会話の苦手意識がなくなりそうな情報もたくさんあります。
人と話すのが辛い、不安だという方は読んでみてください。
私のアクション:相手の言葉を繰り返す時に、違う言葉に言い換えない
■レベル:守
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
book.yasuko659.com
*1:表紙の色が記憶と違っていました