毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]サイコロジー・オブ・マネー☆☆☆☆

経済的な成功は、何を知っているかよりもどう行動するか


  • ポイント1 「お金の心理学」(サイコロジー・オブ・マネー)とは何か
  • ポイント2 お金が人生にもたらす最大の価値は「自由」
  • ポイント3 成功の半分は「運」。だから長期間投資を続けるのが一番



◆目次◆
第1章 おかしな人は誰もいない――あなたの経験は、世界で起こった出来事の0.00000001%にしか相当しない。しかし、あなたの考えの80%を構成している
第2章 運とリスク――何事も、見かけほど良くも悪くもない
第3章 決して満足できない人たち――お金持ちがとんでもないことをするとき
第4章 複利の魔法――ウォーレン・バフェットの純資産の95%以上は、65歳以降に得られたもの
第5章 裕福になること、裕福であり続けること――良い投資とは、一貫して失敗しないこと
第6章 ロングテールの絶大な力――5割の確率で失敗しても、富は築ける
第7章 自由――時間を自由に使えることこそ、お金から得られる最高の配当
第8章 高級車に乗る人のパラドックス――持ち主が思うほど、誰も高級品に感心しない
第9章 本当の富は見えない――裕福さの誇示は、お金を減らす一番の近道
第10章 とにかくお金を貯めよう――貯蓄は自分でコントロールできる唯一のこと。それが一番重要なメリットをもたらしてくれる
第11章 合理的>理性的――冷徹に理性的より、おおまかに合理的がいい
第12章 サプライズ!――歴史は未来を予測する地図になりえない
第13章 誤りの余地――あらゆる計画でもっとも重要なのは、計画通りに進まない可能性を想定すること
第14章 人は変わる――長期計画は難しい
第15章 この世に無料はない――あらゆるものには価格がある。だが、価格が表示されているとは限らない
第16章 市場のゲーム――自分とは違うゲームのプレイヤーからお金のヒントを得ないように
第17章 悲観主義の誘惑――楽観主義はセールストーク、悲観主義は差し伸べられた救いの手
第18章 何でも信じてしまうとき――なぜストーリーは統計データよりも強力なのか
第19章 本書のまとめ――あなたが学んできたこと
第20章 告白――著者の「サイコロジー・オブ・マネー」

ポイント1 「お金の心理学」(サイコロジー・オブ・マネー)とは何か

本書の根本的な主張は「お金とうまくつき合うには、頭の良さより、行動が大切だ」というもの(P4)


以前、ある市井の人が死後莫大な遺産を寄付して話題になったことがあるそうです。
その人の職業は清掃員。周囲の人は、彼が投資で財産を築いていたことをまったく知らなかったとか。


清掃員がトップエリートに負けないくらい富を築けた理由を、著者はこのように書いています。

  1. 経済的な成果は、知性や努力とは無関係の「運」に左右される部分が大きい
  2. 経済的な成功は、何を知っているかよりも、どう振る舞うかが重要な「ソフトスキル」の問題

ソフトスキルとは、科学や物理学のようなものではなく、複雑で測定がむずかしい人間の心理や行動が大きく関わっているから。

著者はそれを「お金の心理学」と呼んでいます。


びっくりしたのは次のデータ。

人々の生涯にわたる投資判断は…成人して間もない頃の経験に大きく左右される(P28)

つまり、社会人になりたての頃の経験が、一生変わらない「投資のスタンス」になってしまうのです。


世界情勢も、経済の状況も刻々と変わるのに、生涯を通じて「投資に対する姿勢」がアップデートされないとは。
大学入試の時に使った「傾向と対策」が、今でも通用すると思っているようなものですよね。

そう考えれば、いかにメチャクチャなスタンスかわかるはず。


また、人が「自分の経験からストーリーを作り上げること」も指摘されています。
それは世の中のごく一部にしか通用しないのに、あたかもすべてに通用するように考えてしまうというから、危険です。

人は、ストーリーを語ることで自分自身を説得しているのである。そしてそのストーリーは、自分独自の経験に基づいてつくられている(P32)

自分の判断はあまり信用しない方がよさそうです。


心理スキルを知って、なるべくリスクを避ける、あるいはリスクに強くなる方法を学ぶのがこの本の目的。

ポイント2 お金が人生にもたらす最大の価値は「自由」

著者は、お金の一番の価値は「選択肢を増やしてくれること」だと書いています。

人間に幸福感をもたらす信頼性が高い要因は、「人生を自分でコントロールしている」というはっきりとした感覚があること。
つまり、どんなに高い給料よりも、どんなに大きな家よりも、どんなにステータスのある仕事よりも、「好きなときに、好きな人と、好きなことができる」生活を送れることの方が、人を幸せにするのである(P127)

お金は、自分の時間をコントロールできるようにしてくれる(中略)蓄えが増えるごとに、人は周りの都合に左右されることなく……「何を、いつするか」を自分で好きなときに決められるようになるのだ(P127)

「自由に選べる」「自分で決められる」のが一番幸せなんですね。


何かを買う、何かをするためという目的がなくても、「自由度を上げるため」と考えたら、貯蓄や投資へのモチベーションになりそう。

ポイント3 成功の半分は「運」。だから長期間投資を続けるのが一番

未来を完全に予測できる人はいません。

どんなに優れた投資家でも、勝率は6割程度だといいます。
専門家でも失敗はあるんですね。


著者によればバフェットの成功の理由は「4分の3世紀にわたって一貫して投資を続けてきた」ことだそうです。
バフェットは現在90代ですが、たとえば50代で引退していたとしたら、おそらくこれほど有名になっていなかったはず。

これが「複利効果」。大事なのは投資し続けること。


心理的に不安になって投資先をその都度変えるよりも、インデックスファンドにずっと投資し続けた人の方が、結果的に資産が増えているというデータがあるそうです。


ちなみに、著者の指針は

  • 高い貯蓄率
  • 忍耐力
  • 「世界経済は今後数十年にわたって成長を続ける」

という楽観主義の3つ。


「半分失敗しても、長期的に投資を続ければプラスにできる」という言葉に、勇気づけられます。

感想

著者はベンチャー・キャピタルに在籍する「お金の専門家」なのに、考え方が超オーソドックス。

投資に関するいろいろはまだ歴史が浅い上に、「これが正解」というものはない、という指摘は鋭いと感じました。
ついつい答を求めてしまいがちですが、「答はない」んですね。

なので、結局は行動経済学や心理学のような「リスクにどう対処するか」といった面が重要になります。


勝間さんの「ドルコスト平均法でインデックスファンドに投資」はやはり最強なのだ、と裏付けられたのも収穫でした。

こんな人にオススメ

■レベル:破 ハウツーではなく、心構えを教えてくれる本 
お金に関する本としては異色。
これを知っていれば、お金に対してもっとシンプルな考え方ができるようになります。
私のアクション:投資に対する「ミッション・ステートメント」を書き出す


次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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