毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

決断力はトレーニングでつけられる☆☆☆

このブログでもたびたび登場する、本田直之さんの本。ふだん、決断力はある方だと思うのだが、怖いと思うと決められなくなることも多いので、何かヒントになればと思って読んでみた。斬新な内容に驚いた。


ふつう、決断する時は直感やひらめきで決めようとしがち。でも、これは間違いだそうだ。
たとえば選択肢がふたつある場合、どちらかが正解でどちらかが不正解、とつい思ってしまう人が多いと思うが、これも誤解。
こんな風に、そうだったのか!ということがたくさんあった。

本田さんによれば、決断力も筋トレのように、意識してトレーニングすれば鍛えられるのだそうだ。その考え方と、どうやって鍛えるのか、その方法を教えてくれるのがこの本。

専門用語や、今まで考えもしなかった方法が書かれているのではじめはとまどったが、パソコンを新しく買う時を例にとって説明してあるので、そこを読めば実はそんなにむずかしくないことがわかる。

詳しくはぜひ読んでいただきたいが、情報収集は目的を持って行い、集めすぎないこと、ある程度候補を絞ってから比較検討することや、見込み6割で決定し、残り4割は行動しながらリカバリーすることなど、非常に具体的でわかりやすい。


私がこの本を読んで一番印象に残ったのは、“正解の選択はない”ということだ。人生にはいろいろなことが起こり、いくら事前に検討しても予測できない部分もある。テストの選択問題ではないので、これが正解というものはないという。検討した結果、優先順位が一番上に来たというだけのことなのだそうだ。それを意識していれば、もしうまく行かなくても、固執せずにリカバリーができるという。目からウロコが落ちた。

日本は文化的に人と一緒がよしとされ、あまり決断を迫られることも今までは少なかった。しかし、これからは違う。決断力弱いなあ、と感じている人も、何か起きてから慌てたくない、という人も、ぜひ読んでみてください。早く手を打てば打つほど、選択肢は多くなり、リカバリーもしやすくなるそうです。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

「目的観」がないのに意志決定してはいけない(P36)

「何のために、意志決定するのか?」
この点が明確になっていなければ、本当の意味で、意志決定力を鍛えることはできません。
(中略)
意志決定力とはこのプロセスの連続ですから、横道にそれないためには、決してぶれることのない目的観が重要です。

「やらない」という選択肢を常備しておく(P46)

「やらない」という選択肢は、とても重要なもの。問題が複雑だったり、決定までのプロセスに手間と時間をかけていると、「せっかくここまで考えたんだから、やらないと損だ」というマインドセットになってしまうからこそ、危険なのです。
踏みとどまることも、時には必要。「やらない」というのは意志決定をする際に絶対欠かせない選択肢だと、覚えておくようにしましょう。

事前の「時間投資が」意志決定力の質を変える(P56)

先ほど、意志決定には「1:即断即決」と「2:じっくり考える」と述べました。実際には「意志決定が必要な事柄」の8割は想定内であり、じっくり考えて決められると思います。だからこそ、事前にいかに準備しておくか、貴重な時間と労力を投資してどのように情報をインプットするかが大切になってくるのです。

自分にとって有効な手段でなければ、どんなによいものだろうと、間違ったアドバイスなのです(P63)

「もれなく情報をカバーする」という意識を捨てる(P66)

「抜けがないように、充分にインプットしよう」という志向にいったん走ると、情報収集そのものが目的に取って代わってしまうのです。
(中略)
情報化社会において、インプットは「質より量」ではありません。
モノの所有についての価値観が「たくさんあればあるほどいい」から「質のいいものを厳選する」に変わったのと同じく、必要な情報がそろっているのなら、量は少なくてもいいのです。
(中略)
情報収集においては、どこに時間をかけるべきかといえば、「どんな情報が必要か」という取捨選択だといえます。

日々のトレーニング感覚でインプットする(P74)

情報のインプットとは意志決定の際のリスク回避であり、意志決定力を鍛えるための日々のトレーニングということです。
レーニングのメニューは、主に3つ。
1.ウェブや新聞、雑誌による情報収集。
2.本を読む。
3.人と会い、ネットワークを作る。

クライテリアを明確にすれば、選択肢が見えてくる(P80)

クライテリア(criteria)とは、評価基準や判定基準を意味する言葉です。
これがクリアになっていると、意志決定にブレがなくなります。私の場合は何をするにも、クライテリアは常にはっきりさせるよう、意識しています。
1.インプットをする。
2.クライテリアを書き出す。
3.選択肢の抽出。
この3つの手順ということです。

大きな問題は、人にアドバイスするつもりで検証する(P85)

何か大きな問題が発生した時パニックを起こさない。これは意志決定の精度を上げる鉄則です。大きい問題であればあるほど、あせってしまうものですが、あせればあせるほど、解決から遠のいてしまいます。
パニックは、感情的な側面から問題を見ていることが原因。
ちょっと一歩引いてみるだけで、問題の本質が見えてきます。
私がよくやっているのは、何かトラブルが起きたら、自分のこととしてとらえず、「トラブルを抱えた人が相談を受けている」と考えること。

マクドナルドに学ぶ選択肢のパターン化(P88)

意志決定をする際、マクドナルドが教えてくれるのは、「選択肢のパターン化ができていれば迷わない」ということです。
マクドナルドの例は、店舗が顧客の意志決定をスムーズにするために用意した「選択肢のパターン化」です。
ビジネスパーソン個人の場合もこれを応用して意志決定の練習を重ね、ケースごとに「成功率の高い選択肢」を蓄積していけば、次第に自分の意志決定をスムーズにするための「選択肢のパターン化」がなされていきます。

意志決定は一連のプロセス

意志決定とは、混沌とした中に一筋の光がさすごとく、すばらしいアイデアが浮かび、それを選択するといったものではありません。まず問題を整理し、クライテリアに照らし合わせて選択肢を抽出し、優先順位をつけてプロコンで検証し、シミュレーションしていくという一連のプロセスが必要なのです。
※プロコン=メリット/デメリットをすべて書き出し、検討すること

意志決定に自信をつける(P112)

1.情報のインプット
2.選択肢の抽出
3.シミュレーション
この3つの段階を面倒だと思う人もいるかもしれませんが、一方で「ここまでやれば、意志決定に自信がつく」ともいえます。
「これほどしっかり検証したのだから」と自信を持って決められるのです。
行動に移す際も、「この意志決定には間違いがない」と市汁ことができます。
また、トレーニングを重ねれば、これまでのように「ひとつに決めて行動するのがこわい」というためらいが消えていることにも気づくはずです。

見込み6割で決定し、残り4割は行動しながらカバーする(P116)

ひとつ間違えたら永遠に取り返しがつかない意志決定など、この世にそうはありません。また、これまで述べてきたとおり、100%絶対に正しい意志決定もありません。この事実を認識し、「見込み6割でどんどん決定し、残りの4割は行動しながらカバーしていく」習慣をつけましょう。
逆にいうと、残りの4割をどうカバーするか、多少間違ってもどのようにリカバーしていくかが、意志決定においては大切だといえます。
(中略)
仮に不正解に近い意志決定をしたとしても、それを正解に近づけるべく修正する能力があれば、なんら問題はないのです。

「思考停止」を起こさない(P122)

ちょっとでもうまくいかなかったり、何かにつまづいたとたん「うわっ、もうだめだ」と思考停止になってしまうクセを改めれば、意志決定のリカバリー力もついてきます。

最悪の事態に備えて「コンティンジェンシー・プラン」を用意する(P125)

最悪の事態にしなえるこのやり方は、「コンティンジェンシー・プランcontingency plan」と呼ばれます。
(中略)
最悪の状況に直面してからあわてて対応するのでは、何もかも後手後手に回り、リカバリーなどおぼつきません。手遅れになってしまうケースがほとんどでしょう。
しかし、あらかじめ抽出してあるリスクをもとに情報収集をし、コンティンジェンシー・プランを用意しておけば、すぐさま対応策を打ち、被害を最小限にとどめることができます。

失敗とは、最悪の事態を経験する練習(P132)

パイロットが「練習」するのは、晴天で風もない日の上空飛行ではありません。ふつうの操縦であれば、今は高性能の計器やコンピュータで自動操縦できます。
日頃のトレーニングとして注力すべきは、何か最悪の事態が起きた時どうするか。パイロットはそれを繰り返し練習しているのです。
意志決定もこれと同じで、最悪の状態に陥った時どうするかを、繰り返しシミュレーションしてリカバリー力をつけましょう。
さらにいえば、実際に行動する中で小さな失敗を体験し、リカバリー力を鍛えていくことも重要です。先ほど見込み6割で行動すると述べましたが、ここには「残りは失敗しながら実力をつける機会として利用する」という意味も込めています。
(中略)
頭のいい人ほど「100点満点」や「○×」にこだわり、正解を求めるので行動力がなくなる傾向があるようです。
「失敗とは、最悪の事態を経験する練習」だとマインドセットを変えれば、スピーディに意志決定し、実行に移し、リカバリー力がつきます。それがトータルでみて、意志決定力を鍛えるトレーニングになるのです。

損切りする勇気」も意志決定力のうち(P134)

リカバリー力をつけるという点では、外資計器ぎょぅから学ぶことがあります。
それは「固執しないスピード撤収の姿勢」です。
いったん下した意志決定を、最後まで守り通したいというのは自然なことです。
「あれだけ情報もインプットして、プロコンもシミュレーションもして意志決定したのだから、これで貫き通したい。初志貫徹だ」
このような思考を持つ人は多いでしょう。
しかし、それは唯一の選択肢ではなく、優先順位が一番高かった選択肢に過ぎないことを忘れてはなりません。
ひとつの選択肢を実行してうまくいかなかったら、できる限り素早くいさぎよく、第2の選択肢に乗り換える。これがリカバーするためのこつです。早ければ早いほど、損失は小さくなります。

すべてのトラブルを「練習」だととらえる(P144)

最初の意志決定でうまくいかなったら、次の選択肢を試し、リカバーすること。そして、すべてのトラブルを「意志決定の練習」ととらえて、自分のスキルを磨く道具にしてしまうこと。

お金の使い道を必要で有効なものに絞る(P162)

すなわち、「これは投資なのか、浪費なのか」というクライテリアに基づいて選択肢を決めるということ。
さらに、この場合にかかる費用やリターンをプロコンしたりシミュレーションして検証し、最終的な使い道を意志決定します。
実際に使うという行動に移した後、その使い道が正しかったかどうかを家計簿によって検証しながら、翌月からはリカバーしていくのです。
この繰り返しで、お金にまつわる意志決定力は鍛えられていきます。