毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]理由がわかればもっと面白い! 西洋絵画の教科書☆☆☆☆

※Kindle版はありません

家族が借りてきた本。

家族の特技に「ジャケ買い」ならぬ「タイトルだけ予約」という荒技があります。
図書館サイト*1の「新しく入った本リスト」にある本を、タイトルだけ見て予約する、というもの。

「読まずに返す」ことも多々あるのですが、この本は大当たりでした。


  • ポイント1 時代の流れを知る
  • ポイント2 神話・聖書の知識
  • ポイント3 アトリビュートって何?



◆本の目次◆
CHAPTER1 超有名作品を読み解く
CHAPTER2 いまさら聞けない 西洋絵画の基礎知識
CHAPTER3 ギリシア・ローマ神話・聖書の世界
CHAPTER4 もっと知りたい! 印象派の画家たち
CHAPTER5 知っておきたい名画カタログ

こんな本です

題名そのまま。オールカラーでイラストもかわいく、初心者にやさしい作りです。

ルートは2つあり、「(超有名)作品から入る」コースと「基礎知識を知る」コースの好きな方から選べます。
でも内容は本格的なので、美術館巡りが趣味の人でも充分役に立ちます。


この本を見て美術館に行った気分になったり、「いつかこの絵を見に行くぞ!」と野望を燃やすのも、楽しみ方のひとつかもしれません。

ポイント1 時代の流れを知る

今さらですが、実はほとんどの絵画展はちゃんと「時代の流れ」に沿って展示しています。
知らないと、まるで「コース料理のメインだけ味わって前菜もデザートも無視」になってしまい、もったいないことに。

ざっくりした流れで言うと

ルネサンス→北方ルネサンス→バロック→ロココ→新古典主義→ロマン主義→写実主義→印象派→後期印象派→象徴主義→20世紀絵画

になります。

これを知っているのと知っていないのとでは大違い。
たとえば、印象派の展覧会でも前後がどうなっているのかわかっていると、絵画展全体が楽しめます。
たいていは、最初の印象派の前の作品が、最後の方には印象派後の作品が展示されているからです。


私はバロックやロココと呼ばれる時代の絵も好きなのですが、全然流れがわかっていなかったので、今までもったいないことをしていました。
歴史の年号だけをバラバラに覚えても、意味がありませんよね?
それと同じくらい損をしています。

逆に言えば、西洋絵画の知識がしっかりあれば、歴史の勉強がラクになりそうなくらい、密接に関係があります。

ポイント2 神話・聖書の知識

西洋絵画とは切っても切れないのが神話・聖書です。
古代・中世までは、絵画と言えばほぼこのテーマ一択。


その後も古典に立ち返る時期や、古典を元に描かれた作品が多々あるため、知っているとより深く味わえます。


たとえば「最後の晩餐」も、キリストの生涯を知り、これがどの場面なのか、キリストを裏切った人物が誰なのか、どこに描かれているのかを知れば、見るところが変わってきます。


この本では絵を楽しむための神話・聖書の知識がわかりやすくまとめられているので、知れば絵の見方が変わりますよ。

ポイント3 アトリビュートって何?

これも日本人には馴染みの薄いものです。
「アトリビュート」とはその人物の目印となる持ち物(衣類含む)のこと。


日本人なら犬・猿・キジを連れている人物を見たら「桃太郎だな」と思いますよね?
そういう目印が西洋絵画にはたくさんあります。
これを知っておくと、パッと絵を見ただけで誰を描いているのか、どの場面なのかがわかるようになります。


たとえば、「受胎告知」は人気のあるテーマ。

アトリビュートの知識があれば、もしタイトルがわからなくてもマリアと大天使ガブリエルが描かれていることがわかり、すぐ「ああ、あのシーンだな」と理解できます

  • 聖母マリアのアトリビュートは赤い服と青いマント
  • 大天使ガブリエルは(この場面では)百合を持つのがお約束

このサイトはとてもわかりやすいですよ。
kaigablog.com

まとめ
  • いつ、誰が描いた、どんな絵なのか
  • どんな時代だったのか
  • その絵にはどんな意味があるのか

がわかるともっと楽しい。

画家の名前からも、作品名からも調べられる索引付きの親切なつくり。

「学校の美術の時間にこの本が読めたら、もっと絵を見る人が増えるのに!」
と思いました。
教科書が無理でも、ぜひ副読本にほしい。


なかなか自由に美術展に行ける状態ではありませんが、その日のためにぜひこの本で予習しましょう。
私のアクション:聖書に関する入門書を読む
■レベル:守 


※この本のメモはありません


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*1:Amazonなどと違い、文字情報がわずかにあるだけ。判断材料がほとんどタイトルしかないんです