その後も仕事の集中力を高めたり、ネガティブを引きずらないために、教えを使わせていただいておりました。
ある時、ネットでこの本の存在を知り、図書館で借りました。
読んだらやっぱり付せんだらけになってしまい、前と同じく電子書籍で手もとに残すことに。
そのくらい私には必要な本でした。
- ポイント1 ラベリングで「心の指差し確認」
- ポイント2 「秘技 言葉抜き」でムダな考えを消す
- ポイント3 やる気は再生産できる
◆本の目次◆
はじめに 合い言葉を「これも修行のうち」にしてみると
プロローグ 新しい毎日のための“プチ入門”
心がまえ一 人生は“考え方”しだい
心がまえ二 “外れのないゴール”を目指す
心がまえ三 人生の同伴者“自分の心”を知っておく第1章「感覚」のプチ修行
――ストレス・モヤモヤが溜まったときは、「心の使い方」を練習するチャンスです
第2章「感情」のプチ修行
――憂鬱になりがちな毎日に“メリハリ”がつけられる
第3章「考え方」のプチ修行
――「使う言葉」を替えるだけで、悩みがスッと消えていく
第4章「意欲」のプチ修行
――気持ちがゲンナリしたときは、たとえば「作業をしてみる」おわりに 満願成就――すべては修行のうち
巻末資料 「プチ修業」リスト
こんな本です
原始仏教をベースに、仏教の教えを現代にも通用するよう、わかりやすく教えている著者。
この本では、毎日ちょっとした時に気軽にできる「心の練習」方法を学べます。
日頃の悩みを増やさないポイントは「ムダな反応をしない」ことです。「一切の悩みは、心の“反応”が作り出している。だからムダに反応しなければ、多くの悩みを解消できる」というのが本書の基本メッセージです。今回は特に「反応しない心」を育てるための、より実践的な“練習メニュー”の数々を紹介しようというものです(P4)。
本格的な修業に対して「プチ修業」と名づけた方法が50個、紹介されています。
この記事では私がやってみたい、と思った3つをご紹介します。
ポイント1 ラベリングで「心の指差し確認」
一般的には、「感覚に意識を向けた状態」が「マインドフルネス=(意識をフルに(十二分に)使っている状態)」のこと。
ブッダが生きていた古代インドではこれを“サティ”(気づき)と呼んでいたそうです。
「外に出るとき、家に帰るとき、前後を見たり、体を動かしたり、服を着たり、食べ物を口に入れるとき、用を足すとき、歩くとき、座るとき、その他、目が覚めている間は、サティをよく働かせていなさい」――ブッダ最後の旅にて・弟子たちに 長部経典(P46)
サティはすべての基本となる「心の使い方」。
サティの力を高めるのに役立つのが「ラベリング」、つまり「言葉による確認」です。
たとえば、服を着るときは、「今から服を着ます」「今、服を着ています」「今、服を着終わりました」と、ひとつずつ動作を確認します(P53)
ラベリングの目的は、サティの力を強化すること。
ほとんどの人は、いつも反応――妄想や怒りの感情など――でアタマが一杯なので、自分の心の状態に気づく(サティする)ことが、うまくできません。だから「言葉による確認」によって、意識をムダな反応に取られないように“歯止めをかける”のです。駅員さんが「右よし、左よし」と指差し確認しているのと同じです(P54)
この「言葉による確認」は、意識をムダな反応に奪われず、目の前の大事なモノゴトや人生の目的に集中するためにも、役に立ちます(P55)
ついふらふらとさまよい出てしまう意識を、目の前に集中させる基本。まずはここから練習したいですね。
ポイント2 「秘技 言葉抜き」でムダな考えを消す
読んだ中で一番面白い!と思ったのがこちら。
「考えすぎ」をやめる練習です。
やり方はこんな感じ。
まずは、窓の外、アタマの上に広がる、昼間の空を見上げてみましょう。雲が浮かんでいますね。
そのとき、「雲が浮かんでいる」と言葉にしてみます。その「言葉」は、ひとつの“判断”です。ふだんの“判断”(思考)も、言葉が作っています。
次に、その言葉を“抜く”作業をしていきます(次の行を声に出して読んでみてください。「……」の部分は無音・沈黙です)。
「雲が浮かんでいる」
「……が浮かんでいる」
「……が……ている」
「……ている」
「……」
はい、最終的に「……(沈黙)」になりました。
心の中の「言葉」が消えたら、ひとつの「意味」が消えたことになります。ひとつ「無心」に近づいたということです(P133-134)
思考は言葉が作っているので、言葉を消せば思考も消える。というのがものすごく新鮮でした。
試しにやってみたらわかります。ホントに消えます!
グチとか、ドロドロした思いをいったん言葉にして、そこからどんどん抜いていけば、最後には消滅しています。
書いて頭から追い出すよりもさらに早くて簡単。
書くと記憶に定着してしまいそうですが、これだと残らないのでより頭にやさしい気がします。
ポイント3 やる気は再生産できる
ちょっと意外だったのがこちら。
「やる気の素」は、ブッダの智慧によるとこれだけあるそうです。
- 欲求・妄想を上手に活かす。そうして人生の快(喜び)を増やす。
- 達成感を大事にする――やってみたい目標に向かって、頑張ってみる。
- 充実感を第一にする――モノゴトには集中する。ひとつのことを、心尽くして。
- 貢献して喜ぶ――「お役に立てれば良し」と考える。
- 自分が納得するために(納得できるように)頑張る(P179)。
ひとつだけでは、だんだん効果がなくなってくるので、いくつかを組み合わせて使うことを著者は勧めています。名づけて「やる気のカートリッジ」。
ヤル気はいわば、「モノゴトに取り組むエネルギーのカートリッジ」だと思ってください。ひとつのカートリッジは、使い果たせば交換しますね。ときには違うカートリッジを使っても、いいはずです。要は、心と体が動いてくれればよいのですから(P179)。
さらに、心の流れに沿って行えば「再生産」も可能になるといいます。
仏教的に表現すれば、心は“感覚→感情→思考→意欲”という順に築かれていく
(中略)
だから、上手に意欲を再生産するには、意識を“最初のステージ”つまり“感覚”からやり直す方がよい(P187-188)
これをベテランのプロ野球選手の動きで考えると
ランニングや素振り、投球練習という「感覚の確認」から入って、その途中で「楽しい」という快を新しく体験します。そうしてごく自然に「さあ、やるぞ」という情熱・意欲に火がつきます(P188)。
「意欲・情熱・希望を取り戻したい人は、感覚から育てる」のがポイント。
「やっているうちに楽しくなる」とよく言いますが、感覚を大事にするとよさそうです。
まとめ
仏教では心を5つに分けてとらえます。
ベースとなる「意欲」、それ以外の「感覚」「感情」「考え方」「意欲」をそれぞれ1章ずつにまとめてあり、気になるところから読んですぐプチ修行が試せます。
でも、書いてあることはプチではありません。読み込んで実践するうちに、「反応しない心」が育てられるはず。
やさしい言葉で書いてあるので、読みやすい。「むずかしいことは苦手」という人の1冊目に、特におすすめです。
私のアクション:「秘技 言葉抜き」を練習する
■レベル:守
心がけるべきは、限りある意識(心)を、自分にとって必要・大切なモノゴトや、快・幸せに使うという発想…「人生を楽しむ」とは…「心を節約する」こと、「ムダなく心を快の反応に使う」こと——草薙龍瞬『これも修行のうち』不快な反応に使ったらもったいない #読了 #本が好き #KADOKAWA pic.twitter.com/Wk2DakGUjW
— やすこ (@yasuko659) 2021年7月23日
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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