- 作者:キャロライン・アダムス・ミラー
- 発売日: 2018/02/21
- メディア: 単行本
- 作者:キャロライン・アダムス・ミラー
- 発売日: 2018/02/21
- メディア: Kindle版
以前『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』を読み、身につけたいと思っていたところ、Kindle Unlimitedにこの本が登場。
喜んで読み始めたら、なんと別の著者の本でした。
勝間さんの『圧倒的に自由で快適な未来が手に入る! 勝間式ネオ・ライフハック100』にならい、最初の何章かKindleの読み上げ機能で聞いていたせいもあるかもしれませんが、どうもうまく消化できない本でした*1。
お伝えしても大丈夫だと思われるエッセンスと、GRITに対する私の見解を書いておきます。
※この本の内容に関わる部分は本に合わせて「グリット」、一般的な意味では「GRIT」表記にしています
- ポイント1 本物のグリットとは
- ポイント2 良いグリットと悪いグリット
- ポイント3 よいグリットの8つの要素
◆本の目次◆
Introduction 幸せになるための科学と実践
Chapter1 「グリット」とは何か?
Chapter2 こうしてグリットの低い世界が作られた
Chapter3 グリットを高めるための下準備
Chapter4 「本物のグリット」とは何か?
Chapter5 良いグリット
Chapter6 悪いグリット
Chapter7 グリットの正しい育て方
Chapter8 情熱
Chapter9 幸福感
Chapter10 目標設定
Chapter11 自制心
Chapter12 リスク・テイキング
Chapter13 謙虚さ
Chapter14 粘り強さ
Chapter15 忍耐
Chapter16 グリットの未来
こんな本です
著者はアメリカの人気コーチ。著書も何冊か出しているし、TEDにも登場した人物。
この本が書かれたいきさつは次の通り。
2005~2006年、ポジティブ心理学の学位を取るためペンシルバニア大学の修士課程に在籍していた著者は、マーティン・セリグマンの研究室に所属していたアンジェラ・ダックワース(『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』の著者)を紹介されたそうです。
当時からアンジェラ・ダックワースはGRITについて研究していたといいます。
著者は自分の著書でGRITを紹介し、仕事のコーチングにも欠かせないツールとして利用している。
アンジェラ・ダックワースもこの本を書くにあたり背中を押してくれたそう。
研究はアンジェラ・ダックワース、実際に使って結果を出しているのが著者、ということのようです。
ポイント1 本物のグリットとは
アンジェラ・ダックワースが考える、グリット(やり抜く力)を持つ人の共通項は
- 情熱
- 粘り強さ
- 長期的な目標
の3つ(と、この本にはあります)。
アンジェラ・ダックワースが考案したグリットスケールの指標は「情熱」と「粘り強さ」です。
↓ここでグリットスケールを使った「グリットスコア」のテストができます(おなじみ、印南敦史さんの書評記事です)
www.lifehacker.jp
一方、著者は最良の結果を生むと考えられるGRITに「オーセンティック・グリット(本物のグリット)」と名づけ、次のように定義している
本物のグリットとは、
高い目標に対する情熱的な追求であり、周囲の人の畏敬の念を引き起こし、より良い人間へと成長し、精神的な持続的幸福を獲得し、ポジティブなリスクを冒し、最高の人生を送りたいというモチベーションを引き出すもの(119)
ポイント2 良いグリットと悪いグリット
グリットには良いグリットと悪いグリットがあるといいます。
悪いグリットは強情グリット、虚栄グリット、セルフィーグリットの3つ。
■強情グリット…長期的な目標に対する強情な要求であり、状況の変化が原因で、ポジティブな結果以上にネガティブな結果を生むもの
例)周りに止められたのに「エベレストに登頂する」夢を強引にかなえようとして、登頂後に動けなくなり死亡した女性
■虚栄グリット…周囲からの賞賛を得るために、自分や他人を騙して何か困難なことを成し遂げたかのように振る舞い、実際には不正やごまかしや見せかけばかり
例)ランス・アームストロングら薬物を使ったスポーツ選手、トランプ大統領も挙げられています
■セルフィーグリット…大きな障害(現実のもの、あるいは架空のもの)を乗り越えて勝利を勝ち取るといった、困難の目標の追求を、執拗なまでに賛美すること
例)ウサマ・ビン・ラディンを殺した特殊部隊の一員であることを暴露した人物(部隊の作戦はすべて外部に漏らさないと誓約していた)
※虚栄グリットとの違いは、実際に偉業を成し遂げていること
ポイント3 良いグリットの8つの要素
著者が挙げている良いグリットの要素は「情熱」「幸福感」「目標設定」「自制心」「リスク・テイキング」「謙虚さ」「粘り強さ」「忍耐」。
Chapter8~15でそれぞれ言及されています。
で、GRITって結局何なの?
すみません、自分で責任を持って伝えられるのは、上の3つだけでした。ヘタクソな中学生の資料まとめ、みたいですよね。
読めば読むほど、GRITが何なのか結局わからなくなりまして。
以下、個人的な見解です。
■「情熱を持って粘り強く物事に取り組む資質」がGRITだと理解していたんですが、この本を読むとどうもそうではない。
まるで「全方位に素晴らしい人である」を要求されているような気がしました。
「情熱を持って粘り強く物事に取り組む資質」だったら、たとえば何かの職人とか、コツコツ研究を続ける人でも当てはまりそうですよね。
ところが、この本で定義される「本物のグリット」は、周りにもいい影響をもたらさなければならないし、リーダーシップも必要。
読んでいくうちに、GRITという言葉が「協調性のある人格者」で置き換えられるのでは?と思い始めました。
■さらに、GRITに対するネガティブな情報も
よくわからないのでネットで調べるうちに、残念な情報も得られました。
yuchrszk.blogspot.com
「パレオな男」の鈴木さんは、論文などを読みあさるのが趣味の方なので、かなり信頼できます。
しかも、これは以前から知っていたんですが、あの有名な「マシュマロテスト」も、現在では疑問視されています。
※この本でもGRITの裏づけとして登場します
gigazine.net
この再現実験が行われたのは2018年。本が書かれたのは2017年なので、しかたがないところもあるんですが、何となくスッキリしません。
■この本の構成が冗長すぎてうまく伝わらないのかも
目次を見ていただければわかりますが、チャプターがずらずらと並んでいるだけなので、大変読みづらい。
英語の本はわりとこんな感じが多いので、起承転結、さらにまとめ、みたいな作りの本に慣れている日本人には取っつきにくいかもしれません。
よくわからないので、この記事を書くにも、こんなサイトを参考にしました
www.flierinc.com
hatsu-ga.com
本よりも、著者インタビューや講演会をまとめたものの方がわかりやすいってどうなの?
と、ちょっと思ってしまいました……。
まとめ
この本ではグリットを身につけるためのエクササイズが各チャプターの後ろについています。
その前提条件として、ポジティブ心理学の「自分の強み」を知ることを勧めています。
↓このサイトから診断を受けに行けます
xn--bckg8a9ab8bxc5fpjscf3i.com
ものすごく情報量の多い本。
今回私はお役に立てませんでしたが、うまく要約されたサイトを探してみてください。
■レベル:判定不能
※この本のメモはありません
【関連記事】
book.yasuko659.com
*1:紙の本だったら、また違ったかも