毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]一生健康に働くための心とカラダの守り方☆☆☆☆

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【「健康」と「働く」を二者択一にしないために】


  • ポイント1 致命的な病気を防ぐには
  • ポイント2 メンタルヘルスを健やかに保つには
  • ポイント3 「休職」は当然の権利ではない

◆目次◆
第1章 身体の健康管理 現代社会、働いているだけで、色々な箇所にガタが出る
第2章 心の健康管理 5人に一人は心を病む時代
第3章 休職期間の過ごし方 「成長したビジネスパーソン」として復職するために
第4章 体調相談の手引き 体調不良の相談は難しい

読んだきっかけ

ツナグ図書館の活動を通じ、著者・吉田英司様よりご恵贈いただきました。
ありがとうございます。

こんな本です

産業医であり、ビジネス経験もある著者が、人生100年時代に「働くこと」と「心と体の健康」を両立させるにはどうすればいいか教えてくれる本。

およそ5人に1人は生涯に一度は精神疾患を罹患する、という現代。
どうすれば心身を健康に保てるのか、不調に陥ってもひどくならずに済むのか。

ほとんどの人が馴染みがないであろう産業医の視点には、さまざまな発見があります。


この記事では、ふだんから気をつけるべきポイントと、知っておいたほうがいい「休職」について取り上げます。

ポイント1 致命的な病気を防ぐには

病気にはさまざまなものがありますが、著者の吉田さんが「致命的な病気」として挙げているのが

  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 脳出血
  • 糖尿病
  • 認知症

実はこれ、ほとんどが高血圧から来る疾患です。
糖尿病は直接関係はありませんが、認知症は15~20%が血管性認知症とされています。
つまり、血圧のコントロールや生活習慣病に対処していれば、ある程度リスクが下げられるのです。

著者の体感では、脳血管系の病気を発症する人は、血圧が170を超えても放置していた人が多いのだそうです。
健康診断の結果が悪くても放置してしまう人がいますが、早めに対処したほうが大事に至らずにすみます。


糖尿病は、中程度までは自覚症状がないため、こちらもつい放置してしまいがち。
しかし、合併症が起きた時の危険度が高いのをご存知でしょうか。

失明、腎障害で一生透析が必要になる、末端が壊死して手足の切断を余儀なくされるなど、生活に支障が出るようなものばかりです。
幸い、血糖値は薬や日常生活に気をつけることでコントロールできます。


その他、健康診断の結果の見方や、結果が思わしくなかったときの対処方法も載っているので、ぜひ担当医から説明を受けたつもりで読んでみてください。

ポイント2 メンタルヘルスを健やかに保つには

職場のメンタルヘルス不調の9割は適応障害だと言います。

実際に診察室で話を聞いていると、職場においてメンタルヘルス不調が起こる原因のほとんどは、職場の環境(業務量、業務の難しさ、人間関係)と自分(性格などの特性や、プライベートの状況)の適応がうまくいっていないことにあります。
(中略)
症状が強くなれば、最終的には自宅療養になってしまいますが、基本的には療養すれば適応障害は治ります。職場の環境と自分の適応がうまくいかなかったのだから、その環境から離れれば体調が改善する、とお伝えすれば理解しやすいかもしれません(P171/173)。


ここに至る前に、自分で予防したいですよね。

メンタルヘルスを健やかに保つための方法としては

  • 「安心できる」写真を見る
  • 運動する。球技や筋トレがおすすめ
  • 好きな音楽を聴く、演奏するどちらも脳を悩みから解放する
  • 推し活もメンタルヘルス管理に最適

などがあります。

推し活の没入状態というのは、完全に集中して自己の内省や雑念から解放されるものです。この時、脳のDMN*1の活動が低下し、内向きの反芻思考やネガティブな思考が起こりにくくなります(P263)。


ここで重要なのは「別の世界」を持つこと。

「別の世界を持つこと」は、メンタルヘルスの維持にとって、非常に重要です。メンタルヘルス不調に陥りやすいのは、「自分にとって、その世界が唯一の世界である」と感じ、逃げ場がなくなった時です(P264)。


元気な時に、脳を休める方法をいくつ準備できるかで追い詰められた時の対応が決まります。
他にもさまざまな方法が紹介されていますので、気になる方はぜひ読んで確認してください。

ポイント3 「休職」は当然の権利ではない

不調がひどくなり、勤務を続けることが難しくなると「休職」という選択肢も。


ただし、この「休職」、誤解している人が多いと吉田さんは言います。
雇用側からすると、解雇を猶予している状態なのだそうです。

法的には、休職は「解雇の猶予期間」とされています。
(中略)
社員が「休む権利があるから休んでいるだけ」といった態度をとると、会社側から見てもいい印象にはなりません。(P324-325)


解雇一歩手前、と考えたらまずは体調の回復に努め、しっかり復帰できるよう心身を整える大切さが意識できると思います。

確かに、私の周りでも、定められた休職期間に復帰できずに自動的に退職になったケースがありました。
それで自分を追い込んでしまってはいけませんが、自分の立ち位置を冷静に知っておくことは重要。行動も変わってくるはずです。


その他、休職時期の過ごし方、診断書の読み方、復帰に向けて何をすればいいのかも丁寧に解説されています。
大体の人はお金に不安が出てくると復帰しようと考えるそうですが、それはベストではありません。


休職も視野に入れたほうがいい、という状況の人に必要な情報が揃っています。

こんな人にオススメ

これは転ばぬ先の杖となる1冊。
休職するような状況とは無縁で一生を送れるなら、それに越したことはありません。
ですが、あなた自身ではなくても家族や周囲の人、また職場で休職する人がいるかもしれません。

必ず知っておいたほうがいいことです。働くすべての人におすすめします。

レベル

 むずかしい内容ではありませんが、類書がないので

私のアクション:座りっぱなしにならないよう意識して動く




※この本のメモはありません


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*1:デフォルトモードネットワークと呼ばれる脳のネットワーク。悩んでいるときに活性化しやすい。また、特定の外部タスク(強い注意を要する作業)を何も行っていない時に活性化する。また、内省的な思考や自己反省、過去の出来事を振り返る際にも活性化する→本書の解説P251-2をまとめました