この本の著者、廣津留(ひろつる)すみれさんを知った最初のきっかけは、お母様の真理さんを紹介する記事でした。
「娘さんが大分県の県立高校からハーバード大学に進学し、首席で卒業した」ということを知り、驚愕。
真理さんは英語塾をされていたので英語は小さい頃から学べたのだろう、と察しはつきます。
しかし、それだけでは合格できないはず。
留学も、そのための特別な塾も行かずに、合格する?いったい何をすればそんな子が育つの?
その時読んだ記事の中で、「すみれさんは(確か)小1からToDoリストをつくり、自分でタスク管理をしていた」とあったことが一番印象に残りました。
まずは真理さんの本を図書館で予約したのですが、待っているときにすみれさんご自身の書いたこの本があることを知り、予約し直しました(どちらもすごい人気)。
読めたのは興味を持ってからかなり後になりましたが、なかなか刺激的な本でした。
- ポイント1 意味のないことはやらない
- ポイント2 俯瞰して手をつけ、全体像をつかむ
- ポイント3 失敗したときこそ次を考える
◆本の目次◆
はじめに
第1章 公立高校からハーバードへ―米国で見た最先端の学び方
第2章 したいこと・すべきことができる「時間管理術」
第3章 深く濃く学ぶための「集中術」
第4章 前に進む、辛くても粘る!「モチベーション管理術」
第5章 忘れない・身につく「インプット法」
第6章 人を動かす「アウトプット法」
第7章 グローバル時代の「学び方」
おわりに
こんな本です
gendai.ismedia.jp
著者・すみれさんはプロバイオリニストで、実業家でもあります。
タイトルでわかるとおり、アメリカの最高峰であるハーバード大学と、音楽大学であるジュリアード音楽院を首席で卒業したすみれさんが、何をして入学し、首席卒業を勝ち取ったかについて教えてくれる本。
どんな勉強をしたか、モチベーション維持の方法、アメリカで評価されるには、リーダーシップについてなど、広く全般的に書いてあります。
私が知りたかったのは、もちろんタスク管理!
この記事では、主に2~4章の「時間管理術」「集中術」「モチベーション管理術」の内容についてまとめています。
ポイント1 意味のないことはやらない
とにかく、繰り返し「無駄なことはやらない」と書いてあります。
すでにハーバード受験を決めていた高3の時、「国立大受験クラス」にいたすみれさん。
衝撃的なエピソードは、「国立大入試対策問題」が毎日の宿題だったが、回答を丸写しして出していたここの場合、この場合、カットしていたのは「自分で問題を解く時間」だそう(丸写しすることで解答や解法は覚える)。
びっくりしましたが、確かに自分に必要かどうかで考えたら必要のないことです。
必要のないことは思いきりカットする、というのはここまでやるのだなー、と印象に残りました。
ポイント2 俯瞰して手をつけ、全体像をつかむ
「まず薄く全体をやる×繰り返しで濃い内容にする」が、勉強のコツだそうです。
仕事などの場合にも応用できます。
やり方は、こんな感じ。
- ざっと全体を見る
- そのあと、手をつけてみる→これで、タスクの分解と、かかる時間の見積もりができる
- 小さく分け、時間のゴールを決めてゲーム感覚でやる!
すみれさんの場合は「やらなきゃ」とか「○○しなければ」という義務感がほとんどありません。
「全部やりたいからやってきた」と断言されています。
でも、いくらハーバード大学に行きたいからといって、英単語を15000語も覚えるのは簡単なことではないはず。
【参考】
大学受験の場合、センター試験には5000語程度、私立の難関校で6000~7000語の英単語が必要といわれています。
大学受験のために必要な英語の単語数は?単語力をアップさせる効果的な方法 - 偏差値40のビリケツちゃんでも大逆転!!~難関大合格のための秘策を伝授!!~
※調べたところ、TOEICに必要なのが9000語、英検1級が15000語程度だそう
そこをどう乗り越えるかのカギが、「ゲーム感覚で楽しんでしまう」だったんですね。
ポイント3 失敗したときこそ次を考える
私自身がフィギュアスケート好きでよく見ていたので、印象に残ったのがこちら。
プロバイオリニストのすみれさんもフィギュアスケートが好きだそうで、実際に試合を見ていて「演奏と似ている」と感じたそうです。
…競技者や演奏者は、難しいポイントを一瞬で決めなくてはなりません。失敗したら、もうやり直しは利きません。
これは、非常に強い集中力を必要とします。
フィギュアスケートの演技中、一度転倒したら集中力が切れてしまう選手がよくいます。
完璧主義な人ほど、そうなりやすいとも言われています。
残念ながら、いくら準備をしていても、失敗することはある。
大切なのはその先。
…失敗したときこそ、次を考えることが必要だということです。
失敗はもう取り戻せません。ならばすぐに思考から追い出さなくてはいけません。演奏はまだ続いているのだから、それ以外に気を散らしている場合ではないのです。
(中略)
「まだ曲は続いている!」と思えば、集中力を「次」に振り向けることができます。
失敗したらガッカリして、投げ出したくなることはよくあります。
「まだ曲は続いている!」という言葉は、音楽が関係ない場面でも、気持ちを切り替えるのによさそうだと感じました。
まとめ
- 時間の無駄をなくす
- 時間を濃く過ごす
- 淡々と努力する
このことを繰り返せば、「普通の人」は「天才」に匹敵する成果を出せる、と私は考えます(P6)
そのノウハウを学べる本。
聞いたことがあることも書いてありましたが、やはり「実際に成果を上げてきた」人の言葉には説得力があります。
これから大学に行く人、社会に出てまだ日が浅い人におすすめの本。
今回は言及していませんが、海外留学を考えている人や、米国の大学進学を希望する向けの情報も詰まっています。
タスク管理や集中の方法については、どんな人でも得られるものがあると思います。
何より、著者の前向きなバイタリティが伝染して、元気がもらえますよ。
私のアクション:TODOリストは書いたあと、意味のないことはばっさりカットする
■レベル:守
無駄なこととは…苦手なこと→うまくできないので集中できない/やりたくないこと→やる気が出ないので集中できない/メリットの小さいこと→集中する意味がない——廣津留すみれ『ハーバード・ジュリアードを首席卒業した私の「超・独学術」』自分は何がしたいのか、立ち返ろう #読了 #本が好き #KADOKAWA pic.twitter.com/hc0Lflk3DF
— やすこ (@yasuko659) 2021年10月27日
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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