- 作者: 安河内哲也
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2007/07/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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安河内先生は学生の時から20年教える仕事をされてきたそうだが、そのノウハウを全部ここに公開してある。ヒントになることがたくさんあった。私は大勢の前で教えることは今後もおそらくないと思うが、昔からなぜか教育係のようなことばかりしていたし、今目指している職業も1対1で「教える」要素の多いものなのでとても面白く読んだ。
中でも面白かったのは「教師たるもの五者たれ」という、先生の座右の銘。五者とは学者・役者・易者・芸者・医者のことで、つまり1人5役やれ、ということである。自身も常に勉強を続け、生徒を引きつける魅力・話術を持ち、不安をぬぐい去り、生徒を楽しませ、ひとりひとりに合った方法を指導できる人。そんなスーパーマンいないだろう、と思うが、確かにどれも教師として必要な要素だと思う。バランスよくこういう能力を磨こう、と心がけるだけでも違ってくるだろう。中でも、「100知らないと1教えることはできない」という言葉には重みを感じた。教えることが一番勉強になる、自分の能力・知識を確認できるというのは何度も体験したが、教える内容の100倍も理解していることが必要なのだ、と改めて納得した。
先生は講師として駆け出しの20代「教える/教えるための教材作り/自分の勉強」に明け暮れたそうだ。唯一休める春休みも海外へ英語のブラッシュアップに行っていたのだとか。やっぱりできる人はみんな努力していると思った。そりゃあこの先生の授業は人気があるはずだ。
読んでいて斎藤メソッドに似ているところが多いな、とも感じた。さすがはどちらも人気の先生。一方的に教えるのではなく、いかにして生徒に身につけさせるか、そこから応用して自分で学んでいけるかにウエイトを置いている。
個人的には「人の集中力はもって20分」という言葉にうれしくなった。今学んでいる学校は1コマ3時間授業で、間に10分の休憩をはさみ約90分ずつ授業がある。一般的に人の集中力は90分、と言われているが私は20分しか集中力が続かずそれが悩みだったのだ。よかった、自分だけ集中力が続かないわけじゃなくて。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
論理ブロックをマスターすれば、論文もスピーチも怖くない!
論理ブロックの基本は話す内容を
?トピックの提示
?サポート
?具体例・反論
?結論
の4つのブロックに分け、その順番で話を組み立てていく方法。
まず、最初のブロックである「トピックの提示」には、導入の役割があります。そして、最後の大きな「結論」にいたるための前段となる主張をします。冒頭で「…ですが」という一般論から始めてもよいでしょう。
人に話を聞いてもらう際に、ただ単に自分の意見を述べるだけでは説得力がありません。そこで、それを「サポート」する内容を次に持ってきます。この「サポート」のブロックでは、自分の主張について、その理由や背景を説明します。この「サポート」のブロックでは、自分の主張について、その理由や背景を説明します。
次にくるのが「具体例・反論」のブロック。ここでは、具体的な話や反論を盛り込んでいきます。とりわけ前の2つのブロックが抽象的な場合には、ここで具体例や経験談をふんだんに盛り込むと、わかりやすさが増していきます。
また、ここで持論に対する反論を紹介すると、話のバランスを調整することができ、内容に重厚感を出すことができます。
最後の「結論」においては、最初の主張を一気に進め、一番「言いたいこと」を主張します。
とはいっても、論理ブロックでの組み立て方は、一朝一夕で身につくものではありません。かなりの練習が必要です。
練習の際には、手元にある辞書や『イミダス』(集英社)などの用語集を使うとよいでしょう。それらのページをめくり、目についた単語について、論理ブロックの組み立て方を使って3分間のスピーチをつくってみるのです。
スパイラル方式
知識を習得する際に、同じ内容を最初は浅くやり、回を重ねるごとにどんどん深くしていくというやり方。
たとえば、単語集を1冊覚える時、まず1回目は太字で書いてある意味を覚える。2回目は細字の部分を覚え、3回目は例文を、4回目は類義語を、5回目は関連する熟語を…と進めていく。
こうして1冊の単語帳をスパイラル方式でくり返し勉強することで、知識は確実なものとなっていく。