【お断り】個人的にまとめたメモです。個人の感想と本の内容は区別できるようにしていますが、著者の意図から離れていることもあるかもしれません。ご了承ください
【人生のレールを外れる衝動のみつけかた (ちくまプリマー新書)】
■キャリアデザインを支えているのは、結局のところ、コントロール願望です。私の人生すべてが計画通りであって欲しい、自分で人生の全体をコントロールしたいと。それ自体は自然な思いなのですが、こうした人生設計は、自分の決定に自分自身が驚く可能性を考慮していません。考慮しないどころか、何か偶然の出会いを通して自己がすっかり書き換えられてしまうなどという事態は、設計からほど遠いという点で許容しがたいのです162
■社会的成功者や各界のトップランナーが語る、洗練された成功のストーリーを世の人は好みます。そして成功譚の中に進むべきルールが隠れているはずだと考えて、スティーブ・ジョブズなどの天才たちの行動やルーティンを真似ようとします。しかし、成功には偶然の出会いや運の要素がもちろんあるし、成功譚は往々にしてバイアスがかかっています。
成功者たちの行動や言葉は、性格や文化、業界など様々な変数の複合体なので、そっくりそのまま使えるようなものではない
→「相手との距離が大きすぎるときには、むしろ助言を無視せよ」「助言の内容よりも、相手の何気ない佇まいから学べることの方が多い」(by哲学者・青山拓央さん)と考えた方がいい
■本書では、個人的で特定化された具体的な欲望のことを「偏愛」と呼んでいます。往々にして人生の「正しい」レールを外れて楽しく暮らしている人が身に着けているように思われる、「きめ細かく特定された、自分自身の(いわば偏った)好みや興味」のことです。偏愛は他人と共有できないかもしれないし、合理性もないかもしれない。
こうした偏愛の延長に衝動はあります。偏愛は、衝動が具体的な行動としての出口を見つけたときに用いられる言葉です。だからこそ、偏愛をほどほどに一般化すれば、衝動を言い当てることができます。衝動は、解きほぐされた偏愛のことです82
■セルフインタビューで大事なのは、スルーせずにこだわり続けることです。自分が何かの価値判断を行ったタイミングがあれば、それを逃さずに捕まえ、具体的な問いを無数に投げかけること。飽きるほど時間をかけ、もう十分だと思う以上にたくさん質問をしてください90
■「あと何年ぐらい制作して、どんなものを作りたいですか?」「1日をどんなふうに過ごしたいですか?いろんな日があると思うので5パターンくらい教えてください」「理想の制作が完成した時の気持ちをイメージして、色んな言葉で表現してみてください」「もし1000万円と3年間が自由に使えたら、何を作りたいですか?」「日頃どんな人とどんな風に交流していたいですか?」92
※『香山哲のプロジェクト発酵記』より