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石井ゆかりさんは星占いのライターとして活躍中の方です。私も毎朝LINEに届く「今日の星占い」を楽しみにしているひとり。
今回の本は、その「毎日の星占い」のネタばらし的なもの、と知って興味が湧きました。
毎日どうやって書いているんだろう、と思っていたからです。
さらに、この本を読めば「ある程度は自分で先のことが占える」という言葉にも心惹かれました。
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とても素敵な本でした。私がなぜ石井ゆかりさんの占いを長年読み続けている*1か、その理由もわかった気がします。
◆本の目次◆
はじめに0 占いの前に
1 これだけ読めばひとまずわかる! 月で読む「毎日」
2 新月と満月
3 物事がいつもどおりにいかない日
4 もうすこしだけ、くわしく知りたい人のために
5 「星占い」の使い方おわりに
参考図書
参考文献
本の内容はこんな感じ
月で読む=「ホロスコープ上の月の位置」ですが、使うのは太陽星座(テレビや雑誌で見かける○○座、というあれです)。なので、生まれた時間や場所がわからなくても、生年月日ですぐ見られます。
「今日は何の日?」のネーミングは、ゆかりさんオリジナル。
- スタートの日
- お金の日
- メッセージの日
- 家の日
- 愛の日
- メンテナンスの日
- 人に会う日
- プレゼントの日
- 旅の日
- 達成の日
- 友達の日
- ひみつの日(P19)
となっています。これが月の動きに合わせて、2~3日ごとに移り変わります。
ただ、プレゼントの日だから何かもらえる、旅の日だから旅行しなきゃ、ということではなく、解釈にはもっと幅があるのでご安心ください。
実際に毎日届くゆかりさんの占いは、月だけではなく他の星の動きなども加わっているのでもっと深く複雑なものですが、わかって読むと「なるほど、○○の日がこんな風になるのか」とわかって面白い。
「星座別・○○の日」は、付属の冊子「月の星座運行表」(2121年12月まで)を見て、それが自分の星座にとって何の日なのか、表をチェックすればわかるようになっています。
スケジュール帳などに○○の日を順番に書き、新月・満月の日もチェックするので、日々楽しみが増えます。
新月・満月に対する感じ方が変わった
もちろん「○○の日」も面白いんですが、印象に残ったのは新月・満月の日にゆかりさんは特に何もしない、という話でした。
新月に願いごとを書いたり、満月だからといってお財布を振ったりしない、というのです。
ゆかりさんは月の満ち欠けを、暦のような時間感覚としてとらえているそう。
新月は、たとえば元日の雰囲気に、かすかに似た感触を持っています。少なくとも私のなかでは、新月がめぐってくると、不思議にフレッシュな、清らかな時間が流れます。何をするわけでもないのですが
「ここからまた、新しく時間が始まる」
というリセット感が生まれるのです(P128)。
一方、満月にはある種の到達感、満足感、
「ここまで来られた」
という達成感のようなものを感じます。
「ここでひとつ、山を越えたぞ」というような感覚です(P128-129)。
自分の中に時計やカレンダーとは違う、自然な時間感覚があるというのは素敵ですよね。
昔の人は月を見ながらいつ種を蒔こう、いつからこれを始めよう、と決めていたはずなので。
ボイドタイムは天冲殺みたいなもの?
もうひとつ、面白かったのが「ボイドタイム」の考え方。
西洋占星術では、一般的によくないものという解釈をします。ボイド=void(無効)なので、人と関わるとか、新しいことを始める、大きな決断、手術などは避けた方がいいと言われます。
ですが、ゆかりさんの考えは違います。
ボイドタイムは一見してよくない時間のように思う人もいるかもいれません。
でも、たとえばメッセージの返信が来なかったり、漠然とした不安が強まったり、物事が予定通りに進まなかったりしたとき、それがボイドタイムだと知っていれば、と「それほど心配しなくても大丈夫だな」「次の日がはじまれば、状況が変わるな」ということがわかります。これは、けっこう便利です(P135)。
おそらく、ボイドタイムもまた、何かしら意味のある大事な時間なのだと思うのです。
ただ、私たちの目から見ると、その「意味」が解釈しにくい、ということなのではないでしょうか。世の中には、わたしたちにはわからないこともたくさんあります。わからなくても大事なこと、というのもまた、たくさんあるのです(P149-150)。
これを読んで、私は「天冲殺」を思い出しました。一般的には「恐ろしいもの」のイメージがありますよね。
でも、定期的にやって来るその時期は、いつもと違う時間の流れにいるだけ。だから、その時にしかできないこともある、と*2。
何事も感じ方、受け止め方で変わるんだ、と思いました。
何より、「○○の日」が移り変わるタイミングがちょうどボイドタイムに当たる、というのが心強いです。
もうすぐ次の「○○の日」だから静かに待とう、といたずらに慌てなくなりました。
ゆかりさんの占いが好きなのは「だれのせいでもない世界」だから
ここまで読んでおわかりだと思いますが、ゆかりさんの占いには制限や禁止や脅しが一切ありません。
「○○しちゃダメ」「こんな時期にこんなことをしたらひどいことになりますよ」
という占いが世の中の大半です。ボイドタイムのことも、広い意味で言えば制限・禁止にあたります。
でも、ゆかりさんはそういうものとは無縁。
その理由が書いてありました。
…そのいちばん大きな理由は
「星占いの中に描かれている世界は、『だれのせいか』を問うていない」
と思えるからです(P194)。
たとえば、季節が移り変わるとき、私たちはそれを「自分のせいだ」とは思いません。
だれのせいか、と責任を問い回ったりしません。
星の動きもまた、そういうものだと思います。
星の時間は季節のように、私たちを包み込んでいます(P195)。
責めたり、責められたり、押し付けられたり、そういうものが一切ない世界。
目の前にほんのり灯りがともるような、ちょっとうれしくなる占いです。
今回は触れませんでしたが、「日記をつけるということ」という文章も素晴らしかったです。
私はこれを読んで、またライフログを書くようになりました。
占いの知識がなくても大丈夫。興味を持った方はぜひ読んでみてください。
私のアクション:「○○の日」を手帳に書いてチェックする♪
■レベル:守 専門用語がほとんどなく、知識のない人でも読みやすい本です
※この本のメモはありません
*1:実は1日講座にも参加させていただいたことがあります。もう10年も前だった…!
*2:主に水晶玉子さんの本で読みましたが、そういう考え方もあるようです