
- 作者:堀江貴文
- 発売日: 2019/09/20
- メディア: 単行本

- 作者:堀江 貴文
- 発売日: 2019/09/20
- メディア: Kindle版
読みたい、と思っていたら家族が借りてきた本。
意外な感じがするかもしれませんが、実は堀江さんは「お金よりも時間が大事」という思想の持ち主。
そう、少し前に読んだ『1時間で10倍の成果を生み出す最強最速スキル 時給思考』と同じです。
次々と自分のやりたいことに邁進する堀江さんは、時間についてどう考えているのか。
――ラスボス登場、という感じでした。
- ポイント1 人生は川下り。おいしい果物に出会えるかは偶然
- ポイント2 ウソをつくと他人時間を生きることになる
- ポイント3 仕事は次の日に持ち越さない
◆本の目次◆
はじめに ぼくにとってお金より大切なもの
1 「他人の時間」を生きてはいけない
2 徹底的に「ムダ」な時間を殺せ
3 「常識や世間体」に時間を溶かすな
4 「夢中」が時間密度を濃くする
5 「健康」こそが最大の時間投資である
6 「将来を心配する」という究極のムダ
おわりに 自信とは「自分をコントロールできる」という確信
こんな本です
堀江さんは「何よりも大切なものは時間」と考えているそうです。
時間こそは、誰もが平等に手にできる、唯一の「資産」なのである(P7)
「時間の質」を上げることだけを考えてきた、とも。
堀江さんが伝えたいことの核心は
「自分時間を増やす+他人時間を減らす→人生の質が高くなる」(P15)
時間の質を高めることは、結果的に人生の質を高めることになります。
そのためにどう考えるか、教えてくれる本です。
ポイント1 人生は川下り。おいしい果物に出会えるかは偶然
本の中でくり返し出てくる、「川下り」のたとえ。
堀江さんは「人生は1本の大きな川だ」と言います。
プカプカと浮かびながら、流されている。
下流に向かってただ流されるしかない、というのはみんな一緒。
ときどき果物が流れてくるので、手を伸ばしてかじってみる。
――私は「時間は未来から過去へ流れる」という考え方に興味があります。
まだ実感はできていませんが、著名な方が口々にそう言っているので*1。
ちょっとそれと似ているかも、と感じました。
時間の流れを川にたとえる方が多いからです。
ただし、自らも流されているというのは新しい。
堀江さんは死生観も独特で、ちょっと仏教に近い考え方をお持ちなのかもしれません*2。
さて、「川下り=人生」を楽しむ上で大切なことはふたつ。
- 自分から「果物」を探し求めたりしない
- 少しでもうまそうだと思ったら、選り好みせず手を伸ばしてみる
だそうです。
また、川下りにはところどころ難所が出てきます。堀江さんは「滝」と書かれています。
「滝」のない人生を送ることは不可能、だとも。
ご自身の収監体験も、巨大な「滝」から落っこちた、と表現。
「川下り」を最高に楽しむには、「ノリのよさ」がすべて、と書かれています。
ノリがいいとは、考えないで受け入れてみること。
とりあえず試してみること。そして、落ちることすら楽しむ。
いい意味のあきらめ、諦念を感じます。
変えられないことにこだわって時間を使うよりも、目の前のことに集中した方がたぶん楽しい。
そして、結果的に自分時間が増えますよね。
ポイント2 ウソをつくと他人時間を生きることになる
他人のために時間を使いすぎているなら、まずやるべきは「他人時間を削ること」(P30)
これは当然です。
その中に、ちょっと不思議な解釈がありました。
「自分時間」を生きたいのならば、極力、ウソをつかない方がいい(P184)
このウソには、“相手に合わせて本心と違うことを言う”ことも含まれます。
心にもない言動すべて、と言ってもいい。
たとえば
- くだらないと思っているのに「いいアイデアですね」と反応する
- 納得していないのに「了解しました」と返事する
- よけいなお世話と思っているのに「お心遣い、ありがとうございます!」と頭を下げる
堀江さんにかかれば、これはすべて「ウソ」ということになります。
ウソをつくということは、相手の信じる現実にこちらが迎合する行為だから、ウソをつけばつくほど、その人は「他人時間」を生きなければいけなくなる(P184)
のだそうです。
つまり、「本音は隠すな!」ということ。
これもまた、仏教の教えに近いものを感じます。小池龍之介さんの本にあった、
「本当に思っていないことを口にしたり書いたりするのは煩悩を生む」(だったと思うのですが、手元に本がないので曖昧)
と同じように感じました。
心にもないことを言ったり書いたりすると、それもまた「他人時間」に頭を占領されることになります。
いつどんな時でも、同じ自分でいることができれば、いろんなことがシンプルになって、自分時間が増えていく。
もちろん、普通の人がいきなりこれを始めると360度が敵になってしまいそうなので注意が必要。
でも、そうできればとても魅力的ですよね。
ポイント3 仕事は次の日に持ち越さない
「心構えばかり。具体的にはどう実践するのよ!」という方にはこちら。
堀江さんの仕事術として、意外だったのが「仕事は次の日に持ち越さない」という言葉。
一度手をつけたなら、その仕事は必ずその日のうちに処理する(P180)
を心がけているそうです。
堀江さんは体のサイクルにも注目されていて、「眠ればリセットされて、また新しい1日が始まる」ことを重要視しています。
頭の中に「その日の仕事」を積み残したままベッドに入るのは、精神衛生上よくない。すべてを完了させ、頭をまっさらにしてこそ、全力で深い眠りに落ちることができる(P181)
そこで、残された時間内でベストを尽くし、「終わらせる」ことを最優先にする。
「残された時間で」がポイント。
仕事の量でかかる時間を決めるのではなく、「これだけの時間で全部やるにはどうするか」と時間ベースで考える。
仕事ができない人(堀江さんはリズムや間が悪い、と表現)が、決まって口にするのが
「バタバタしていまして…」
なのだそうです。
ついそう口にしていませんか?耳が痛い。
そういう人の共通点は
- 「優先順位がつけられない」
- 「仕事をまとめて片づけようとする」
なのだとか。
「優先順位+細切れ」を心がければ、自分のペースをつくりながら仕事を進めていけるそうです。
まとめ
■自分時間を増やすには
- 仕事は細切れにして、すきま時間に片づける
- 大事なことはシンプルに。それ以外のことは同時にどんどん片づける
■他人時間を減らすには
- 本当に心躍ることをしよう。「多忙」は他人時間を生きているので、忙しくても心は空虚
- 「他人時間を生きる」のをやめるには、本音を隠さない
- 人のことを気にしない。考えてもしかたのないことは考えない。どれも頭が「他人時間」に占領されている
読んでいて、「そこまで思い切ったことは…」とためらうようなこともあります。
自分の時間に割り込んできた人は怒鳴って追い返す、とか*3。
ただ、考え方を変えることはできるし、ちょっと意識するだけでも他人時間を自分時間に変えていくことは可能です。
「自分の時間を増やしたい」と思っている人は必読です。
私のアクション:自分にウソをついていないか、言動をチェックする
■レベル:破 型破りです。
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
book.yasuko659.com