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自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略☆☆☆☆

いろんなところで話題になっているLIFE SHIFT2。ようやく図書館の順番が回って参りました。
相変わらずの難読本ですが、面白く読めました。


  • ポイント1 年齢のインフレが起きている
  • ポイント2 すべての仕事がAIに置き代わるわけではない
  • ポイント3 人生の選択肢が増えた



◆本の目次◆
1 部 人間の問題
1 章 私たちの進歩
2 章 私たちの開花

2 部 人間の発明
3 章 物語
4 章 探索
5 章 関係

3 部 人間の社会
6 章 企業の課題
7 章 教育機関の課題
8 章 政府の課題

こんな本です

前著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』刊行後、多くの人が聞きたがったのはテクノロジーの進化と長寿化の複合要因なら生まれる問題についてだったそうです。

著者2人の専門である経済学と心理学をの視点を組み合わせ、幅広い見識を提示してくれる本。

具体的には一貫性があって前向きな人生の物語を紡ぎ出すこと、探索と実験と学習をおこなうこと、そして、他の人たちとの関係を構築・維持することを助ける必要がある(P11)

「物語」「探索」「関係」という3つを軸に、長寿の時代に適応するためにひとりひとりが取るべき行動が示されています。


さまざまな世代、地域に住む架空の人たちが登場。
この人達の置かれた状況と選択を読んでいくことで、自分がどう生きていけばいいのか、なんとなくつかめる作りになっています。


教育や政治はどう変わるべきか、社会全体には何が求められるのか、という大きな話もありますが、ここではあくまで個人レベルに絞った記事となります。
ご了承ください。

ポイント1 年齢のインフレが起きている

現在、年齢と言えば暦年齢のことを指しますが、長寿化の進展に合わせて、生物学的年齢は大きく変わってきているそう。
平均寿命が長くなり、健康寿命も延びれば、40歳、60歳、80歳といった年齢の持つ意味は変わります。

さらに、長生きしているだけでなく、健康状態もよくなっているのです。

(イギリスでは)年齢ごとの死亡率では、今日の78歳と1922年の65歳が同水準だ。年齢のインフレを計算に入れるなら、の78歳以上を「高齢者の基準」にするべきなのかもしれない(P71)*1


つまり、長生きする人が増える一方で、「暦の年齢だけで判断すれば高齢者」だった人たちの中に、「長く働ける健康な人」が増えているとも言えます。


生物学的年齢はどんどん個人差が広がっているのです。
ひとりひとりの意識と心がけ、行動で差が開くので、ここは意識したいところ。

ポイント2 すべての仕事がAIに置き代わるわけではない

将来を考える上で、一番気になるのは「自分の仕事はAIに置き換わるのか」でしょう。


この本では、「業務が自動化されたために解雇された55歳の会計士」が登場します。
ただ、「仕事すべてがまるまる置き換わるケースは少ない」といいます。


“ある仕事の一部が自動化される”のがほとんどであり、職種によってその割合が違うそうです。

自動化を妨げる4つの要因(P99) ※内容は私がまとめたものです
1.非定型的な業務が占める割合が大きい
2.付加価値の高い(共感、人との関わり、判断、創造性などの要素が大きい)業務に移行できる可能性がある
3.その職の自動化を妨げる環境(安全性の確保、最終的な判断を人間がすることを求められる)がある
4.費用対効果の面で得策ではない

自分の仕事、これから就きたい仕事がどれだけ自動化されやすいか目を光らせておきましょう。


ただし「AI化のすべてがマイナスではない」という、うれしい話も。
テクノロジーは人間を代替するだけではなく、補完する面もあるのです。

年齢によってできなくなった部分を補うことで、今での引退年齢を超えても働くことが可能になるといいます。


ざっくり言うと、教えたり、相談に乗ったり、指導したりといった業務が自動化される可能性は低いとありました。
これからは、「人間的スキルが重要になる」そうです。
AIでもできることではなく、「人間しかできないことが求められる」ことになります。

ポイント3 人生の選択肢が増えた

今までは、教育→仕事→引退という3ステージの人生でした。
誰でもほぼ同じ。選択肢がない反面、考えなくてもよかった、とも言えます。


これからは100歳まで生き、60年間働く人も出てくるそうです。
いつ結婚するのか(またはしないのか)、子どもを持つかどうか、パートナーと自分のキャリアはどうするのか、会社に所属するのか、起業するのかなど、自由な反面、考えなければならないことが増えます。


ここでも、やはり「ありうる自己像」を意識することの重要性が説かれていました。
さまざまな選択肢を検討し、早く閉ざしすぎない方がよいそうです。


「自分の人生はこうだ」と、早く決めてしまわず、選択肢を残しておきましょう。
「大学卒業後、いい会社に就職して、そこで可能な限り出世する」というのがこれまでのモデルプランでしたが、残念ながらこれはもはや機能していません。

まとめ

人生100年時代に加えて、コロナウイルスの流行により、世の中は大きく変わりつつある。
親の生き方がお手本にならない時代、どう考えてどう生きていくのか、を提示してくれる本。


もちろん、未来を完全に予測できる人はいません。
でも、今考えうる未来を知り、自分の人生をどう作るかを考えるのはこれからより大事になっていくはず。


読者への一切の忖度なし。そのまま訳しましたというシンプルな章立て、本の作り。
読書リテラシーが試されます。

でも、内容は刺激的で面白い。


自分が今何歳かによって、響くところは違うと思います。
でも、誰にとってもこれからの世の中は新たなる世界。


社会的開拓者となって新しい道を切り開くために、ぜひ読んでみてください。

私のアクション:「あり得る自己像」について考えてみる
■レベル:離 

次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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*1:イギリスでは65歳から公的年金が受給できる