毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]THINK AGAIN ☆☆☆☆

考えるよりも考え直すこと、強さよりも柔軟性にこそ思考能力の本質がある


  • ポイント1 科学者の思考モードを目指す
  • ポイント2 自分の信念をアイデンティティから切り離す
  • ポイント3 年に2回のセルフチェック



◆目次◆
プロローグ

Part1 自分の考えを再考する方法
Chapter1 今、自分の「思考モード」を見直せ ― あなたの中にいる牧師、検察官、政治家、そして科学者
Chapter2 どうすれば「思考の盲点」に気づけるか ― 「自信」と「謙虚さ」のバランスの取り方
Chapter3 「自分の間違い」を発見する喜び ― なぜ「過ちに気づく」ことはスリリングな経験なのか
Chapter4 「熱い議論」(グッド・ファイト)を恐れるな ― 「建設的な対立」の心理学

Part2 相手に再考を促す方法
Chapter5 「敵」と見なすか、「ダンスの相手」と思うか ― 議論の場で相手の心を動かす方法
Chapter6 「反目」と「憎悪」の連鎖を止めるために ― 相手の「先入観」「偏見」とどう向き合うか
Chapter7 「穏やかな傾聴」こそ人の心を開く ― 相手に「変わる動機」を見つけてもらう方法

Part3 学び、再考し続ける社会・組織を創造する方法
Chapter8 「平行線の対話」を打開していくには ― 分断された社会の「溝」を埋めるために
Chapter9 生涯にわたり「学び続ける力」を培う方法 ― 健全な懐疑心と探求心の育て方
Chapter10 「いつものやり方」を変革し続けるために ― 「学びの文化」を職場で醸成させる方法

Part4 結論
Chapter11 視野を広げて「人生プラン」を再考する ― 「トンネル・ビジョン」を回避するために

エピローグ
インパクトのための行動

謝辞
監訳者あとがき 楠木 建 ― 「考えること」よりも「考え直すこと」の重要性

ポイント1 科学者の思考モードを目指す

人は3つの思考モード「牧師、検察官、政治家」を使い分けている、というのが著者の主張。

  • 牧師…自分の信念を形成し、確固としたものにしようと説教する
  • 検察官…他者の思考や主張の矛盾を指摘し、間違いを明らかにするために論拠を並べる
  • 政治家…自分の考えに対する他者の支持を獲得しようとキャンペーンを行う

ただし、この3つだけでは「再考」しなくなり危険だといいます。


私たちに必要なのは「科学者の思考モード」。

真実を追究するとき、私たちは科学者の思考モードに入る。仮説を研究するために実験を行い、新しい知識を発見する(P41)

知識の欠点は、時として未知を受け入れたがらないことだ。人は、新しいことを受け入れる能力や積極的な意志があってこそ、よい判断ができる(P58)

間違っているかもしれない、もっといい方法があるかもしれない、というスタンスを持ち続けることが大切。

ポイント2 自分の信念をアイデンティティから切り離す

著者がダニエル・カーネマンから教わったことは、
「自分の信念をアイデンティティから切り離すこと」。

特に、2種類の分離が有効なことがわかったそうです。

  1. 現在の自分を過去の自分から分離する
  2. 自分の意見や考えを自分のアイデンティティから分離する

信じているものを見つめ直すことで、私たちのアイデンティティが脅かされる――つまり、自分の一部が欠けたような喪失感を覚える可能性もある(P17)

ある研究によると、過去の自分が別人のように思えた人は、その後の1年間、憂うつになることが少なかった(P105)

「過去の自分を振り返って、『1年前の自分は、なんとばかだったのか』と思わなかったとしたら、それは、それまでの1年間で何一つ学ばなかったということだ」byレイ・ダリオ(ヘッジファンド運営会社・ブリッジウォーター創業者)(P105)

確かに、これができれば、多くの人が悩みがぐっとシンプルになりそうです。
たいていは、「過去」を引きずっていて割り切れなくて困っているか、「信念」に振り回されてややこしくなっているか、またはその両方だからです。

ポイント3 年に2回のセルフチェック

著者のおすすめは、年2回、定期的にチェックすること。

著者は自分の教える学生たちに、自分のキャリアについての定期的なチェックを自分自身で行うことをすすめているそうです。
定期検診のように、年に2回カレンダーに予定を書き込んでおくと忘れません。

セルフチェックの日にはこう自問する(P362)
現在の志はいつ立てられたのか?
自分はそれ以降、どのように変わっただろうか?
職務、あるいは職場において、自分は学習の停滞期に達しただろうか?
方向転換を図る時が来たのだろうか?
これらの問いを自分に投げかけるのは、定期的に再考サイクルを作動させるため。
現在の計画を見つめ直し、新しい可能性を発見しようとする探究心も持ち続けることができる。

職場でも人生でも、今後1~2年で何を学びたいのか、何に貢献したいのか考えること。そして次の可能性のために心を開いておくことが、私たちにできる最良の取り組み(P373)

人生を複雑にし過ぎないために、棚卸しをして不要なものは手放す。
自分の思考の断捨離も必要なんですね。

感想

たしか、勝間さんもすすめていた『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 三笠書房 電子書籍』(私は未読)の著者最新刊です。

文章は翻訳書にしては読みやすいし、具体的なエピソードや図解もあるので、難解ではありません。
しかし、すごいボリューム。国内の本なら3冊に分かれているんではないか、という分厚さです。

今回は私が印象に残ったところを紹介したものの、これはごく一部。
人によって響くところは違うかもしれません。
たとえば、チームとしての「再考」について、この記事ではほとんど触れていません。


監訳者・楠木建さんの解説を読むと、全体像がよくわかります。

下の関連記事にありますが、『Unlearn(アンラーン) 人生100年時代の新しい「学び」』と重なる部分も多いと感じました。
自分のキャリアをどう考えていくかは、『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略 LIFE SHIFT』『LIFE SHIFT2―100年時代の行動戦略 LIFE SHIFT』にも通じるものがあります。

こんな人にオススメ

これからの世の中を生き抜くために必読の書。
自分の考えがまとまっている、成果を出せた、自分の信念は固まっている、そんな人にこそ読んでほしい
■レベル:破 なかなか歯ごたえのある本。分厚い… 
私のアクション:信念の棚卸しをする


次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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